何かとお金がかかった夏の終わりは家計が苦しくなります。
中には夏のボーナスの残高がゼロになってしまった方もいるでしょう。
この状態が年末まで続けば、夏以上にお金がかかる年末年始の費用に困るだけでなく、来年以降の家計のやりくりが苦しくなります。
そのような事態を回避するために、年末年始費用の確保に向けた準備を行う方法を月別にお伝えします。
8月下旬~9月:年末年始費用の確保に向けた準備を始める
お盆などに支出が増えた直後の8月下旬から9月は家計が苦しい家庭も多いでしょう。
しかし、4か月後には夏より出費の多い年末年始が控えていますので、その費用の確保に向けた準備を始めたいところです。
(1) 年末年始費用のおおまかな予算を立てる
まず、年末年始費用のおおまかな予算を立てます。
<主な年末年始費用>
・ 年末年始の贈答品費(お歳暮など)
・ 年賀状関連費用
・ クリスマス関連費用
・ 帰省・旅行関連費用
・ 帰省者へのおもてなし費用
・ 年末年始のセール費用
・ ボーナスを使う大きな買い物の費用
以上の費用についてざっくりと見積もりを出して合計すれば、年末年始に必要となるおおまかな費用がわかります。
(2) 現時点で年末年始の費用を用意できているかどうかを確認する
次は、1で算出したおおまかな年末年始費用を現時点で用意できているかどうかを確認します。
<確認の手順>
通帳や金融機関アプリで「今すぐお金を引き出してもよい口座(※)」の残高を確認します。
※生活費用口座・臨時支出用口座など。大学進学費用などの貯蓄口座は除外します。
1の口座残高の合計額を算出します。
「2で算出した金額」-「年末年始費用+1か月分の生活費」を計算します。
※前年の年末年始費用や年末年始の生活費がわかればそれで以上の計算を行ってもOKです。
3の計算結果がマイナスまたはプラスでも金額が小さい場合は、年末年始に必要な費用がまだ足りない状態です。
その状態で無理に家計から年末年始の費用を捻出すれば、お正月明けには家計が赤字になる可能性が高くなります。
それを事前に防ぐためにも、今から年末までに足りない分の費用を新たに貯める必要があります。
(3) 8~9月から年末までに年末年始の費用をコツコツ積み立てる
年末年始費用で足りない分を貯めるにあたっては、毎月収入が入ったらすぐ一定額を積み立てる形にするのがベストです。
仮に毎月1万円ずつ積み立てる場合、8~12月の5か月で5万円、9~12月の4か月でも4万円貯まり、年末年始費用の足りない分をそれで補てんできる可能性が高いでしょう。
(4) 年末年始費用を積み立てるお金を作るために支出を見直す
年末年始費用を積み立てるお金を作るためには、現在の支出を見直す必要があります。
それにあたっては無理なくできて即効性も高い次の方法を試してみましょう。
・ ムダな支出を減らす
ラテマネー、衝動買い、あまり利用していない定額サービスなどのムダな支出を減らすと、その分のお金を年末年始費用の積立金に回せます。
・ ポイントを上手に活用する
買い物などで貯まったポイントを上手に活用するのもおすすめです。
・ 有効期限が来る前にポイントを使う
・ 買い物の度に所有ポイントを使う設定にしておく
・ 「楽天ポイントクラブ」などのポイント運用でポイントを増やす
の3点に留意しながらポイントを使えば現金支出を抑えられます。
年末年始費用をボーナスで補てんするのは避けたい
年末年始費用の足りない分をボーナスで補てんすることは避けたいところです。
ボーナスの支給額は会社の業績などによって大きく下がる場合があるからです。
原則として年末年始の足りない分は毎月の積立貯蓄で貯め、それではどうしても足りない場合のみボーナスで補てんするのがおすすめです。
10月:より具体的な年末年始費用の予算案を立てる
10月はより具体的な年末年始費用の予算案を立てる時期となります。
年末年始に必要な費用の合計を計算し直す
