キャッシュレス決済が数多い中、このところ地味な決済だった電子マネー、楽天Edyに急速に注目が集まっています。
とはいえ、楽天Edyが目立つ状況は長くは続かないだろうと悲観的な見方をしています。
本記事はチャージのルートがふさがれることを予想する、後ろ向きの内容です。
ですが危険を予期しておくことも、キャッシュレスユーザーには重要でしょう。
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楽天Edyに注目集まる
地味な楽天Edyに注目が集まっているのは次の理由です。
・ 楽天Edyから楽天キャッシュへの交換ルートが開通(2023年7月)
・ エポスゴールドカードの「選べるポイントアップショップ」からモバイルSuicaが外れたこと(2023年9月)で、間接的な楽天Edyの地位上昇
楽天キャッシュは、QRコード決済の楽天ペイの支払い原資にして使うのが普通です。
「楽天キャッシュ → 楽天Edy」の既存ルートの逆が開通し、可能性が広がりました。
エポスの問題はこれとは別ですが、エポスユーザーの筆者にとっては大変重要です。
これらの変革に伴い、生じている事象を確認します。
楽天Edyと楽天キャッシュ(楽天ペイ)の関係に変化が
楽天Edyと楽天キャッシュ(楽天ペイで使う)の決済時還元率の比較です。
・ 楽天Edy … 0.5%
・ 楽天キャッシュ … 1.0%
この差は、楽天ユーザーには常識かもしれません。
楽天Edyも楽天キャッシュも、楽天カードからチャージするとともにチャージ時還元率0.5%です。
チャージ条件が同一で、決済時のポイントが異なることで、常に楽天ペイがお得な状況が続いていました。
ただ、楽天キャッシュが基本楽天カードからしかチャージできないのに対し、楽天Edyはチャージの別ルートが多少あって、工夫の余地がありました。その関係性に変化が生じたのです。
・ 楽天Edy … 年間100万円決済するエポスゴールドカードから、1.5%でチャージ
・ 楽天キャッシュ … 楽天Edyから等価交換可能(月10万円まで)
楽天Edyと楽天キャッシュの相互交換実施により、楽天キャッシュが楽天Edyの工夫にただ乗りするようになったのです。
二つの決済の還元率の差が、固定化されたわけです。
この状態を、エポスユーザー側からと、楽天側からそれぞれ評してみます。
・ (エポスユーザー)楽天Edyよりも、常に楽天キャッシュのほうが0.5%トクなのでそちらを使うべき
・ (楽天側)楽天カード専用だった楽天キャッシュに、他社の手が伸びてきた
エポスゴールドカードからは、楽天Edyと楽天キャッシュを経由することで、還元率2.5%で楽天ペイが使えることになります。
8月で消滅した、「選べるポイントアップショップに登録したモバイルSuica」と同一です。
楽天カードから楽天キャッシュ経由なら1.5%に過ぎないので、他社ルートを使うことで、実に1.0%の差がつくわけです。
スタンダードのエポスカードですら、楽天カードと同じ1.5%になります。
このような状態が固定化されると、いかにも不自然です。
モバイル楽天EdyはAndroid専用
モバイル楽天Edyは現状、Android専用で、iPhoneに対応していません。
対応予定という話は以前からありますが、nanaco、WAONに先を越されて(2021年10月)久しい状態です。
モバイルでなく、楽天カード一体型等のカードタイプでよければiPhoneユーザーも意外と使えます。
以下は、上記でご案内したAndroid版の手順ですが、iPhone用楽天Edyアプリでできることに○を付けています。
1.○エポスゴールドカードから、楽天Edyにチャージ
2.楽天Edyから楽天キャッシュに等価交換
3.○楽天キャッシュで楽天ペイを使う
楽天カード付帯のEdyにも、楽天カード以外からチャージすることは可能です(楽天会員情報にカード登録していればOK)。
ただ残念なことに、「楽天Edyから楽天キャッシュ」がおサイフケータイアプリでしかできないため、iPhoneユーザーが楽天ペイを2.5%還元で使うことはできません。
できるのは、カードタイプ楽天Edyを2.0%還元で使うことまでです。
モバイル楽天Edyはオートチャージもできて快適
エポスSuicaショックから立ち直った筆者(Androidユーザー)は、モバイル楽天Edyの利用を数年振りに再開しました。
いざ使い始めてみるとかなり快適ですし、チェーン店では使えないことはほとんどありません。
今までモバイルSuicaを使っていた箇所に、完全に置き換えることができています。
なによりも、「他社カードでオートチャージ」ができるのは、極めて珍しいことです。
楽天Edyのオートチャージは、1時間に1回通信で残高を確認し、設定基準を下回っていると自動でチャージするスグレモノです。
とりあえず「2,000円を下回ると3,000円チャージ」設定にしました。
これでほとんど困りません。
ただ、次の悩みが付きまといます。
・ 楽天Edyを経由して、楽天ペイを使えば還元率がもう0.5%上がると思うと釈然としない
