一時のブームは去ったとはいえ、いまだ根強い人気を誇る「FIRE」という生き方。
閉塞感が漂う今の日本において
「より自由な時間を確保するため」
「より良い人生を選択するため」
いわゆる「普通の労働時間」に縛られない生き方を選択したくなる気持ちは多くの方が理解を寄せるところではないでしょうか。
ずっと会社に尽くして働いたところで得られるものは限られる、それなら自分の人生、自分で生き方を決めたい
そんな考え方が無くなることはないでしょう。
今回はFIREを目指す方が勉強しておきたい3つのことについて解説したいと思います。
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FIREとは
FIREとはFinancial Independence Retire Earlyの頭文字をとった言葉で「経済的自立、早期リタイア」を意味して使われます。
一口にFIREといってもいくつかの種類があり、どの程度の資産でFIREするのか、FIRE後は一切働かないのかなどで分けられます。
・ Fat FIRE(ファット・ファイア) … 保有資産のみで生活できる理想的なFIRE。十分な資産が必要。
・ Coast FIRE(コースト・ファイア) … 十分な資産の準備はあるが引退はせず、好きな仕事や事業、ボランティアに取り組む生き方。
・ Barista FIRE(バリスタ・ファイア) … 別名「サイドFIRE」。
資産収入+労働収入で生活するスタイル。労働時間を少なくすることでセミリタイア的な生き方をする。
・ Lean FIRE(リーン・ファイア) … ミニマリスト的FIRE。
限りなく支出を抑え、少ない資産でもリタイアを実現する生き方。
それぞれの詳細については過去記事で解説しております。
どのFIREを目指すにしても勉強しておくべきことはあります。
全て知っているのと知らないのとではその後の人生が大きく変わります。
以下の内容はなるべく早い段階から勉強しておくことをおすすめします。
1. 投資に関する知識
今の日本でFIREを達成するためには起業で成功するか、投資で大きな資産を築くか、莫大な資産を相続するかのいずれかが必要ではないでしょうか。
かといって起業で成功できるのはほんの一握りの方でしょうし、莫大な資産を相続できるかどうかは運の要素がほとんどとなってしまい、いわゆる「普通の人」にとっては夢のような話となってしまいます。
株式なり不動産なり何かしらの投資を通して資産を築き、FIRE達成を目指している方がほとんどではないでしょうか。
そういう意味では既に多くの方が投資に関する知識は身につけているかもしれません。
ですが投資と一口にいってもさまざまな種類、手法があります。
短期間で多くの資産を築くのに向いている投資もあれば、長い時間をかけてコツコツと資産を形成していく投資もあります。
ここで身につけていただきたい投資は後者、安定的に資産を形成していく投資の知識です。
リスクの高い投資で一攫千金、FIREを達成するパターンもあるでしょうが、その方法で勝ち続けることは困難だと考えます。
FIREを達成するということは大きく収入が低下する、もしくは保有資産のみで生きていく覚悟を決めたということだと思います。
定期的な収入が少なくなる、もしくは無くなることを考えてもFIRE後に投資で資産を大きく毀損することは避けなければなりません。
また、資産を長持ちさせるためにも安定的な長期投資はとても有効な手段です。
2024年からNISA制度が新しく生まれ変わり、非課税投資限度額が大幅に引き上げられます。
FIRE後の収入源の一つとしてインデックス投資に関する知識は最低限身につけておきたいものです。
2. 効率的に収入を得るための知識
保有資産のみで生活する「Fat FIRE」達成者以外はFIRE後も何かしらの労働に就くことになるかと思います。
会社員として働きながらも労働時間を短くするのか、パートタイムやアルバイトといった非正規雇用となるのか、フリーランスとして働くのか、選択肢は複数あれど労働で稼ぐといった形態を取るかと思います。
最近ではネット系の仕事も普及しております。
「働きたくない」気持ちが強くてFIREを目指している方ほど、効率よく収入を得る方法を知っておくことは大切です。
どんな仕事、働き方ならストレスが少なく、収入を得られるのかについてはFIREを目指している段階から考えておくべきことでしょう。
特に「Lean FIRE」のような低資産でリタイアする場合はいざという時の備えは必須だと考えます。
なるべく短時間で最低限の収入を得る方法を事前に知っておくのと知らないのとでは心理的負担が大きく変わるでしょう。
ただし注意していただきたいのは「楽して稼げる」ことはないということです。
そういった類についてはほぼ例外なく詐欺だと考え、近付かないようにしましょう。
3. 税金に関する知識
多くの方が学ぼうとしないことナンバー1がこの税金関係ではないでしょうか。
確かに「税金」と聞くと難しいイメージがありますし、多くの方が避けてしまうのも無理はありません。
ですが税金について勉強することによって、支出が抑えられる(税金を払わなくて済む)ことも往々にしてあります。
合法的に払わなくて良いものは払わないに越したことはありません。
FIRE後はほとんどの方が収入は下がるはずです。
株などの配当金を受け取っている場合も基礎控除の範囲内であれば税金はかかりません。
専門的な知識を身につける必要はありませんが、簡単な税金の本数冊程度には目を通しておくことをおすすめします。
知らないとうまく活用できず、損してしまうのも税金関係の大きな特徴です。
税制度は刻一刻と変わりますが、都度情報収集を心がけたいものです。
また税金関係を勉強することによって公費で運営されている施設に対して、もっと利用しようという意欲が出てくるかと思います。
図書館などはその最たる例ではないでしょうか。
払わなくていいものは払わず、無料で使える優良な施設はうまく使いこなす。
FIRE後の生活をより充実したものにするためにも税金関係の勉強は欠かせません。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
FIRE達成の投資家が掴んだ「効率的にお金を貯めるサイクル」は、3項目だけ。