この時期になると、年末年始費用の中で具体的な金額がわかるものが出てきます。
(例)
・ お歳暮
・ 年賀状
・ クリスマスプレゼント
・ 帰省・旅行の一部費用(交通費、宿泊費)
・ お年玉
・ ボーナスを使う大きな買い物
それらの金額をもとに改めて年末年始費用の予算案を作り、必要に応じて毎月の積立額の増額を行います。
11月:冬のボーナスの使い道を考える
11月は冬のボーナスの使い道を考える時期です。
使い道が特に決まっていない場合は全額貯蓄して必要な時に引き出す形にします。
すでに使う用途が決まっている場合の優先順位は以下の通りです。
住宅ローンのボーナス返済
高額な買い物(大型家電、家のリフォームなど)
貯蓄
年末年始費用の不足分の補てん
年末年始の費用については原則としてボーナスで補てんしないことを前提とするので、優先順位が低くなります。
12月:来年に向けて家計の管理方法を見直す
多くの家庭で年末年始の費用の見通しが立つ12月は、来年に向けて家計の管理方法を見直す時期です。
今年の反省をもとに来年の家計管理方法を見直す
今年の家計運営における反省をもとに、改めて来年の家計管理計画を考えます。
具体的には
・ 来年の家計管理で改善すべき点
・ 来年予定しているライフイベントへの備え
・ 少し将来のライフイベントへの備え
の3つを念頭に置きながら、支出の見直しを中心に家計の見直しを行いたいところです。
支払い方法別に支出の見直しを行う
支出の見直しにおいては、銀行口座振替の支出とそれ以外の支出に分けて考える必要があります。
その一例として、ここでは私が実際に行っている支出の見直し方法を紹介します。
銀行口座振替による支出の見直し
銀行口座振替による支出の見直しにおいては、各種料金の口座の残高不足を絶対に引き起こさないことが大前提となります。
万が一残高不足で料金の口座振替ができない場合、遅延損害金が発生して個人信用情報に傷がつくからです。
その上で、支払額が割高になる月払いや、あまり使わない定額サービスなどのムダな支出を見直した上で整理すると、支出が減って家庭の資産が増えます。
銀行口座振替以外の支出
銀行口座振替以外の支出についても見直します。
特に、キャッシュレス決済の多用による払い過ぎがあればすぐに見直す必要があります。
それにあたって私が実際に行ってきた払い過ぎの対策は2つあります。
1:店頭での支払いをすべて現金払いにする
私が過去に行って大きな効果があった払い過ぎの対策がこちらです。
店頭での支払いをすべて現金払いにすると、支払いごとに現金が減ることを強く実感して節約意識が高くなります。
1週間に使う現金の金額を決めて口座から引き出したお金を目的別(食費など)に分けて別々の封筒に入れ、そのお金で1週間やりくりする方法も支出を抑えるのに有効です。
2:現金チャージができるキャッシュレス決済アプリを利用する
こちらは私が現在行っている払い過ぎの対策です。
現金チャージができるキャッシュレス決済アプリの利用も、現金と同様に払い過ぎを防ぐ効果があります。
キャッシュレス派の私は、現金チャージができるPayPayに1週間分の生活費のほとんどを現金チャージし、その範囲でお金をやりくりすることでムダ遣いを防げています。
1と2の方法を併用する場合は、1週間分の生活費を両方に振り分けます。現金払いが多い方は現金の比率を高くし、少ない方はキャッシュレス決済の比率を高くして振り分けるといいでしょう。
年末年始の大きな支出に備えて今から準備を始めよう
年末年始に発生する多額の費用を年末にすぐ調達するのは困難なので、今から年末までにお金を貯めるなどの準備を始めることが必要です。
また、年末には今年の反省をもとに支出の見直しを行い、来年家計にゆとりがある状態をキープできるようにしましょう。
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