・ エポスゴールドカードから楽天Edyへのルートがふさがれるとお手上げ
・ 「楽天カードから楽天Edy」は還元率合計1.0%で、まるで魅力がない
・ 「楽天カードからチャージした楽天キャッシュで楽天ペイ」も還元率1.5%で、さほど魅力がない
楽天Edyは快適ですが、合理的に考えるなら、楽天Edyの残高をそのまま楽天キャッシュにチャージして、楽天ペイで使うべきです。
還元率が永久固定されているので仕方ありません。これから徐々に切り替えていくつもりでいます。
楽天Edyにチャージしてポイントのたまるカードは少ない
モバイルSuicaに比べると、楽天Edyにチャージしてポイントのたまるカードは非常に少なくなっています。
このことは、次の二律背反する事象を同時に想像させます。
1. だいぶ減ってきたのだから、ここでもう打ち止め(残ったカードは大丈夫)
2. 楽天の意向もあって減ってきたのだから、まだ減る
筆者は2だと想像しています。
現状を確認します。
楽天Edyへのチャージでポイントのたまるカード
エポスゴールドカードを例に挙げましたが、このように「楽天Edyへのチャージでポイントをためる」ことは決して一般的ではありません。
楽天カードでは通常の半分、0.5%にしかなりません。
他社カードでは現状、次のものが挙げられます。
・ エポスカード
・ リクルートカード(VISA、Mastercardブランド/月3万円まで)
・ TOKYUカード
・ ANAカードの一部(ゴールド以上などが多い)
以前はジャックス等がありましたが、すでに終わっています。
リクルートカードも、月の上限が生まれました。
上記以外にもチャージでポイントのたまるカードはあるかもしれませんが、調べがつきませんでした。
筆者の認識ではかつて「エディオンカード」が楽天Edyチャージ対象(1.0%)でした。
改めて調べると、現在はポイント付与対象だという根拠が見つかりません。
カード発行元のセディナ公式サイトでは、こうあります。
・ セディナ全般について「楽天Edyはポイント対象外」
・ エディオンカード個別については記載なし
それから「JMBローソンPontaカードVisa」がポイント対象と書いてある媒体がありましたが、これも発行元のセゾンカードからはその根拠が読み取れませんでした。
これだけ減ったのは、nanacoチャージにおけるセブンと同様に、楽天側の意向が働いているものと考えられます。
チャージルートが閉じられた前例
最近は、チャージ時ポイントが付かずWポイントにならない例が増えました。
少しずつ、ルートがふさがれていくのです。
この例として、楽天Edyとは逆ですが、楽天カード側が他社へのルートを閉じたものがあります。
1. 楽天カードからau PAYへのチャージは制限なかった(Mastercard、アメックスブランド)
2. Android限定で、「au PAYのSuica」が登場
3. 3か月後に、1のルートが消滅(ポイント対象外となる)
2が2022年3月、3が同7月です。
1の段階では、楽天とau PAYとは、こういう状態でした。
・ 楽天カードから楽天キャッシュチャージ(0.5%)+楽天ペイ利用(1.0%)
・ 楽天カードからau PAYチャージ(1.0%)+au PAY利用(0.5%)
自社ルートと、他社ルートが同じ還元率だったのです。
それでも、同じならばまだ大きな影響ではありませんでした。
ここに、「au PAYのSuica」が登場し、au PAYからSuicaへのチャージで0.5%ポイント付与されるようになったのです。
すると、Suicaを巡って関係がこうなりました。
・ 楽天ペイのSuica(チャージ還元率0.5%)
・ au PAYのSuica(楽天カードからのチャージで、還元率1.5%)
自社ルートより他社ルートが3倍高価値になったのです。
この状態が長続きするはずないと思った通り、すぐにふさがれました。
この例を考えたとき、楽天カードを使って欲しい楽天サイドが、いつまでもエポス等のルートを認めるとは思えないのです。
新たなサービスのスタートは、それに伴い古いルートを閉じることがあるわけです。
ルートがふさがれたらどうする
筆者はいずれエポスゴールドカードから楽天Edyへのルートは、ふさがれると考えています。
リクルートカード(Mastercard)は持っていますが、これが残ってももう使わないと思います。
筆者がエポス(と三井住友Olive)で意識している「年間100万円達成」から外れたルートのためです。
ルートがふさがれた場合、au PAYを活用します。
月間5万円までという金額制限ができてしまったau PAY他社カードルートですが、これはもう変わらないと予想しています。
次から次へ環境が変わっていくのを嘆いても仕方ないので、常に最適のルートを探し求めていくつもりです。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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