老齢基礎年金や老齢厚生年金の老齢年金の受給資格を満たした方は、原則65歳から受給することができます。
【罰則規定有】不動産の相続登記が令和6年4月1日から義務化 対処法と各ケースの手続き期限を解説
しかし、本人が希望すれば、65歳で老齢年金を受給しないで、66歳以降75歳までの間に繰り下げて増額した年金を受給することも可能です。
このように老齢年金を65歳以降に繰り下げ受給しようと待機している期間に亡くなってしまったら、受給できなかった老齢年金はどうなってしまうのでしょうか。
今回は、老齢年金の繰下げ受給待機期間中に亡くなってしまった場合、遺族は年金を受給できるかについて解説していきます。
老齢年金の繰下げ受給とは?
老齢基礎年金は、受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した期間)が10年以上あれば原則65歳から受給できます。
老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格を満たしていて厚生年金保険の被保険者期間があれば、原則65歳から受給できます。
原則、老齢年金は受給資格を満たせば65歳から受給できますが、65歳で受給せずに66歳以降75歳まであれば月単位に繰り下げて受給できるのです。
老齢年金を繰下げて受給する場合、繰り下げた期間に応じて老齢年金の増額率が決定されて、その増額率は一生変わりません。
また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げることが可能です。
繰上げ受給の増額率は以下の計算式により算出され、その方の増額前の年金受給額に算出された増額率を掛けることで、増額後の年金受給額が計算できます。
増額率=0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数
繰下げ受給待機期間中に亡くなってしまった場合
老齢年金の繰下げ受給のために、本来受給できるのに受給していない期間のことを、待機期間といいます。
この繰下げ受給待機期間中に本人が亡くなってしまった場合、当然ですが本人は本来受給できた65歳からの年金額を受け取ることはできません。
しかし、一定の遺族の方が請求をすれば、65歳に達した月から亡くなった月の分までの年金額を未支給年金として一括で受給できるのです。
未支給年金を受給できる一定の遺族は、優先順位の高い順に以下の遺族になります。
(1) 配偶者
(2) 子
(3) 父母
(4) 孫
(5) 祖父母
(6) 兄弟姉妹
(7) その他3親等内の親族
一定の遺族の方が未支給年金として一括で受給できる
このように、老齢年金の繰下げ受給待機期間中に亡くなってしまった場合は、一定の遺族の方が未支給年金として一括で受給することができます。
ただし、受給できるのは65歳から受給した場合に受給できた年金額であり、増額計算された年金額ではありませんので注意が必要です。
2024年中に緩和される「年収の壁」と2024年から注意が必要な「年収の壁」