ライフは首都圏と近畿、両方で他店舗展開する大手スーパーです。
筆者もよく使うのですが、大手チェーンにしては、選べる決済方法にややクセがあります。
ライフでのキャッシュレス決済について、優れているものを考えます。
「プライオリティ・パス」最新情報 利用料金の値上げが続くが、使える場所は多種多様に
ライフのキャッシュレス決済
ライフで使えるキャッシュレス決済は次のとおりです。
【ハウス決済】
・ LC JCBカード
・ LaCuCa(電子マネー)
【一般の決済】
・ クレジットカード(国内発行全ブランドOK)
・ クレジットカードのタッチ決済(おおむね全ブランドでOK)
・ LINE Pay、PayPay、メルペイ
【ポイント付与】
・ LaCuCa
・ dポイント
・ Ponta
【スマホアプリ】
・ ライフアプリ(ポイント付与と、LaCuCaの機能代替)
ライフでは、クレジットカード加盟店で使えるプリペイドカードやデビットカードもOKです。
QRコード決済は3種類使えますが、あまり見かけない組み合わせです。
dポイントとPontaが付くのに、この系列のQRコード決済であるd払い、au PAYは不可です。
それから、還元率を競う際に必ず名の挙がる楽天ペイも使えません。
ハウス電子マネーのLaCuCaは現金チャージ式です。
電子マネーというより、プリペイドカードといったほうが正確でしょう。
これ以外、交通系やiDなど、電子マネーが不可なのも珍しいものです。
タッチ決済はおおむねOKなので、Apple Pay、Google Payにタッチ決済として登録したクレジットカードなら支払いに使えます。
次に、ライフで使える支払い方法を評価していきます。
ライフのハウス決済
商業施設発行のクレジットカードが、その施設で一番いい決済とは言えない事例が増えました。
イトーヨーカドーなど、5%オフになる「8の日」以外では系列の「セブンカード・プラス」は強いとは言えません。
ライフの場合、ハウスカードの「LC JCBカード」は、平常時に悪くはないものの、格別よくもないという印象です。
電子マネーLaCuCaとともに検証します。
なお、LC JCBカードもLaCuCaも、たまったポイントはライフのお買い物で使えます。
LC JCBカードは還元率1.5%(ただし実質1.0%)
≪画像元:ライフ≫
ライフでお得なクレジットカード、LC JCBカードの特徴です。
・ 年会費無料
・ ディズニーデザインが選べる
・ 決済200円ごとに3ポイント(還元率1.5%)
・ ライフ以外では決済200円ごとに1ポイント(還元率0.5%)
還元率1.5%は分解すると、「提示」「決済」「引落し」それぞれで0.5%となるのを合わせたものです。
税込、税抜の違いがあります。
・ 提示0.5% … 税抜
・ 決済0.5% … 税抜
・ 引落し0.5% … 税込
提示によるポイント付与が税抜である点も、引落しによるポイント付与が税別である点も、ごく普通です。
税込基準で還元率を計算しなおすと、1.4%程度になります。
ひとつ気を付けたいのが、ポイント提示分が還元率に乗っていて、共通ポイント(dポイント、Ponta)と併用はできないということです。
つまり他の決済と比較する際、LC JCBカードは実質1.0%(税込基準だと0.95%程度でさらに低い)です。
ライフ以外で利用する際の0.5%という還元率は、JCB一般カードと同じです。
LaCuCaは現金チャージ式
LaCuCaは、物理的な券面を持つカードです。
発行手数料100円が必要です。
ポイントカードと、電子マネー(プリペイドカードと呼ぶ方が妥当と思われる)を兼ねたものです。
事前にライフにある専用チャージ機でチャージしてから使います。クレジットチャージはありません。
還元率は次の通りです。
・ ポイント … 税抜0.5%
・ 電子マネー … 税抜0.33%
電子マネー機能は、「税抜300円ごとに1ポイント」です。
LaCuCaで支払うとdポイント、Pontaは併用できません。
実質は、しかも税込基準に合わせると0.3%程度の還元率に過ぎません。
一般的なキャッシュレスユーザーの視点からすると、時代遅れな決済アイテムと言わざるを得ません。
ライフアプリについて
≪画像元:ライフアプリ≫
ライフもスマホアプリを発行しています。
アプリでもポイントがためられますが、前述のLC JCBカード、LaCuCaで支払う際に付与される提示のポイントを肩代わりするだけなので、得にはなりません。
他のスーパーでよくある「キャッシュレス決済+アプリ」の組み合わせはないため、アプリ提示の価値自体乏しくなっています。
アプリには「クーポンがもらえる」「キャンペーンに応募できる」「チラシの閲覧」という性能があるものの、還元率の面では特筆すべき存在ではありません。
ライフのハウス決済はかつてのポイント3倍、5倍デーでは意味があった
見てきた通り、ライフのハウス決済は還元率の面からは魅力ある存在とは言えません。
ただ、コロナ前にはしばしば「ポイント5倍デー」「ポイント3倍デー」があり、その点で楽しみがあったのです。
コロナ禍の中でポイントデーはなくなり、復活していません。
ただし現在LC JCBカード利用者のみ、ポイント5倍デーが設定されることがあります。
気を付けたいのは「5倍」というと大きそうですが、通常が「3倍」なので、実質は税抜1.0%アップだということです。
