株主にとって、株価の値上がりや配当と並んで、株主優待は大きなモチベーションです。
最近、この株主優待に変化が出ています。
【永谷園】上場廃止により株主優待も廃止へ
3月31日時点で、永谷園ホールディングスの株式を100株以上所有する株主に、1,000円相当の商品詰め合わせが6月上旬に贈られます。
定番のお茶漬けだけでなく、炊き込みご飯にしてもおいしい「松茸の味お吸いもの」、ちょっとリッチな「おとなのふりかけ」などもあるかもしれません。
しかし、同社株は6月4日~7月16日にTOB(株式公開買い付け)が行われ、TOB完了後は一連の手続きを経て上場廃止となる見込みです。
上場廃止となれば、株主優待も当然廃止されるでしょう。
【スノーピーク】上場廃止により株主優待も廃止へ
スノーピークの株式を、12月末日現在で1年以上継続して保有している株主を対象に、15%引きとなる優待券が配布されます。
郵送されるクーポン用QRコードを読み取り、店舗やECサイトで利用するというものです。
所有株数に応じて、優待券の枚数は以下の通りとなります。
・ 100株以上500株未満:優待券1枚
・ 500株以上1,500株未満:優待券2枚
・ 1,500株以上:優待券3枚
しかし、同社株に対するMBO(経営陣が参加する買収)が成立し、2024年12月31日を基準日とする株主優待より株主優待制度は廃止されます。
優待券は有効期限内で利用できるので、安心してください。
【ゼンショー】(7/1より)株主優待券利用分がポイント対象外に
「ゼンショーホールディングス」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、すき家、はま寿司、ココス、なか卯、ロッテリアの親会社です。
3月末・9月末時点で株主名簿に記載された株主を対象に、所有株数に応じて優待券が贈呈されます(年2回)。
・100株以上300株未満:1,000円分(500円券×2枚)
・300株以上500株未満:3,000円分(500円券×6枚)
・500株以上1,000株未満:6,000円分(500円券×12枚)
・1,000株以上5,000株未満:1万2,000円分(500円券×24枚)
・5,000株以上:3万円分(500円券×60枚)
ゼンショーホールディングスの店舗で利用可能ですが、おつりは出ません。
7月1日より、株主優待券利用分については、各社が運営しているポイント制度の対象外となりました。
【良品計画】株主優待券の割引が5%→7%にアップ
無印良品を展開する良品計画では、2月末または8月末時点で100株以上保有の株主を対象に、1株あたり20円の配当金とともに、店頭で5%引きとなる優待カードを発行しています。
この株主優待券の割引率が、2024年8月末の基準日とする優待より、5%→7%にアップします。
ただし、無印良品週間の10%引きとは併用できません。
【サイゼリヤ】株主優待を廃止→増配へ
サイゼリヤでは、8月末時点に100株以上保有する株主を対象に、株主優待を実施してました。
従来の内容は、所有株数に応じて以下の金額の食事券を贈呈するものでした。
・100株以上を1年以上保有:2,000円分
・500株以上を保有:1万円分
・1,000株以上を保有:2万円分
500株以上と1,000株以上の配布区分でも、100株の1年以上継続保有は必要です。
しかしこの株主優待は、2023年8月末分をもって「廃止」となります。
2024年8月期の配当を、18円→25円に増配することも同時に発表されました。
増配分を考慮しても、株主優待の廃止は損ですね。
【ドラッグストアコスモス】株主優待を廃止へ
ドラッグストアコスモスでは、5月31日および11月30日現在の株主名簿に記録された株主のうち、100株以上保有の株主を対象に株主優待を実施しています。
以下の通り、保有株数に応じて優待券かおこめ券を贈呈するものです。
・100株以上(保有年数1年未満):株主様お買い物優待券1万円分、または全国共通おこめ券10kg分
・100株以上(保有年数1年以上):株主様お買い物優待券1万5,000円分、または全国共通おこめ券15kg分
1年で2回実施され、株主様お買い物優待券は発行日より1年間有効です(おこめ券は期限なし)。
しかし、2024年5月31日を基準日とする株主優待品の贈呈(2024年8月発送予定)をもって、株主優待制度が廃止されます。
2024年11月30日以降を基準日とする株主優待は実施されません。
株主優待は改悪リスクが大きい
株主優待は、配送料など思っている以上のコストがかかります。
株主優待をポイントなどにすることで、少しでもコストを抑えようとしている企業も少なくありません。
株式そのものよりも変更しやすい株主優待は、真っ先に改悪リストに名を連ねるでしょう。
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