PayPay等QRコード決済の地域大型還元が、全国で繰り返し実施されています。
かながわPayは早期終了しましたが、2023年10月は千葉でも開催されます(10%だが、大手も対象)。
東京在住の筆者はオトクな買い物のため、機会を作りあちこちに出かけています。
本来の用事が都区内のどこにあっても構いません。
1日乗車券を使い、安い交通費で還元開催の区に出向いて買い物するわけです。
今回は、最近1年程度に実施された、都区内の大型還元を振り返って比較してみます。
ただちに役立つ内容ではないのですが、今後実施されるキャンペーン活用のヒントにはなるでしょう。
それから、各区の関係者の方に、もう少し横との比較を実感していただきたい理由もあります。
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東京は区ごとに還元の中身が大きく異なる
東京都に23ある「区」は、全国政令指定都市のそれとはまったく違い、独立した自治体です。
選挙で選ばれる区長がいて、区議会があります。
自治体ごとに実施のQRコード決済地域還元も、区ごとです。
他の区に出かけてキャンペーンに参加してみると、利便性の差に驚きます。
すべてを同じステージに並べて、比較してみます。
すべての区でPayPay等の大型還元があるわけではない
東京23区のすべてで大型還元を実施しているわけではありません。
今後の開催見込みの乏しい区は次の通りです。
カッコ内はその理由となる、独自の地域還元です。
・ 葛飾区(かつしかPay)
・ 江東区(プレミアム付江東区内共通商品券)
・ 千代田区(独自還元はないが、PayPayのキャンペーンは2021年が最後)
・ 板橋区(いたばしPay)
・ 渋谷区(ハチペイ)
・ 目黒区(めぐろデジタル商品券)
・ 世田谷区(せたPay)
・ 大田区(大田区プレミアム付デジタル商品券)
デジタル商品券を発行したからといって、ただちにPayPay等のキャンペーンを実施しないとは言えません。
ただ、可能性は減ります。
そして「せたPay」など独自のアプリを使った還元を実施している場合、PayPay等の実施可能性はまずありません。
目黒区は2021年に、d払いの30%還元が2回に分けてありました。
これは充実の内容で、その後も続いていれば今回も優勝を争ったに違いありません。
葛飾区、江東区は2022年にQRコード決済の還元を実施したばかりのため、今回のランキングには含めています。
なおデジタル商品券は、大田区以外は住民でなくても購入可能です。
ですが、先に金券を購入するタイプは、プレミアがあっても筆者の場合手が出ません。
各区大型還元の評価基準
豊島区、中野区はあいにく未参加のため、これ以外の区利便性に点数を付け、順位をつけています。
次の基準ごとに★をひとつつけていき、合計の数で勝者を決めます。
・ 中小スーパーで使える
・ コンビニの一部で使える
・ ドラッグストアの一部で使える
・ チェーン店でも使える(カクヤス、カルディコーヒーファーム等が代表例)
・ 30%還元は★ひとつ追加
・ PayPay以外(d払い、楽天ペイ、au PAY)の決済が使えるキャンペーンは★ひとつ追加
・ まとめ買いに向いた区は、筆者主観によりボーナス加算★
スーパーは実に大事で、お得の度合いを左右します。
残念ながら区によっては、スーパーだというだけで規模を問わずキャンペーンから排除されています。
使える決済方法が多い場合、還元の上限を気にする必要がなくなるのでメリット大です。
それから、お米やお酒、日用雑貨等、まとめ買いに向いている区にはボーナス★を付けます。
各キャンペーンの開催月を載せていますが、これは終了月です。
1位:江東区★6(2022年10月)
評価基準:コンビニ、ドラッグストア、チェーン店、30%、PayPay以外、まとめ買い
江東区ではスーパーは対象外でしたが、もともと区内スーパーの大半が大手で還元は望めませんでした。
コンビニもOK、ドラッグストアも(よく対象になっているマツキヨ以外も)みな還元店で、さらに決済が4種類使えたため還元上限も気にしなくていいという、まさに買いだめパラダイスの出現です。
亀戸や門前仲町は、ドラッグストア天国と化していました。
いっぽうで、砂町銀座のような名商店街も賑わっていました。
江東区はデジタル商品券を始めたため、今後は期待薄です。
同点1位:葛飾区★6(2022年12月)
評価基準:スーパー、コンビニ、チェーン店、30%、PayPay以外、まとめ買い
中小スーパーが新小岩駅付近に多数あり、多くのコンビニでも使えました。
新小岩駅付近に飲食店がかなり多く、とりあえずでかけてみればなにかリターンが得られる状況で、散歩にも向いていました。
葛飾区でもデジタル商品券「かつしかPay」を始めたため、今後の開催はないかもしれません。
3位:足立区★5(2022年12月)
評価基準:スーパー、ドラッグストア、チェーン店、30%、まとめ買い
足立区のスーパー「ベルクス」は中小企業の経営する大スーパーです。
綾瀬と東和のお店に行きましたが、東京中あちこちのスーパーへ行く筆者をうならせる、充実の規模と内容でした。
総合3位ですが、ベルクスのおかげで個人的な満足度は1位に近いものです。
マツモトキヨシ等の還元ドラッグストアも多くありました。
さらに北千住という繁華街を抱えているのもポイント大です。
千葉、埼玉の方もこの還元でかなり恩恵を受けたのではないでしょうか。
同点3位:品川区★5(2022年12月)
評価基準:スーパー、ドラッグストア、チェーン店、PayPay以外、まとめ買い
20%還元でしたが、品川区の還元は充実の内容です。
そしてこの地には、武蔵小山、戸越銀座という大型商店街があり、とりあえず出掛けてみれば楽しみが見つかります。
ドラッグストアについて大手は対象外でしたが、中小企業運営の店舗が多く、そちらで還元が受けられました。
