公式サイトによると「食生活♡♡ロピア(食生活ラブラブロピア)」は2024年7月18日現在で全国に97店舗あり、最近では新規出店のたびに長い行列ができる人気ぶりも話題となっています。
ロピアの店名の由来は、企業目標として掲げている「ロープライスのユートピア」からきています。
店名のとおり、質とボリュームを兼ねそろえたコスパの高い商品が店内に所せましと並んでいる様子は、まるでテーマパークに遊びに来たような楽しさを味わえます。
この記事では、そんなロピアの楽しさの秘密について、ロピアを運営するOICグループの広報担当にインタビューしてきました。
※記事内の画像は関東エリアの店舗にて撮影しております。エリア・店舗によって価格・取り扱い商品が異なります。
1. 2024年は東北・北海道エリアへ出店
ー ロピアの特集をテレビで見る機会が増えました。そしてさまざまなエリアに出店を進めています。今後の出店予定を教えてください。
北海道・青森エリアのイトーヨーカドーの一部店舗を引き継ぎ、今年の8月には青森、年内には北海道にも新規出店予定です。
東北エリアも拡大しており、全国でロピアの出店を持ってくださっている地域の方々に向けて、出店計画を進めているところです。
ー ロピアは郊外への出店が多い印象がありますが、今後は都内中心部への出店予定はありますか?
都市部へもチャンスがあれば出店していきたいと思っています。
ただ、ロピアの世界観を出すのにそれなりの面積が必要なので、郊外に比べて都市部では難しいのは事実です。
しかしやはり条件が合えば、都内中心部にも出店の可能性はあります。
2. キャッシュレスやポイント制度の導入予定は?
ー ロピアは現金支払いのみですが、キャッシュレスやセルフレジ、ネットスーパーの導入予定はありますか?
新しい店舗を中心に、一部フルセルフレジを導入しています。
キャッシュレスやネットスーパーは現時点では予定していません。
キャッシュレス導入については、手数料発生による価格への影響を考慮し、お客様への還元を優先したいと考えています。
また「現金・クレジットカード・キャッシュレスでお買い物をされるすべてのお客様に対して、フェアな価格を提供したい」という理念があります。
そのため、現段階では導入を見送っています。
ー 会員制度やポイント制度の導入予定はありますか?
現時点では予定はありません。社内では議論されていますが、具体的な計画はありません。
3. 原材料値上げには「製造小売」と「PB商品開発」で対抗
ー 値上げが続いていますが、ロピアではどのように対応されていますか?メーカー側からの値上げ圧力はあると思うのですが。
ロピアを運営するOICグループは、「製造小売」を通じてお客様へ質の高い商品をコスパ高く提供することを目指しています。。
小売部門ではロピアに加えて、埼玉のローカルスーパーである「スーパーバリュー」や、テレビ出演で有名な秋葉社長の率いる「アキダイ」をグループに迎え、川上の生産・製造と、海外からの独自輸入商品を強化することで、メーカーへの依存度を下げています。
また、PB商品を増やすことで、高品質でお客様に魅力的な商品を提供できる体制を整えています。
4. ロピアの営業時間が他のスーパーよりちょっと短い理由
ー ロピアの仕入れは各店舗の店長さんが采配を握っているのでしょうか?
ロピアでは「個店主義」を採用しており、1つの店舗に6人の経営者がいるようなイメージです。
各部門の責任者は「店長」や「チーフ」と呼ばれ、仕入れや値付け、パート・アルバイト採用など、幅広い権限を持ち、責任を持って運営しています。
優秀な社員には、20代で年収1,000万円を超えるような給与体系を導入しています。
年齢に関わらず、頑張った社員には昇格のチャンスがあります。
ー すごくやりがいがあるんですね。若くても仕事を任せてもらえるっていうところで。
はい、そういった風土を大切にしています。ただ、やりがいだけでなく働きやすさや従業員の福利厚生も高めていて、ロピアの多くの店舗が朝10時開店ー夜8時閉店の10時間営業と他のスーパーより短くなっているのは、従業員の労働環境を考慮したものでもあります。
5. 一頭買いの「みなもと牛」に、シャリ25gのビッグなお寿司も人気商品
ー ロピアには牛肉やお寿司など、ちょっと贅沢な商品も取りそろえていますよね。人気商品を教えてください。
牛肉では「みなもと牛」が人気です。
市場から1頭まるごと仕入れることで、さまざまな部位を低価格で提供しています。
シャトーブリアン、サーロイン、リブロースも人気ですが、個人的にはザブトンがおすすめです。
ー ロピアのPB商品の中で、人気商品を教えてください。
最近発売された「湘南ビスケット」が人気です。さっくりとしたビスケットの間にバニラクリームが挟まったどこか懐かしい味がする商品です。
またロピアのキャラクター「ロピタ」のパッケージが目印の、韓国海苔や味付けのりも人気がありますね。
調味料では、グループ会社の丸越醸造と開発した「にんにくぽんず」がヒットしました。
ー ロピアのお寿司も話題です。お寿司が大きい気がするのですが。
はい、シャリは25gあり、美味しく食べていただきたいのでネタも大きめです。
6. 店内を見上げると、頭上に汽車が走っている理由
ー 商品開発の際に、お客様の声を取り入れることはありますか?
