楽天市場は、2023年11月1日にスーパーポイントアッププログラム(以下、SPU)の改定を発表し、X(旧Twitter)では「楽天改悪」がトレンド入りするほど大きな話題となりました。
これまでさまざまな改定が繰り返し実装されてきた楽天経済圏ですが、この改定は「楽天経済圏の今後の方針」を指し示す内容でした。
ここでは11月の発表内容から、楽天経済圏の方針の分析と今後の在り方について探ります。
12月よりポイント還元率の引き下げ、ポイント還元の上限額の引き下げ
12月に15種類以上の改悪が実装されます。
影響の大きいところでは、楽天カードの改定はインパクトが大きい内容でした。
「5と0のつく日」キャンペーン
楽天市場内で「5と0のつく日」に購入するとポイント還元のあるキャンペーン
ポイント還元2% → 1%変更
還元上限額3,000ポイント → 1,000ポイント変更
「楽天プレミアムカード」「楽天ブラックカード」「楽天ビジネスカード」で楽天市場を利用するとポイント付与
ポイント倍率2% → 撤廃
還元上限額1万5,000ポイントから5,000ポイント変更
楽天カード(特典付与ポイント)
楽天市場の利用時に常時付与される1%ポイント還元(特典ポイント)
通常カードの獲得上限5,000ポイント → 1,000ポイント変更
※ただし、楽天プレミアムカードは据え置き
楽天プレミアムカードなどの年会費が発生するカードについては、解約返戻金措置が取られるなど、てこ入れには本気度が伺えます。
ITmedia NEWSに非常に興味深い楽天へのインタビューが掲載されています。
記事では『「事実として全体的にかなり調整させていただいているが、全SPU対象ユーザーの8割以上は、今回の変更により獲得ポイント数が増加するか変わらない。モバイルユーザーに限れば、8割以上が獲得ポイント数が増える」と語る(全SPU対象ユーザーには楽天モバイルユーザーも含まれる)。』(一部引用)とあります。
記事の内容では、楽天モバイルユーザーの獲得が増加、SPU対象ユーザーの2割は獲得ポイントが減少、8割が現状維持か増加するということです。
参照:ITmedia NEWS「楽天改悪」トレンド入り 楽天市場がポイントプログラムを大幅改定した理由、同社に聞いた 2023年11月1日掲載
楽天経済圏は継続すべき?
これまでヘビーユーザーであればあるほど、ポイント還元の享受が受けられたというのが楽天経済圏の特性でした。
そのため、楽天の金融サービスを中心に、SPUに関連する楽天サービスを複数利用してきたという方も多かったかと思います。
ただ、今後は「ヘビーユーザーへの享受は薄くなっていく」ことになります。
これまでのように、楽天サービスをたくさん利用してしたからといって「=お得にポイント還元」ではなくなります。
一方で、「楽天経済圏に変わるお得な経済圏があるのか?」という視点で考えると、キャンペーンなどで局地的にお得を享受できることはあっても、「楽天経済圏に匹敵する完成度の高い経済圏は少ない」のが現状です。
経済圏選びで注意すること
どの経済圏でも共通で言えることは、「サービス開始時はお得還元度が高いが、ある程度ユーザーが集まったら改悪される可能性が高い」という点です。
そのため、初期はお得だから楽天から乗り換えたとしても、徐々に改悪され結果的に目立ったお得要素がなくなり、普通のサービスになっていたということもよくあります。
経済圏の移行は一度に複数のサービスを変更したり、手続きや設定に手間がかかるため、時間を消費しがちです。
そのため、サービスを乗り換えるときはそのサービスが自分の生活スタイルにきちんとフィットしているか、お得を享受するために他の部分で無理が生じていないかは、慎重に検証すべきです。
例えば、日常的に利用するお店(スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストア、飲食店等)や銀行と、利用している金融や決済アプリの親和性が高いか、どのECサイトを利用しているか、同経済圏を複数使うことで享受しているポイント還元はどのくらいあるかなどチェックするとよいでしょう。
多角的に検証した上で、楽天経済圏が最適解という場合もあるので、その際は無理して別経済圏に移行せず、楽天経済圏を継続して問題ないです。
昨今は、dポイント、Pontaポイント、PayPayなど他経済圏もいろいろなサービス拡大を図っているため、第二・第三経済圏と複数の利用もポイント享受していくのも良い手法といえます。