スーパーは、この地に本社のある文化堂3店舗のみです。
大井競馬場北隣の「ウィラ大井」の文化堂が充実しています。
5位:杉並区★4(2022年12月)
評価基準:スーパー、チェーン店、30%、まとめ買い
杉並も品川区に似ていて、商店街充実の買い物天国です。
筆者は大型還元をきっかけにして、その後もたびたび杉並区に行くようになりました。
この区は中央線の駅ごとに繁華街が形成されていて、それぞれの街で個性が違います。
中小スーパーもアキダイ等、豊富に存在します。
荻窪のルミネとつながっている駅ビル「タウンセブン」では、キャンドゥや西松屋も還元店でした。
100均で30%還元は、他では見たことがありません。
6位:練馬区★3(2023年7月)
評価基準:スーパー、チェーン店、まとめ買い
アキダイ、みらべるという中小スーパーが利用できました。
チェーン店はカルディとカクヤスです。
他区のキャンペーン並行実施中は気づきませんでしたが、今年は単独で、行ってみるとなかなか使い勝手のあるものでした。
7位:江戸川区★2(2022年12月)
評価基準:スーパー、30%
江戸川区の還元は隣接する葛飾区と同時期だったためもありますが、地味な印象です。
地場スーパーの「ヤマイチ」が対象になっていたのが、感じたメリットのほぼすべてです。
同点7位:中央区★2(2022年5月)
評価基準:スーパー、PayPay以外
この区のキャンペーンは、使い方によっては決して悪くありませんでした。
まず豊富な飲食店です。八重洲地下街など、多くの店舗で還元が受けられました。
スーパーは、文化堂2店と、小型スーパー「デリド」2店で、所在地は月島、勝どき、湊です。
初夏のいい時季だったため、ウォーターフロントの散歩がてらに利用しました。
月島の文化堂は大きな店舗です。
同点7位:文京区★2(2022年6月)
評価基準:ドラッグストア、30%
同時期に近隣他地区のキャンペーンが多かったため埋没気味でしたが、マツキヨ等ドラッグストアで使えました。
谷中付近では、荒川区と同時に開催していました。
同点7位:北区★2(2022年12月)
評価基準:スーパー、30%還元
滝野川、西ヶ原等に還元スーパーがあり、買い物しました。
商店街の盛り上がりがもう少しあればと思います。
11位:新宿区★1(2022年9月)
評価基準:PayPay以外
25%還元なので数字は悪くはありません。
ただ、事前に調べたわりには、大企業の多い新宿において、使い勝手はもうひとつでした。
外から来ての買いまわりは期待薄です。
繁華街を外れた四谷あたりで、飲食店をいくつか使った程度です。
同点11位:港区★1(2023年2月)
評価基準:ドラッグストア
港区にはもともと中小スーパーが存在しません。
大きな商店街も少なく、どこで使っていいものかよくわかりませんでした。
ただ品川駅や浜松町の駅前に、食事しには数回行きました。
サラリーマンのための還元といった雰囲気です。
「マツモトキヨシ」「ぱぱす」で還元が受けられたのはメリットでした。
同点11位:荒川区★1(2022年12月)
評価基準:スーパー
一部スーパーで使えるのがメリットという程度でした。
ただ、日暮里繊維街など、趣味のある人には大きく活用できそうなキャンペーンでした。
最下位:台東区★0(2022年12月)
上野、浅草の繁華街を抱える台東区は食事には便利でしたが、それ以外のメリットは少なかった印象です。
同点最下位:墨田区★0(2023年9月)
数えて5回目となる墨田区の還元ですが、今回はほぼ「外飲み限定」で、大きく利用のチャンスが減ってしまいました。
実質特定ジャンルのみ優遇する格好の還元が、区民に喜ばれているのか疑問です。
基本30%還元なのですが、この数字は商店会加入店舗だけで、加入していないと10%還元のため★はなしです。
今後東京で還元があったらどう使う?
2022年をピークに、地域大型還元は減り気味です。
ただ終わったばかりの「かながわPay」は効果大だったとされていて、都内でもなくなりはしないでしょう。
還元が始まった時のヒントです。
PayPayより楽天ペイ、au PAY
QRコード決済の還元は「PayPayのみ」が多いですが、他の決済も使える場合、利便性が大きく広がります。
PayPayは20%還元であれば本当にその数字で打ち切りです。
いっぽう他のペイは、通常の還元も付きます。
例として、「楽天カードから楽天キャッシュをチャージした楽天ペイ」の場合、チャージと利用の合計1.5%が、20%意外に付与されます。
大きな買い物の際は意外とこの差は大きいものです。
キャンペーンの標的を見つけよう
区によってはスーパー、コンビニ、そしてチェーン店を対象外にしています。
とはいえこうした店舗も経営は中小企業であったりするので、区によっては還元対象です。
チェーン店でよく還元対象となっているのが、カルディコーヒーとカクヤス、そしてマツモトキヨシです。
都内では、ドトールコーヒーや吉野家が還元になっているのは見たことがありません(かながわPayでは20%還元対象の店舗あり)。
どのQRコード決済アプリも対象店舗を探すのは不便ですが、PayPayはまだ使いやすいほうです。
「近くのお店」から検索機能を使えば、お目当ての還元店が見つかるかもしれません。
検索の際は、フルネームでなく引っ掛かりやすいよう名称の一部を入れましょう。
ただ店舗の多いマツモトキヨシの場合は逆で、Google Mapで店舗正式名称を調べてから、フルネームで検索するとヒットします。
2023年末にも、どこかの区での開催を期待しています。都内ならばどこでも駆け付けます。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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