働き方改革の影響もあり、さまざまな働き方が出てきています。
年間6万円は申請しないともらえません。東京都子育て支援018サポート12/15申込締切(令和6年1月一括支給分)
副業をはじめとして、雇用契約にしばられないフリーランサー等があります。
ただし、働き方が多様化されたとしても、法律についてはすぐにそれに対応した内容に変わるというわけではなく、慎重な判断が求められることも少なくありません。
今回は有給休暇消化中にそのまま就職した場合の取り扱いについて、公的保険の考え方を始め、実務上も多い事例を交えて解説します。
退職時の有給休暇の請求
まず、有給休暇の残りがあれば、会社に対して請求することは可能です。
特に、多くの日数が残っていればそれだけこれまで有給休暇を使ってこなかったという見方もできますが、人手不足に悩まされている中小企業においては何日も立て続けに取られてしまうと、事業の正常な運営に支障をきたすといった問題もあります。
よってある程度労使間で話し合いを行い、落としどころを探るということは差し支えありません。
有給休暇の買い上げ
有給休暇の買い上げは、原則として認められていません。
理由として、有給休暇は本来働くべき日に対して本人の請求に基づき、給与を保障しながらも就労を免除します。
目的としては心身のリフレッシュをはかってもらい、次なる労働日に備えてもらうことです。
すなわち、買い上げることで実質的に「お金で解決」ということが認められてしまうと、有給休暇の本来の目的が達成されない恐れがあるからです。
ただし、退職することで事実上取得することができないことが明白な分等については、買い上げたとしても違法ではありません。
有給休暇中に転職活動や就職
有給休暇中に転職活動をすることは問題ありません。
もちろん取締役等、その企業の管理および指導的な立場のビジネスパーソンが現在の会社の競合他社に転職する等は、信義則上問題となることはあり得ます(また、現在の会社で競業避止条項が結ばれているケースもあり得る)。
また、そのようなケースではなく、通常の一般社員が全く畑違いの会社に転職活動をし、有給休暇中にそのまま就職した場合はどのような問題が起こるのでしょうか。
雇用保険
各種保険の資格取得日についてです。
まず、雇用保険については、現行の法律では64歳以下のビジネスパーソンは複数の事業所で加入することはできません。
ゆえに有給休暇中の会社で雇用保険に加入している場合には、新しい会社で取得手続きをしたとしても加入することはできないということです。
また、実際に働いていない有給休暇中とはいえ、労働契約がなくなっているわけではありませんので、有給休暇中だからといって雇用保険の資格を喪失させることは誤りです。
社会保険
次に社会保険についてですが、資格取得の時期について「適用事業所に使用されるに至った日」とされていますので、両方の会社で被保険者としての資格が重複することが考えられます(保険証については2枚使えるということではなく自身で選択)。
そうなると、「2以上勤務」にかかる手続きが必要となり、保険料は両社の報酬を合算させ、按分されることとなりますので、給与における保険料も通常時とは異なりますので、情報共有なしには誤った給与計算となってしまうことにもつながります。
働き方の多様化に法改正が追い付かない可能性が高い
働き方改革とコロナの影響もあり、働き方の多様化が進んでいます。
そこで、今後も今までになかった労務管理上の論点が出てくることが想定されます。
ただし、働き方の多様化と法律の改正が同時に進むことは通常まれですので、これまでと異なった働き方をする場合には、結果的に自分自身には認識がなくても会社に対して手間を発生させることもあり得ることから、1度立ち止まって考えることも重要なことです。