楽天経済圏は、モバイル事業の赤字の影響か、このところ改悪が多くなりました。
楽天ペイで決済してもポイント対象外の店舗が増えました。
多くの公共料金の引落しで、ポイント還元率がわずか0.2%となった(2021年)こともあり、「決済の種類は多いほうがいい」をモットーとする筆者すら、楽天経済圏は魅力が消滅しているのではないかと感じています。
今回は楽天ペイの改悪を機に、決済を乗り換えたらどうかというご提案です。
おすめの乗り換え先は、モバイルSuicaです。
JR東日本エリア在住のほうが有利なのは確かですが、全国でも便利な決済です。
PayPay等のQRコード決済でなく、モバイルSuicaをおすすめするには明確な理由があります。
お付き合いください。
【楽天ペイ】還元率1%アップで最大2.5%に(6/25のみ) 支払い元を「楽天キャッシュ」にするのを忘れずに
Wポイントの落とし穴
楽天ペイからの乗り換え先として、なぜ他のQRコード決済でなく交通系電子マネーのSuicaなのか、ここからご説明します。
Wポイントはお得とは限らない
一般的に楽天ペイがお得だと考えられてきたのは、Wポイントによるところが大きいのです。
1. 楽天カードから楽天キャッシュにチャージ(0.5%)
2. 楽天キャッシュを楽天ペイで決済(1.0%)
楽天ペイに楽天カードをセットすると合計1.0%で、この場合楽天カード直接決済と変わりません。
楽天キャッシュを挟むことでポイントアップするわけです。
しかし、ダイソーやユニクロ、JRは東日本駅ビル店舗等多くのお店で、「2」の1.0%が消滅してしまいました。
例外の多い決済を使いこなすなら、例外を覚える必要があります。
ですがそもそも楽天ペイ、覚えて使う価値があるのでしょうか?
ところでこのWポイントについて、「1」が1.5%、「2」がゼロだったらどうでしょう。
Wポイントでないから使わないかというと、冷静に考えて不自然です。
ちなみに1はチャージですから、「例外」はありません。
この原則通りに使える存在がまさに、モバイルSuicaなのです。
Wポイントでないがゆえに、ポイント付与の例外もなく、非常に強い決済方法です。
Wポイントは端数切り捨ても不利
世間のWポイントについて、チャージはおおむねキリのいい千円単位で行いますので、ポイント付与の無駄はありません。
いっぽう、決済によるポイントは、おおむね決済単位、200円単位です。
380円の決済であれば、ポイント対象となるのはこのうち200円だけであり、180円は対象外です。
楽天ペイは100円単位で付与のため、先の例では300円についてポイントが付与されますが、それでも80円の対象外は発生します。
最初から決済でポイントが付かないモバイルSuicaが強い理由がおわかりいただけるのではないでしょうか。
ポイント付与についてはチャージだけを考えればいいので、小さな買い物もまったく不利にならないのです。
チャージのたびにポイントが大きくたまるのが実感できるはずです。
楽天もモバイルSuicaと提携している
Androidに加え、iPhoneでも「楽天ペイのSuica」でチャージ時ポイントが付くようになりました。
楽天とSuicaも、パートナーです。
とはいえ、楽天カードとSuicaの組み合わせは、チャージ還元率0.5%であって、決していい数字ではありません。
本記事とはあまり関係ないのですが、便利な使い方があることについては関連記事をご覧ください。
モバイルSuicaを使うためのおすすめカード
モバイルSuicaは、チャージの段階でポイントが大きくたまります。
当然、クレジットカード選びが重要です。
楽天カードや、スタンダードのセゾンカードからチャージしても、0.5%にしかなりません。
これではWポイントに勝てません。
Wポイントを上回るカードを見てみます。
ビューカード
JR東日本系のビューカードは、モバイルSuicaへのチャージ時還元率が1.5%です。
JR東日本エリアに限りますが、オートチャージもできます。
カード特典がJR東日本エリアに限定されますが、たまったJREポイントはチャージに使えるため著しく不便ということはありません。
基本のカード「ビュー・スイカカード」には年会費524円の設定があります。
年会費実質無料(年1回の決済で無料)でカード還元率1.0%の「ビックカメラSuicaカード」がおすすめです。
ただしたまったポイントをSuicaチャージで使う場合目減りします。
ビックカメラで使う場合はそのままです。
