税務署への相談は無料ですので、申告書の作成方法がわからなければ教えてくれますし、特例制度の概要や適用要件について説明してもらうこともできます。
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しかし、節税アドバイスに関しては税務署が積極的に行うことはありませんので、今回は税務署が節税情報をすすめてくれない理由について解説します。
「節税」になるかどうかは人によって違う
税務署が積極的に節税アドバイスをしない理由として大きいのが、節税になるケースが人によって違うからです。
たとえば自宅をローン付きで購入した場合、住宅ローン控除を適用できる可能性がありますが、特例制度を適用するためには要件をクリアしなければなりません。
特例要件をクリアできるかは人によって違いますし、要件を満たしていたとしても適用するかは本人の判断です。
また、ローンを組めば銀行に利息を支払うことになるため、住宅ローン控除の節税額より住宅ローンの利息の方が大きくなる場合、ローンを組まずに住宅を購入した方が得になることも考えられます。
相談者から特例要件についての質問があれば、税務署は回答してくれますが、反対に質問されない限りは積極的に特例制度を紹介することはありません。
税務署は管轄以外の税金説明は行わない
税務署は全ての税金を取り扱っているわけではないので、税務署職員に地方自治体が扱っている住民税などについて質問しても、回答はしてくれません。
電話相談をした場合、電話がたらい回しにされることもありますが、職員は担当する税目のみを回答しますので、相談者からの質問が担当外であれば別部署に電話を回します。
一般論として他の税金に関しても説明してくれる職員はいるかもしれませんが、基本的に担当している税金しか答えを持ち合わせていないので、スムーズに相談したいときは、相談する税金を取り扱っている場所を事前に確認しておくことも大切です。
税務署職員から節税アドバイスを引き出す方法
税務署は積極的なアドバイスはしませんが、質問のしかたを工夫するだけで必要としている回答を得ることができますし、相談準備をしておけば知らなかった特例等の情報も得られるかもしれません。
たとえば所得税の確定申告関係の相談であれば、自分の収入や所得控除の金額を把握しておくだけで話がスムーズに進みますし、より深い部分まで相談対応をしてくれます。
住宅ローン控除を適用する場合には、住宅ローンの有無やローン年数、購入した物件の築年数などが確認できる書類が手元にあると、特例の適否が判定しやすいです。
もちろん、何を調べればいいのかわからなければ、その状態のままで税務署に相談しても問題ないですが、既に知っている内容について回答をもらったとしても相談者としてもあまり意味がありません。
そのため、相談する内容が明確な方ほど質問事項に関する基礎知識を身に着けておくと、税務署から満足できる回答が得やすいです。