携帯電話に押されて、固定電話を使っていない人も多いのではないでしょうか。
筆者宅にはまだ固定電話がありますが、以前ほど使っていません。
NTTの固定電話では、2024年の1月よりサービスを大きく改定します。
通話料金が全国一律に
これまで、固定電話の通話料金は距離に応じて9.35円/180秒~11円/45秒となっていました(夜間や深夜は割増)。
また、家の固定電話だけでなく公衆電話も同様で、11円/62秒~11円/9秒でした。
遠方へ電話を掛けるとき、10円玉やテレホンカードをしっかり準備したものです。
しかし、2024年1月1日より固定電話網のIP化に伴い、通話料金が全国一律となります。
固定電話は9.35円/180秒、11円/62秒となり、遠方への電話がお得になります。
夜間・深夜の割増もありません。
「マイライン」が終了
「マイライン」とは、利用する電話会社を登録することで、通話の際には電話会社の識別番号をダイヤルせずにその電話会社を利用できるサービスです。
市内通話、同一県内の市外通話、県外への通話、国際通話と、4つの通話区分ごとに電話会社を選んで登録できます。
固定電話網のIP化に伴い通話料金が全国一律となるため、距離段階の区分に応じて事業者を事前選択するマイラインは、そぐわなくなります。
そこで、2024年1月にマイラインの提供を終了します(地域ごとに異なる)。
2024年1月以降は、NTT東日本(西日本)の通話サービスに基本的に自動移行されます。
現在の電話機はそのまま利用できますので、「使えなくなる」「工事・交換が必要」などの悪質な販売には注意してください。
「テレホーダイ」が終了
「テレホーダイ」とは、毎月定額料を支払うことで、夜11時~翌朝8時に行なう特定電話番号への通話・通信料金が定額になるサービスです。
従量課金が当たり前だった電話料金に、初めて定額制を導入したサービスでもありました。
テレホーダイ1800は月額1,800円、テレホーダイ3600は月額3,600円(いずれも税別)です。
これらを利用するには、NTT東西のマイラインプラスまたはマイラインの登録が必要になります。
月額料金の日割り計算は行われません。
しかし、固定電話網のIP化に伴い、12月31日をもって終了することが決まっています。
また、タイムプラス、エリアプラスなど、固定電話向け通話料割引サービスも終了します。
「フレッツ・ISDN」「フレッツ・ADSL」が終了へ
テレホーダイが通話・通信料金が定額になるサービスならば、「フレッツ・ISDN」「フレッツ・ADSL」はインターネットなどへ接続する際の通信料が定額となるサービスです。
豊富な対応プロバイダから、好きなプロバイダを選べます。
「フレッツ光」の提供エリアでは、2018年11月30日をもってフレッツ・ISDNの新規申込受付が終了しました。
それ以外のエリアでも、2024年3月31日をもってフレッツ・ISDNの新規申込受付が終了します。
完全なサービス終了は、フレッツ・ADSLは2025年1月31日(2022年1月31日以前のフレッツ光の提供エリアは2023年1月31日)、フレッツ・ISDNが2026年1月31日です。
サービスが終了しても、プロバイダから料金請求が来る可能性もありますので、プロバイダへの連絡をお忘れなく。
「フレッツ光」の工事料金などが無料に
サービスが終了するとインターネットに接続できなくなりますので、フレッツ光などのサービスに乗り換えが必要です。
その際、フレッツ・ISDN、フレッツ・ADSLの利用者は、「フレッツ光」初期工事費が無料になるほか、インターネット接続設定やルーター、Wi-Fi接続の設定料金も無料になります。
ちなみに、12月1日より工事費が改定され、戸建ては1万9,800円→2万2,000円、集合住宅は1万6,500円→2万2,000円にアップしました(土日祝日は3,300円プラス)。
フレッツ光への申込期限は、フレッツ・ISDNが2024年1月31日、フレッツ・ADSLが2024年1月31日ですので、忘れないでください。
割引サービスが終了
加入電話やINSネット64では、Web明細サービスを利用すると月額121円割引、複数回線の電話料金の請求を一括でまとめると月額110円割引されます。
この割引が、2023年12月に発行する請求分より終了します。
「電話加入権」は諦めて解約するのも手
固定電話の通話料金が全国一律になるのは改善ですが、それ以外はおおむね改悪です。
使っていない固定回線は、解約するのも手です。
契約の際、「電話加入権」を購入した人もいると思いますが、戻ってくる公算はないでしょう。
というのも、電話加入権は「施設設置負担金」を支払うことで入手できるものであり、債券のようなものではなく回線設備の建設費用として使われるからです。