パートさんなど、現場の意見を参考に商品開発を行うこともありますが、基本的にはチーフやバイヤーが「お客様に喜んでほしい」という思いで商品を開発しています。
お客様の意見も大切ですが、それだけですと想像を超えた体験の提供はできませんので。
ー 想像を超えた体験といえば、ロピアの店内で頭上を走っている汽車には驚きました。明るく楽しい店内はまるでテーマパークに来たようです。
ロピアは「30~40代の親世代に食べ盛りのお子様が2人いるファミリー」をメインターゲットとしており、お客様が楽しめる仕掛けと、商品の質とボリュームに対する満足感を大切にしています。
そこには、創業会長の「子供たちには戦後の貧しい時代のような思いをさせたくない。お子さんも親御さんもお腹いっぱい食べて喜んでもらいたい。」という想いが込められています。
7.「青果最強デー」や「肉の日」など各店独自のセールあり!
ー ロピアにはセールイベントなどはあるのでしょうか?
店舗ごとに曜日別に「青果最強デー」や「肉の日」などのイベントを開催しています。
本部一括でのイベントは行わず、各店舗の個性を出しています。
ー 商品ラベルにも面白い表記がありますね。「クレイジー価格」や「ほぼ具」など、思わず二度見してしまう個性的な言葉です。
お客様を楽しませたいという思いから、チーフやバイヤーが考えたものです。
ユーモラスな要素を散りばめるのは、ロピアの社風であり良さですね。
8. 来店数はなんと「一般的なスーパーの2倍以上」
ー いつ行っても賑わっている印象があります。平均客数はどれくらいなのでしょうか?
平均4,000人ぐらいです。大型店では、多いときで1日に7,000人を超えるお客様が来店されます。
※全国平均は1日あたりの平均客数で、平日1,853.6 人、土日祝2,141.6 人。ロピアはその倍の来店数がある。
参照:一般社団法人全国スーパーマーケット協会「2023年スーパーマーケット年次統計調査報告書(pdf)」
9. ロピアの世界観を作る「デザイン部隊」とは?
ー 店内には手書き風の楽しいポップがたくさん掲示されています。どなたが書いているのですか?
ロピアでは、お客様に楽しい空間を提供するために、店舗デザインにもこだわっていて、社内に「店舗デザイン部」があります。
商品ポップは「店舗デザイン部」で作成しています。
筆で文字を書くような感じで、手書きで書いていることが多いです。
ー ロピアの商品ポップをみていると、売り場に行って、商品を手にとってみたくなります。
デザインの部署が内製化されている会社はあまりないと思いますが、ロピアが掲げる「食のテーマパーク」を表現するために、デザインはとても重要です。
今後もロピアらしい楽しい買い物空間を作っていきたいと思っています。
10. レジを通るときに「楽しかった」と思えるような買い物体験を
ー お店の中を歩いていると、ちょっと迷路に迷い込んだような楽しさがありますよね。それでなのかはわかりませんが、ロピアに行くと、気づいたら結構散財してしまう気がします。
ロピアは値段が安いというよりも、 コストパフォーマンスがすごく高い商品を置いています。
「食のテーマパーク」として、お客様に楽しんでお買い物をしていただきたいと思っています。
ー たしかにロピアへ行くと、レジを通るときに「楽しんでいっぱい使っちゃったけどまあ、いいか」といつも思っている気がします。
そのようなお買い物体験をお客様にしていただけるよう、目指しています。
ただ、先日は食品表示漏れの件で、見直すべきことが多数ありまして、お客様からもたくさんのご意見を頂戴しました。食の非常に大切なところなので、まだまだ会社としてしっかりやっていかなければならないと思っています。
今後も、楽しく美味しい商品と世界観に要注目
インタビューを通じて、ロピアがお客様に喜んでほしいという想いを持って運営されていることが伝わってきました。
今後も、コスパが良い商品と独自の世界観で消費者を楽しませてくれるロピアに、要注目です。
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