2024年7月3日、いよいよ新紙幣が登場します。
「新紙幣が発行されたら古い紙幣は使えない」はウソ!今知りたい新紙幣の確実な入手方法や疑問を解決【7月3日~発行】
40年近く見慣れた「諭吉さん」ともお別れとなると、少し寂しいものです。
今回は、新紙幣の特徴、よくある疑問などに回答します。
7/3に新紙幣の流通開始
2024年7月3日、新1万円札・5,000円札・1,000円札の流通が開始されます。
新しい肖像画は、
1万円札が渋沢栄一、
5,000円札が津田梅子、
1,000円札が北里柴三郎
です。
額面数字や識別マークは触るとザラザラした感じで、ホログラムは見る角度によって画像が異なる3D形式、肖像の周囲にも緻密な画線で構成した連続模様が施されています。
2000円札は変更なし
現行紙幣の中で、唯一2,000円札は変更がありません。
2003年度を最後に製造がストップしていますし、さほど市中で流通していませんので、あまり影響はないでしょう。
見かけなさ過ぎて「偽札疑惑」も湧いて出そうですが、本物ですよ。
現在の紙幣と新紙幣に関する疑問に答えます
新紙幣発行は、およそ20年ごとに行われる一大イベントです。
なかなか遭遇することがないイベントだけに、よく分からないことも多いでしょう。
ここからは、現在の紙幣と新紙幣に関する疑問に答えていきましょう。
今のお札はそのまま使える?
なじみ深い今のお札は、新紙幣登場後も引き続き使えます。
今のお札だけでなく、筆者にはなじみ深い聖徳太子の1万円札や岩倉具視の500円札も、そのままの価値で利用可能です。
今のお札でしているタンス預金、銀行に預けなきゃダメ?
お札を新しくする主な目的は、偽造防止です。
しかしそれ以外に、銀行に預けず自宅などに置いてある「タンス預金」のあぶり出し目的もあるとされています。
入院や葬儀といった突然・高額の出費に備えて、タンス預金している人もいるでしょう。
2022年12月末の日本銀行の資金循環統計によると、日本の個人家計が保有する現金(タンス預金)は109兆円だそうです。
新札に代わるとこれまでのお札が使えなくなると思い込み、銀行に行ってタンス預金を新札に交換してもらう人が少なくありません。
これがあぶり出しです。
課税対象のタンス預金を申告していない場合はともかく、タンス預金自体は違法ではありません。
そのままタンス預金をしていても問題ありませんよ。
期間が経った旧紙幣のタンス預金は相続税・贈与税の時効の証明になる場合も
タンス預金も相続税・贈与税の対象になります。
相続税の時効は5~7年、
贈与税の時効は6~7年です。
例えば、死んだ母親がしていたタンス預金が見つかったが、いつからタンス預金をしていたか、残された家族には知る由もありませんよね。
しかし、そのお金が流通停止から10年以上経過しているような旧紙幣だとしたら、少なくとも10年以上前のタンス預金となります。
そうなると、相続税・贈与税の時効の証明になる場合もあるのです。
新札への交換に手数料はかかるの?
あぶり出しでなくても、ご祝儀を包むのに新紙幣のピン札がほしい人もいるでしょう。
新紙幣への交換は、銀行の窓口や両替機で可能です。
手数料については、両替に準じた手数料体系になっていると思います。
手数料は銀行によって異なりますが、足利銀行はキャッシュカードがあると、1日1回、10枚まで無料で両替機で両替可能です。
郵便局・ゆうちょ銀行では交換不可
銀行業務も行っている郵便局・ゆうちょ銀行ですが、通常業務として新紙幣への交換は行っていません。
サービスとして行ってくれる場合もありますが、あくまでサービスですので期待しないでください。
レアな紙幣は買取も選択肢に
基本的には額面通りにしか交換できない紙幣ですが、レアな紙幣はその限りではありません。
キリ番(100000など)
ゾロ目(111111など)
サンドイッチ番号(100001など)
階段(123456など)
初期に製造されたA-A券(A123321Aなど)
最後に製造されたZZ-Z券(ZZ900000Z)
エラー紙幣(印刷ミス・裁断ミスなど)
といった特徴がある紙幣が、比較的高価買取になります。
使ったり交換したりする前に、今一度財布の中のお札を確認してみましょう。
新札はどこでも使えるの?
有人レジ、銀行ATM、セルフレジなどでは問題なく使えるでしょう。
ただし、券売機や自動販売機、両替機では使えないかもしれません。
これは、導入コストがかかるのと、そもそも券売機業者が殺到する注文をさばき切れていないからです。
これを機に、キャッシュレス専用の券売機にするお店もあります。
新札に対応したいが設備投資するお金がないんだけど?
お店側としては新札対応の券売機などを導入したいが、導入コストが高いと感じている人もいるでしょう。
実は、新札対応の設備導入に活用できる、以下のような補助金制度があるんです。
中小企業省力化投資補助金(補助率50%、上限1,500万円)
IT導入補助金(補助率50%、上限450万円)
小規模事業者持続化補助金(上限250万円)
ものづくり補助金(補助率50%、上限1億円)
ぜひ活用してください。
詐欺に注意!
新紙幣が登場すると、詐欺も登場します。
「古いお札は使えないので回収します」
というのは、常套手段です。
それだけでなく、
新紙幣発行に伴い銀行法が改正され、キャッシュカードの交換が必要
偽札対策で交換が必要
還付金を振り込みたいが口座が古く紙幣も古いので、新紙幣と交換するため金融庁の口座に振り込んで欲しい
といった、既存の制度などと組み合わせた詐欺の手口も考えられます。
もちろん全部ウソですので、現在の紙幣やキャッシュカード、銀行口座はそのまま使ってください。