メガバンクとその系列のクレジットカード、デビットカード等も、実力は千差万別です。
三井住友カードは今やクレジットカード全体を牽引する存在です。
三菱UFJニコスも、コンビニ等での高い還元率など(三菱UFJカードの場合)、独自性を発揮しています。
いっぽう、みずほ銀行やりそな銀行系のクレジットカードは、それほど目立つものではありません。
地方銀行系は、見るべきところはほぼありません。
これらに含まれない、ゆうちょ銀行のキャッシュレス決済はどうでしょうか。
クレジットカードは持っていてもいいが、デビットカードやゆうちょPayはどうかというレベルです。
ゆうちょ銀行キャッシュレスの全体像を確認します。
ゆうちょ銀行のキャッシュレス
ゆうちょ銀行は郵便局の銀行ですから特殊ですが、現在の金融サービス、特にキャッシュレス関連については一般の銀行と根本的に違う点はありません。
クレジットカード(ゆうちょ系でない一般のカード)の引落しに使えますし、QRコード決済や電子マネー(楽天Edy)へのチャージにも使えます。
では「ゆうちょ系」のキャッシュレスはどうでしょう。
みずほ銀行にみずほ系クレジットカード等があるように、ゆうちょ銀行にも独自の商品があります。
JP BANKカード(クレジットカード)
JP BANKカードはキャッシュカード一体型のクレジットカードです。
この点は便利ですが、Mastercard以外はキャッシュカードのないものも選べます。
このクレジットカードには次の特徴があります(一般カード)。
・ 年会費初年度無料
・ 翌年度以降実質年会費無料(毎年1回のショッピング利用で無料)
・ ポイント還元率0.5%(JCBは年間50万円以上でボーナスあり)
・ 国際ブランドはJCB、VISA、Mastercard
・ Apple Pay、Google Payで使える
・ カード現物でのタッチ決済可(JCB、VISA)
・ ETCカード年会費無料
・ 明細書郵送が原則(有料 ※申し込んで停止できる)
ポイント還元率はごく普通です。
JCBに限り利用額によるボーナスがありますが、年間50万円使って1割増える(0.55%)だけなので、大きなものではありません(年間100万、300万のボーナスもあり)。
VISA、Mastercardのボーナスは2025年1月に廃止されます。
地銀系によくある「年間10万円(例として)以上利用で翌年年会費無料」などという高めのハードルはなく、年1回の利用で無料となります。
珍しいのは、紙の明細書郵送(88円。2025円1月から165円。70歳以上無料)が原則ということです。
世間ではすでにWebでの確認のほうが原則になっています。
有料の明細書送付をやめるには、手続きが必要です。
ゴールドは年会費1万1,000円で、還元率1.0%です。
銀行系としてはごく普通の存在ですが、世間では年会費無料で使えるゴールドが主流になっているので、目立つ部分はありません。
ゆうちょデビット
キャッシュカード一体型のデビットカードで、国際ブランドはVISAです。
タッチ決済にも対応しています。
15歳以上、高校生以上なら申し込めます。
前述のJP BANKカード(キャッシュカード一体型)を申し込んでいる場合は、ゆうちょデビットは申し込めません。
還元率は0.25%と低めです。
ゆうちょPay
ゆうちょPayはQRコード決済です。
チャージ不要で、ゆうちょ銀行口座から即時引落しとなる点、先のゆうちょでビットと同じです。
還元率もゆうちょデビットと同じ、0.25%です。
ゆうちょ銀行から楽天キャッシュにチャージし、楽天ペイで支払えば還元率1.5%ですから、ずいぶんと差があります。
PayPay、au PAY、d払いにゆうちょ銀行からチャージしても0.5%で使えます。
チャージしないで使えるのはゆうちょPayの利点ですが、言ってしまえばそれだけです。
楽天カードゆうちょ銀行デザイン
これはゆうちょ銀行のクレジットカードではなく、楽天カード発行のものです。
楽天パンダデザインも選べます。
性能は通常の楽天カードと変わりません。
ひとつ特典があり、ゆうちょ銀行に引落し口座を設定すると500ポイントもらえます。
ゆうちょICキャッシュカードSuica
キャッシュカード一体型のSuicaで、JR東日本エリアの郵便局窓口で申し込めます。
Suicaは基本的に還元がない(駅ビル、駅ナカ、JR利用を除く)ので、チャージ時にポイントがつかないキャッシュカード一体型Suicaにメリットはあまりないでしょう。
ゆうちょのキャッシュレスはクレジットカードに多少価値あり
ゆうちょ銀行のキャッシュレス決済は、クレジットカード(JP BANKカード)のみ、多少価値があるといえます。
還元率等はメガバンクと比べたら落ちますが、地銀の水準からすると普通です。
ただ、別の高還元率クレジットカードをゆうちょ銀行で引き落とすほうがお得ではあります。ゆうちょ銀行デザインかどうかは別にして、楽天カードも選択肢のひとつでしょう。
還元率0.25%のゆうちょデビットやゆうちょPayはほぼ無意味に思います。
以上、忖度なしの評価でした。
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