ダイナースクラブカードは、老舗のクレジットカードで、古くから憧れる人の多い存在でした。
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年会費2万4,200円のダイナース、2024年7月31日の申込みまで、初年度年会費無料のキャンペーンを実施しています(公式サイトより)。
比較的申し込みやすいこの機会に、その性能について検証してみました。
「ステータス」という不明確な要素についてはあまり深く考えず、実益が見合うかどうかを確かめていきます。
ダイナースクラブカードとは
ダイナースクラブカードの特徴を確認します。
ダイナースは国際ブランドでもある
ダイナースクラブカードは、これ1種類で単独の国際ブランドを形成しています。
「ダイナース加盟店」で利用するカードです。
日本ではJCBと提携しているので、決済できないことは決して多くありません。
JCBのステッカーがあれば、ダイナースのロゴがなくてもおおむね大丈夫です。
海外では、北米は問題ないものの、国によっては通用しづらい地域もあります。
Mastercardもついてくる
国や地域によっては使いづらいこともあるのがダイナースのデメリットです。
ただし付属カードとして「TRUST CLUBプラチナマスターカード」が無料でついてきますので、こちらも持って歩けば困ることはないでしょう。
TRUST CLUBプラチナマスターカードは、年会費3,300円の格安プラチナカードとして知られていますが、ダイナース会員なら無料です。
ポイントは通算されます。
母体の変遷
ダイナースは古くから有名ですが、発行母体は大きく様変わりしてきました。
本国の米国では、「独立系」 → 「シティグループ」 → 「ディスカバー」です。
日本においては、「JTBと富士銀行」 → 「シティコープ」 → 「三井住友信託銀行」です。
現在日本では、三井住友信託銀行グループのクレジットカードブランド「TRUST CLUB」と発行元が同じです。
グレード的にはプラチナカード
ダイナースは老舗なので、現在一般的に通用する「プラチナ」「ゴールド」等のグレード区分からは自由な存在です。
ただサービス内容から考えると、プラチナカードと考えるのが妥当でしょう。
プラチナカードと考えれば、2万4,200円の年会費は安価なほうです。
さらに上級カードもあります。
年会費14万3,000円のダイナースクラブプレミアムカードです。
こちらは招待制なので、欲しければダイナースの利用実績を積みましょう。
専用フリーダイヤルがあるので、ユーザーの側からアタックすることも可能です。
ダイナースクラブカードの性能
まず日常の決済をするクレジットカードとしてのダイナースクラブカードの性能を確認します。
家族カード有料
ダイナースの年会費2万4,200円は、プラチナカードと考えたときは高いものではありません。
ただし落とし穴がひとつあり、家族カード年会費が1枚から有料です(5,500円)。
家族カード1枚を前提に年会費を考えたときは、2万9,700円です。
これでもプラチナの相場として高額というわけではないので、納得して使うのならいいでしょう。
還元率は低いがANAマイルがある
≪画像元:ダイナースクラブ≫
ダイナースクラブカードの利用で得られるポイントは、100円につき1ポイントです。
還元率1.0%なのかというと、違います。1ポイント=1円ではないためです。
ポイントの使い方の中では高率の方法がキャッシュバック(利用代金充当)ですが、1ポイント=0.4円相当(キャッシュバック等の場合)なので、還元率も0.4%となります。
決して高くありません。
ただしこの平凡な数字が、航空会社のマイル、それもANAにすれば飛躍的に価値が上がります。
ダイナースグローバルマイレージ(年間参加料6,600円)に加入すると、ANAマイルへの移行が1ポイント=1マイル(マイル還元率1.0%)となります。
年間移行マイル数の上限、4万マイルがあるので注意しましょう。
大部分のポイント交換方法で還元率が低いものの、ANAマイルにすると高還元という点、アメックス(プロパー)に似ています。
メインカードとして小額の買い物から使う場合、還元率は大事です。
還元率は公共料金引落しでさらに下がる
≪画像元:ダイナース≫
アメックスに似た点がもうひとつあります。悪いほうです。
公共料金の多く、それから税金支払についてもポイント還元率が半分となります。
この点は、メインカードとして多額の決済をしたいカードとしては、決してよくありません。
それから国民年金保険料はポイントが付きません。自営業の方はご注意ください。
電子マネー等にチャージしてもポイントはたまらない
ダイナースは、チャージに使うには不向きです。
チャージでポイントのたまる電子マネーがありません。
QRコード決済のau PAYへのチャージも、ポイント対象外です。
「チャージと利用でWポイント」という使い方はないわけです。
ただし、ダイナース会員に送られてくる「TRUST CLUBプラチナマスターカード」については、au PAYへのチャージはポイント対象となっています。
タッチ決済可
≪画像元:ダイナース≫
ダイナースもタッチ決済に対応しています(券面決済のみ)。
ただしタッチ決済マークがついていても、実際にやってみるとダイナースだけNGということも多いようです。
