農林水産省が東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(令和6年5月)について、主産地等からの聞き取りを行い、その結果について発表しました。
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聞き取りを行った、15品目の野菜の5月の価格については令和6年5月は、ばれいしょの価格が平年を下回る見込みです。
参照:農林水産省
※平年並みとは、平年(過去5か年平均)との比率が90%以上、110%以下である。
※15品目の野菜:大根、にんじん、白菜、キャベツ、ほうれん草、ねぎ、レタス、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、ばれいしょ、さといも、玉ねぎ、ブロッコリー
5月の15品目の野菜価格のそれぞれの見通し
それぞれの野菜価格の見通しについて見ていきます。
5月の大根の見通しは?
千葉(77%)
茨城(10%)
主産県の生育は順調であり、5月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月にんじんの見通しは?
徳島(61%)
千葉(26%)
徳島県産に加え、千葉県産の出荷が増加します。
徳島県産は2月下旬から3月にかけての低温により細物傾向となり、平年を下回る出荷数量となる見込み。
千葉県産の生育は概ね順調。5月中旬に出荷数量が増加する見込みです。
全体として、5月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、5月後半は出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月の白菜の見通しは?
茨城(92%)
茨城県産は4月の気温高により生育が前進しており、5月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移するものの、5月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込みです。
5月のキャベツの見通しは?
千葉(44%)
愛知(23%)
神奈川(17%)
主産県において2月下旬から3月にかけての低温により生育が遅延傾向にあったものの、足元では出荷数量は回復傾向。
生育は順調であり、5月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のほうれん草の見通しは?
茨城(39%)
群馬(38%)
主産県の生育は順調であり、5月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のねぎの見通しは?
茨城(49%)
千葉(21%)
茨城県産の生育は順調。千葉県産は4月の気温高により生育が前進傾向であり、5月の出荷数量は平年を上回る見込み。
全体として5月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のレタスの見通しは?
長野(44%)
群馬(27%)
茨城(20%)
茨城県産が減少し、長野県産・群馬県産中心の出荷に切り替わります。
長野県産は降雨、降雪の影響による定植の遅れが発生しているが、4月の気温高により生育は回復傾向であり、出荷数量の大幅な減少は見込ません。他主産県の生育は概ね順調。
全体として、5月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のきゅうりの見通しは?
埼玉(27%)
群馬(26%)
宮崎(12%)
主産県において3月以降の低温により生育が停滞したことから後ろ倒しの出荷となっています。
全体として、5月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
5月後半は生育の回復が見込まれるため、出荷数量は平年並みとなり、価格も平年並みで推移する見込みです。
5月のなすの見通しは?
高知(45%)
福岡(17%)
群馬(14%)
主産県の生育は概ね順調であり、5月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のトマトの見通しは?
熊本(28%)
栃木(24%)
愛知(12%)
熊本県産は3月の低温等の影響により、着果不良に加え、小玉傾向となっており、5月前半までは出荷数量は平年を下回る見込みです。他主産県の生育は順調。
全体として、5月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、5月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のピーマンの見通しは?
茨城(58%)
宮崎(19%)
高知(10%)
茨城県産の生育は順調であり、出荷数量は平年並みとなる見込み。
宮崎県産・高知県産は3月から4月にかけての低温等の影響により、出荷数量は平年を下回る見込みです。
全体として、5月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、5月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のばれいしょの見通しは?
長崎(46%)
鹿児島(38%)
北海道産の出荷が終了し、鹿児島県産・長崎県産中心の出荷となります。
主産県において、降雨の影響により、後ろ倒しの出荷となるため、5月前半の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移し、5月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のさといもの見通しは?
鹿児島(31%)
千葉(30%)
埼玉(26%)
千葉県産・埼玉県産に加え、鹿児島県産の出荷が増加します。
鹿児島県産の生育は順調であり、出荷数量は平年並みの見込み。
千葉県産・埼玉県産は夏場の高温の影響により歩留まりの低下に加え、小玉傾向となっており(収穫及び貯蔵が完了)、5月の出荷数量は平年を下回る見込みです。
全体として、5月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込みです。
5月の玉ねぎの見通しは?
佐賀(55%)
北海道(22%)
兵庫(11%)
北海道産・佐賀県産に加え、兵庫県産の出荷が増加します。
北海道産は8月から9月にかけての高温・干ばつの影響により歩留まりの低下に加え、小玉傾向となっており(収穫及び貯蔵は完了)、5月の出荷数量は平年を下回る見込み。
他主産県の生育は概ね順調です。
全体として、5月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
5月のブロッコリーの見通しは?
香川(25%)
熊本(17%)
長崎(13%)
埼玉(11%)
香川県産・熊本県産・長崎県産・埼玉県産中心の出荷です。
主産県の生育は順調であり、5月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込みです。
野菜の高値はまだ続く
近年天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、農林水産省では産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化のために平成23年より、主産地、卸売会社等からの聞き取りを基に、野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信しています。
5月は、ばれいしょがお買い得の見込みです。
冬から春にかけて「ばれいしょ」の価格は平年を下回っているものの、野菜の価格は高値が続いています。
とくに、にんじん・きゅうり・トマト・ピーマンについては、暖冬と2~3月にかけての低温の影響により、5月の価格は平年を上回っています。
今後しばらくは、野菜高騰の悩みは尽きなそうです。
産直野菜を活用しよう
野菜が高いとはいえ、買わないわけにはいきません。
そこで筆者は、産直野菜を積極的に購入しています。
産直野菜は生産者が価格を決めているため、比較的安く手に入ることが多いです。
鮮度もよく、味もおいしい。形や大きさにばらつきがある野菜は、“訳あり品”として安売りしていることもあります。
「産直売り場」を設けているスーパーも多くありますので、買い物の際はぜひ立ち寄ってみてください。
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