高齢になってくると、賃貸物件の契約がしにくくなる場合があります。
貯金がなく年金収入のみ、保証人がいない、独居になり、何かあった時にどうしたら良いのか困る等、さまざまな理由から借りにくくなっています。
また、身体が動きづらくなる為、部屋の中の段差やお風呂やトイレ等の広さや手すりが取り付け可能かどうか等、借りる部屋の状態にも気をつけなくてはなりません。
やっと見つけた借りることができる物件であっても、移動が階段のみの2階以上の部屋、部屋の中に段差が多い、手すりなどが取り付け不可という条件であれば、生活することが難しい為、その物件はあきらめざるをおえません。
しかし、生活していく為に安心して住める場所は必要です。
現在、国は高齢者を住宅の確保に特に配慮を要する住宅確保要配慮者として、居住支援の制度整えることを推進しています。
今回は、高齢者が部屋などを借りるための支援「居住支援制度」について、紹介いたします。
都道府県・市区町村が行う居住支援制度
高齢者の住まい支援のニーズの高まりが予想されることから、厚生労働省と国土交通省が連携し、都道府県・市区町村の住宅部局・福祉部局等と地域の関係者による「住まい支援」の体制整備が推進されています。
それを受けて都道府県が居住支援法人を指定したり、市区町村は独自の居住支援制度を行ったりしています。
また、地方公共団体、不動産関係団体、居住支援団体等が連携して、居住支援協議会を設立している場合もあります。
いずれも高齢者など家や部屋を借りることが難しい方の原因となる事柄に対して、さまざまな支援で解決し部屋などを借りられるように支援していく形になっています。
≪画像元:厚生労働省 居住支援について(pdf)≫
【取り組みの例】
保証人がいない場合には家賃債務保証制度の提供、借りられそうな物件の情報が分からない場合には物件の紹介を行っています。
都道府県・市区町村によって、行われている支援内容も異なります。
東京都北区で行われている居住支援
次に、市区町村で行われている居住支援制度の具体例を紹介していきます。
北区の居住支援は、民間賃貸住宅に対しても行っており、入居前、入居後の問題に対して、さまざまな支援を行っています。
≪画像元:東京都北区 居住支援パンフレット(pdf)≫
【取り組みの例】
例として、高齢者でも入居可能な物件を不動産会社を通じて知らせてくれたり、家賃債務保証制度や民生委員などが、定期的に家に様子伺いに来てくれたりする制度を紹介してもらえることがあげられます。
また、条件がありますが、住み替え用の費用を一部助成してくれる制度もあります。
高齢者の方が、家を借りられない理由はいろいろです。
北区が実施したり紹介している内容は多岐にわたるため、その方が困っていることを確実にフォローしていくことができます。
金銭的なことも含め、さまざまな支援を受けられると分かれば、困りごとが何とかなるかもしれないと希望を持つことができ、相談に行ってみようという気持ちになれるのではないでしょうか。
奈良県天理市で行われている居住支援
奈良県天理市では社会福祉法人やすらぎ会が、社会福祉法人の公益事業の一環として、居住支援事業を行っています。
≪画像元:社会福祉法人 やすらぎ会 住まいの生活支援事業(居住支援事業pdf)≫
まずは、電話相談し、後日、自宅にて面談を行う流れになっています。
やすらぎ会が行う相談や支援は、無料です。
相談内容をもとに、具体的な支援プランが作成されます。不動産仲介業者にも、やすらぎ会の担当者が同行してくれます。
転居後も定期的に担当者が訪問するのでアフターフォローも充実しています。
また、居住支援法人としてやすらぎ会の担当者が一貫して関わってくれるため、ワンストップで賃貸に関する悩みを相談・解決することができます。
高齢者にとって、いろいろな関係各所との調整はとても負担になります。
やすらぎ会のように関係各所との調整までを担当者が行ってくれると、高齢者にはとても力強い助けになります。
お住まいの地域で調べてみましょう
まず、生活に必要な物として、衣・食・住の3つがあげられます。住む場所がないと、安心して生活していけません。
賃貸に関して困っていることがある場合は先延ばしにせず、お住まいの地域でどのような居住支援が行われているのかを調べてみましょう。
お金のことや身寄りについてなどさまざまなことを相談先に打ち明けなければなりませんが、それだけ高齢者の賃貸契約に関しては、いろいろな要因が絡んできます。
直接相談窓口に行くことが難しい場合には、電話での相談が可能な場合もあります。
まずは重い腰を上げて、賃貸に関しての困りごとを思い切って担当窓口に相談してみることです。
前に進む力になり新しい道しるべが灯ります。
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