エポスゴールドカード
エポスゴールドカードは、年間100万円利用するとボーナスポイントにより還元率1.5%となるスグレモノです。
年間50万円以上使う(またはスタンダードからインビテーションで獲得)すると、年会費も永年無料です。
このカードの特典に「えらべるポイントアップショップ」があります。
3つの店舗のうちひとつに「モバイルスイカ」を設定しておくと、ポイント3倍です。
年間100万円利用と合わせると、Suicaへのチャージ還元率2.5%となります。
これに勝てる決済はなかなかないでしょう。
筆者の場合、エポスゴールドカードはほぼモバイルSuicaと、残り2種類の「選べるポイントアップショップ」に登録した公共料金で使っています。
これで年間100万円の大部分を利用しています。
(Android限定)au PAYのSuica
楽天ペイと同じQRコード決済のau PAYも、工夫するとWポイントになります。
現在「月5万円まで」という制限ができているのが難点ですが、Mastercardやアメックスを中心に、一部のカードからチャージすると、ポイント対象となります。
おすすめはOrico Card THE POINT(Mastercard)です。
こちらからau PAYに1.0%でチャージできます。
さらにAndroidユーザーの場合、au PAYからモバイルSuicaにアプリ内でチャージできます。
クレジットカードからチャージして作ったau PAY残高を、モバイルSuicaにチャージすると、Pontaが0.5%付きます。
合計1.5%ですから、楽天ペイに並びます。
しかもau PAYのコード決済と、モバイルSuica、二刀流でどちらも1.5%です。
モバイルで使える交通系は他にもある
モバイルで使える交通系電子マネーはSuicaだけではありません。
JR西日本のICOCAと、関東民鉄系のPASMOがあります。
鉄道利用も買い物も、互換性があるためこちらを選んでも構いません。
還元率は次のとおりです。
・ ICOCA … J-WESTカードからのチャージで1.5%
・ PASMO … 関東民鉄系カードからのチャージで0.5〜1.0%
ICOCAの場合、J-WESTゴールドカードからのチャージだと3.0%です。
大きな数字ですが、スタンダードの1.5%ともども「当面の間」とアナウンスされています。
やはりSuicaに軍配が上がるようです。
JR東日本利用でさらにポイントがたまる
全国でも強いSuicaですが、やはりJR東日本利用者が最も得にはなります。
R東日本の鉄道、駅ビル、駅ナカ利用でさらにJREポイントがたまるためです(JRE POINT WEBサイトでSuicaの登録が必要)。
Suicaも、鉄道施設に限定するとWポイントなのです。
といっても、実は得でないWポイントとは違い、純然たる上乗せです。
駅ビル、駅ナカについては楽天ペイも使えますが、ポイント対象外の店舗が増える一方です。
モバイルSuicaを日常の買い物にも使うことで、取りこぼしも防げます。
ポイントを確認します。
・ 在来線乗車ポイント(50円ごとに1ポイント)
・ 同一月内に同一運賃10回利用(1回分ポイント還元)
・ 同一月内に同一運賃11回以上利用(運賃10%ポイント還元)
・ 駅ビル等でSuica決済(0.5%または1.0%)
他にもJREアプリの提示などポイント付与の種類が多く、大変複雑です。
といっても、実際に悩む必要はほぼありません。
JR東日本の施設ではSuicaで決済し、アプリのバーコード提示が必要と書かれているお店で提示する程度で、みるみるたまります。
筆者など現在ビューカード利用ではないので、電車利用と決済によるものだけですが、それでも月によっては300ポイントほどたまることもあります。
電子マネーは古い? ちゃんと性能を見ましょう
QRコード決済はいまだに新しいアイテムと感じる向きもあるかもしれません。
いっぽうで電子マネーは、支払いは簡単ですが、それだけと思われているのかもしれません。
ですが、ちゃんと決済ごとに性能を比較してみましょう。
モバイルSuicaは今でも圧倒的な決済です。エポスゴールドカードユーザーにとってはなおさらです。
楽天ペイの改悪を嘆く前に、いい決済を使ってください。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
【楽天ペイ改悪】ポイント付与対象外の店舗が増加!ダイソー/セリア/ユニクロ/GUなど利用前に確認を