今後端末が更新されていけばトラブルは減るでしょうが、機器更新もすぐではないので、我慢が必要です。
Apple Payで使う決済はQUICPayとなります。タッチ決済ではありません。
Google Payに関しては、タッチ決済不可だけでなく、QUICPayの利用もできません。
参照:ダイナース
Androidユーザーについては、モバイルでダイナースを決済する方法は、次のいずれかです。
・ ポイントのたまらない電子マネーにチャージして使う
・ サブカードであるTRUST CLUBプラチナマスターカードでGoogle PayのiDを使う
・ 同じくTRUST CLUBプラチナマスターカードからau PAYにチャージして使う(au PAYのSuicaも使える)
特定店舗でボーナスポイント
クレジットカード各社は、特定の店舗で使った際のポイントアップを競っている状態です。
ダイナースにもポイントアップ店舗があり、ポイント5倍となります。
「オンライン明細確定通知サービス」登録と、ダイナースクラブ公式アプリの利用が前提となります。
対象は次の店舗です。
・ セブン-イレブン
・ ミニストップ
・ 成城石井
・ マツモトキヨシ
・ ココカラファイン
・ マクドナルド
・ TOHO CINEMAS
・ サンマルクカフェ
・ コメダ珈琲店
・ 銀座ルノアール
ポイント5倍というと高そうですが、もともとの還元率が0.4%なので、2.0%になるということです。
上記の日常使いのお店とは別に、ホテル、レストランその他でポイント倍になる特約店が多数あります。
ダイナースの向いた人
ステータスとは直接関係のない、ダイナースの日常カード利用について確認しました。
筆者の感想です。
「ポイント還元率0.4%」「公共料金・税金はポイント半分」「チャージしてポイントのたまる電子マネー等なし」は、日常使いのカードとしては非常によくないと感じます。
Google Payでは使いみちが乏しいのも難点です。
整理します。
この本格的キャッシュレス時代において、ダイナースが向いているのは次の人でしょう。
・ iPhoneユーザー(あるいはカード券面で決済するのを好む)
・ ANAマイルに交換して利用する前提(あるいは、ポイントについては一切気にしない)
・ 日常使いは他の手段に委ね、高額決済のときにダイナースを使いたい
・ できれば将来、ダイナースのプレミアムカードにグレードアップしたい
ダイナースの付帯機能
続いて、ダイナースのカード付帯機能を確認します。
日常使いのクレジットカードとしてはダイナースが不向きと感じた方も、こちらのメリットを感じるなら、持って後悔しないで済むかもしれません。
海外旅行傷害保険
≪画像元:ダイナース≫
ダイナース付帯の海外旅行障害の内容です。
・ 自動付帯(持っているだけで補償あり)
・ 治療費 … 300万円
・ 賠償責任 … 1億円
・ 携行品損害 … 50万円
・ 救援者費用 … 300万円
・ 家族特約なし
・ キャッシュレス治療が受けられる
・ 電話での緊急医療相談サービスあり
本カード会員と家族カード会員は上記の補償が受けられます。
現地での治療費も300万円あるので、ダイナース会員は基本的に保険商品に加入する必要はないと考えられます。
可能性としては手術などで治療費用が300万円を超えることもあります。
とはいえリスク回避だけのために追加で保険に入るのも非効率なので、別のクレジットカードを組み合わせて治療費を上げるほうがいいと思われます。
高校生以下の同行者がいる場合、無保険になるので必ず保険商品に加入しましょう。
エグゼクティブダイニング(レストラン1名無料)
≪画像元:ダイナース≫
世間のプラチナカードに標準装備のサービスがこちら、レストラン1名無料です。
特定レストランで2名以上でのコース料理注文の際、1名分が無料になります。
1年に一度家族で食事をするだけでも、年会費の多くを取り戻せます。
なお1店舗につき、半年に1回という制限があります。
ダイナースの場合、さらに一部店舗で、「6名以上で利用の場合2名無料」というサービスも受けられます。
海外ラウンジ(プライオリティ・パス)
画像元:ダイナース≫
ダイナースの場合、プライオリティ・パスを申し込まなくてもカード会員資格として海外空港ラウンジが無料で使えます。
条件は次のとおりです。
・ 年間10回まで無料(11回目から有料)
・ 同伴者有料
・ 家族カード会員は無料(本会員と同条件)
プライオリティ・パスも無料で申し込めます。
ダイナース利用回数と、プライオリティ・パス利用回数は通算して数えられます。
ダイナースのプラチナ該当サービスは揃っている
ダイナースのサービスのうち、主要なものを確認しました。
プラチナカードとして、欠けた部分は特にないといえます。
海外旅行やホテル、レストラン等で、ダイナースにふさわしい使い方をしてみたい人であれば、悪くない選択肢といえるでしょう。
ダイナースはやや古いタイプのプラチナ ステータスを感じる人ならこの機会に
スマホ決済との相性が決してよくない点は気になります。
ただ、それ自体まったく気にしないというキャッシュレスユーザーも多いでしょう。
日常での不便さが気にならず、そしてダイナースという名前に憧れているという方は、初年度年会費無料のこの機会に試してみてはいかがでしょうか。
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