ふるさと納税は昨今のポイ活では欠かせない存在となり、簡単にできることから利用者も年々増加しています。
しかし、納税に関することなので、ネットショッピングと異なる複雑なルールが設定されており、あらかじめ情報を知ったうえで参加することが必要です。
またふるさと納税に関わる条件は、開始から年数が経つうちに何度も見直しがあり、今年に入ってポイント付与に関する方針変更の発表もありました。
ここでは、間違えやすいふるさと納税のルールとポイント付与に関する改定についてご紹介します。
1. ふるさと納税利用時の確定申告
ふるさと納税を利用した際に、ワンストップ特例制度の条件を満たしていれば、確定申告は不要です。
ワンストップ特例制度とは、自治体から送付される申請書を記入して送り返すだけで、簡単に寄附金控除の手続きができる制度です。
ワンストップ特例制度で確定申告不要になる条件は
1月1日~12月31日の1年間で寄付先が5自治体以下であること
ほかの要件で確定申告をする必要がないこと
があります。
2. 節税にはならないが、返礼品がもらえる分トータルでお得に
ふるさと納税は、翌年支払う予定の税金の一部を前払いし、申込した自治体の条件に応じて返礼品がもらえる制度です。
住民税の一部が控除される優遇や所得税の一部が還付として戻ってくる制度ではありますが、税金額が減額される制度ではありません。
また参加費用として、その年の寄付に対し2,000円の自己負担が必要となります。
自己負担は発生しますが、通常はただ納税するだけのところ、2,000円でいろいろな返礼品が入手できるのでトータルではお得な制度です。
3. 納税金額には上限がある
ふるさと納税での控除の対象額は、総所得金額等の40%が上限となります。
そのため、ふるさと納税ができるサイトが展開しているシミュレーターで上限金額をあらかじめ調べたうえで、寄付金額を把握しておきましょう。
寄付控除金額を超えた場合も、控除対象にはなりませんが寄付自体は可能です。
サイト上でアラートなどが表示されるわけではないので、自己管理が必要となります。
4. 寄付後は申請が必要
ふるさと納税は申込した後に、その寄付内容と個人の納税状況を紐づけるために、ワンストップ特例制度または確定申告の申請が必要です。
ワンストップ特例制度の申請期限は、翌年の1月10日まで、確定申告は翌年3月15日までとなります。
5. 住んでいる自治体への寄付は返礼品がもらえない
住民票登録のある自治体へのふるさと納税をした場合、寄付自体は可能です。
ただし、ふるさと納税はあくまでも居住区以外から寄付してくれた人に対してのお礼の品となるため、返礼品を受け取ることはできません。
6. 返礼品はすぐには発送されない
大手ECサイトなどもふるさと納税に対応しているため、ネットショッピング感覚でお手軽にふるさと納税申込をすることができます。
ただ、手順はネットショッピングと酷似しているものの、販売品の購入ではないため、返礼品の発送はあくまでも自治体の規定に沿う形となります。
そのため、人気の自治体は来年以降に返礼品送付などという場合もあり、すぐに届くというわけではありません。
自治体も返礼品の品質には気を配っているため、収穫直後や出来立てなど最適な状態での発送となることも多いです。気長に待つとよいでしょう。
今後のふるさと納税条件の改定
ふるさと納税はこれまで、
・ Amazonギフト券・HISの旅行券など換金性の高い返礼品は禁止
・ ふるさと納税の経費は、寄附額の5割以下
・ 熟成肉と精米は、原材料が都道府県内産である場合に限り返礼品と認める(地場産品基準の変更)
など、さまざまな改定が行われましたが、今年に入りいよいよポイントサービスで付与されるポイントにもメスが入りました。
総務省は2025年10月1日より「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること」を発表しました。これは、楽天市場などポイント制度を導入しているサイトから、ふるさと納税をした際に付与されるポイントの廃止を示しています。
楽天のお買い物マラソンなどに合わせて、ポイントをゲットしていた利用者にとっては、厳しい改悪です。
返礼品では引き続き変更はないので、返礼品に関するお得は変わらずですが、ポイント付与という面ではどのふるさと納税サービスを利用してもあまり変わらないということになります。
ふるさと納税に対応している各ECサイトでは、反対の署名を回収するなどの動きも出てきており、これまでの改定とは異なり、今後の動向に注目です。
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