イメージほど大きな数字ではありません。
一般の決済
ライフのハウス決済は、格別魅力的とは言えないことを見てきました。
数字に、ポイント提示分の税抜0.5%が含まれていることにもご注意ください。
次に一般の決済です。
こちらは、dポイントまたはPonta(それぞれ税抜0.5%付与)の提示と併用できます。
おすすめは、エポスゴールドカード、三井住友カードです。
他のお店でお得になる決済は使えないことが多い
ライフのキャッシュレスが特殊だと感じるのはこのあたりです。
一般的におすすめされる、次の高還元率決済は使えません。
・ モバイルSuica(ビューカードからチャージして1.5%)
・ セゾンパール・アメックス×QUICPay(年間30万円まで2.0%)
・ 楽天キャッシュ(楽天ペイで使う)
ハウスカードも見た目ほどではないし、普通のキャッシュレス手段は封印されがちというのがライフの特色です。
ただし、次に見る通りおすすめクレジットカード、そしてプリペイドカードがあります。
エポスゴールドカードの「選べるポイントアップショップ」登録でポイント3倍
≪画像元:エポスネット≫
エポスゴールドカードは年会費無料で使えて、年間100万円以上の利用を前提に還元率1.5%となる優れたカードです。
このカード(プラチナカードも同様)のサービスに、「選べるポイントアップショップ」があります。
3つまで店舗を登録すると、ポイント3倍(1.5%)となります。
ライフも登録できます。
選べるポイントアップショップにライフを登録したときの還元率は、カード全体の年間利用額に応じて次のとおりです。
・ 登録のみ … 1.5%(通常の3倍)
・ 年間50万円 … 2.0%
・ 年間100万円 … 2.5%
三井住友カードで「ライフ」をポイントアップに登録すると1.0%
≪画像元:三井住友カード≫
三井住友カードには、「選んだお店でポイント+0.5%還元」というサービスがあります。
3店舗を選んで登録すると、ポイントの0.5%上乗せがあります。ライフも選べます。
三井住友カードは通常のポイント還元率は0.5%ですが、1.0%になります。
エポスゴールドカードと似ていますが、こちらはスタンダードカードでもOKです。
さらに三井住友ゴールド(NL)または銀行一体型のOliveフレキシブルペイゴールドだとお得です。
年間100万円の利用で年会費永年無料になるだけでなく、ポイントボーナスによって還元率が1.0%上乗せされ、これによってライフでの還元率が2.0%となるためです。
筆者はエポスゴールドカードも持っていますが、ライフについては三井住友カード(Oliveゴールド)に登録しています。
タッチ決済のメインカードを三井住友カードにしており、そして常時7.0%以上となるコンビニ等の特約店で積極的に使っているためです。
ライフでもスマホタッチ決済で済ませて、ポイントアップを得ます。
驚異の還元率5.0%、LINE Payもおすすめ
LINE Payという決済は日本では下火ですが、ライフではこれが使えます。
LINE Payだけではあまり意味がないのですが、Visa LINE Payクレジットカード(p+)と組み合わせると、驚異の5.0%還元となります。
券面のないカードレスタイプがおすすめです。これに勝てる決済はそうそうありません。
ただし月500ポイントが上限で、決済で言うと月1万円でポイント打ち切りです。
筆者は、この決済は毎月必ず上限まで使い切るため、ライフでは使いません。
前述の三井住友カードのタッチ決済にしています。
Visa LINE Payプリペイドカード(2.0%)もいい
ライフでは「タッチ決済」は使えます。
これを活かすなら、バーチャルカード(カードレス)のVisa LINE Payプリペイドカードもいいでしょう。
クレジットカードではないため、事前に銀行または現金チャージが必要です。
その代わり審査がないので、誰でもすぐ始められます。
QRコード決済のLINE Payとは関係なく、Apple PayまたはGoogle Payに登録し、タッチ決済またはiDにセットして使うカードです。
ライフはiD不可のため、タッチ決済に登録しておく必要があります。
還元率2.0%で、月のポイント付与上限がありますが月25万円使わない限り問題ありません。
前述の、三井住友ゴールド(NL)で「0.5%アップ」「年間100万円利用」の両方を満たしたときと同じ数字が出るので、おすすめです。
ライフのお得な決済は限定されるが、選べば大きい還元率が出る
ライフの決済についてまとめます。
・ ライフのハウス決済では、LC JCBカードに価値がある。ただし見た目ほど大きな数字ではない
・ 現金チャージ式のLaCuCaは時代遅れ。数字も低い
・ エポスゴールドカード、三井住友カードがおすすめ
・ 月1万円まではLINE Payもいい(ただし「Visa LINE Payクレジットカード(p+)が必要)
・ すぐに始められるのはVisa LINE Payプリペイドカード
・ dポイントまたはPontaの提示を忘れずに
楽しいお買い物をしましょう。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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