近年、地震や豪雨による災害が起こっています。
災害時には、家から避難場所に移動しなければならない状態になることもあります。
いざという時に備えて、非常用持ち出し袋を準備しておく必要があります。
災害発生3日間は外部からの支援が難しいと言われている為、3日分の準備が必要になります。
食料やマスク、ウエットティッシュや寒暖対策グッズなど、色々と必要な物が出てきます。
高齢者は、健康な大人と違い、他にも準備しておくと良い物があります。
今回は、特に高齢者が非常用持ち出し袋に入れておくと良い物をご紹介します。
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普段飲んでいる薬など「薬の準備」が必要
健康な大人と違って、高齢者の場合、病院から処方されている薬を飲んでいる方が多いです。
被災時に少しでも健康を保つ為に、飲んでいる薬は最低でも3日分は、準備しておきましょう。
お薬手帳やそのコピーがあれば、別の病院にスムーズに受診できます。
他にも、目薬や塗り薬など、処方されている薬は、準備しましょう。
処方薬以外では、市販薬の解熱剤や便秘薬などが必要になる可能性があります。処方薬に影響しない市販薬を準備しておくと飲み合わせの心配なく服用することができます。
保険証はなくても医療が受けられるようになっていますが、保険証・介護保険証があれば、身分証明証にもなります。
毎日必要になるおむつやパッド、口腔ケア用品・身体拭き等の「清潔保持用品」
被災時は、水が潤沢にあるとは言えない状況です。
飲むためだけの水しかない場合に困るのが、口と身体をきれいに保つことです。
おむつやパットを使用している方が、おむつやパットを長時間交換できず不潔な状態が続くと、かぶれなどの肌トラブルが起こります。
総入れ歯であっても、口の中を清潔することが必要です。歯磨きなどができず、口の中が不衛生になると、被災時の免疫低下と合わさり誤嚥性肺炎になる場合があります
避難所などでも、入れ歯は水で濡らしたガーゼやティッシュで拭くことができます。口の中は、口腔内をきれいにする口腔清拭シートで拭って、清潔を保つことができます。
身体は、身体拭き用のウエットティッシュできれいにできます。
口腔清拭シートや身体拭き用のウエットティッシュは、あまり聞きなれないかもしれませんが、介護用品として販売されています。
100円ショップでも大判の身体拭き用のウエットティッシュなどの商品があります。
充分な医療を受けられない被災時に身体を清潔にすることは、自分の健康を守ることにつながります。
何もしていなくても、体調を崩しやすい避難生活です。
避難生活の中で健康を保つ為に、高齢者の非常用持ち出し袋の中には、おむつやパット、おしりふき、口腔清拭シート、身体拭き用のウエットティッシュを入れておきましょう。
口腔清潔シートと身体拭き用のウエットティッシュの価格例はこちらです。
口腔清潔シート リフレケアW
エリエール アテントからだふき
食事の形態に工夫が必要ならば自分にあった「保存食」
避難所では食事の心配もあります。
硬いものが噛みづらい、飲み込む能力が落ちている高齢者の場合、支給される食事が食べにくい可能性があります。
おいしい非常食 LLF食品 白粥 230g
常温で長期保存できるおかゆや柔らかいごはんなどがあると安心です。
常温で6年4か月保存できます。
温めることなく、開封後はそのまま食べることができます。
他の種類として、鮭粥・梅粥があります。
ピジョン ハビナース 液体とろみ かけるだけ
とろみをつけて食事や水分をとっていた方は、とろみ剤が必要になります。
被災時には、簡単にとろみをつけられる、小分けになった液体とろみがおすすめです。
液体のとろみ剤は、とろみをつけたい物に入れて混ぜるだけで、ダマにならずにとろみがつきます。
調味料と液体とろみを混ぜて食品の上にかけるだけで、あんをかけた状態になります。
炭酸飲料にもすぐになじむので、炭酸が抜けきらず、炭酸のシュワシュワした感覚を楽しむことができます。
おかゆは、市区町村の備蓄品に含まれていることがありますが、災害はどのように起こるか予測しにくい物ですので、ご自身で用意しておくことをおすすめします。
とろみ剤も避難場所に準備されているか分かりませので、準備しておきたい一品です。
防災ゼリー LIFE STOCK
食事がとれないと身体が弱ってしまいます。
食欲がない時にも食べやすい物も準備しておくと良いです。常温で長期保温ができるゼリーがおすすめです。
被災時の足りない栄養を補うことができる、バランスタイプやエネルギーを簡単にとることができる、エナジータイプがあります。
平常時に備えることで出費をおさえる
非常用持ち出し袋に、災害が起こった時に生活に困らない為の物を入れておくと、少し安心できます。
高齢者は、健康な大人に比べ必要な物が多くなってきます。その中で必要な物を見極め、高齢者自身が持ち出せる、重さや大きさの非常用持ち出し袋を準備しましょう。
不動産権利証書・保険証書などの重要書類はどこにあるか確認し、余力があれば、非常用持ち出し袋の中に入れておいたり、近くにまとめておくと忘れずに持ち出すことができます。
いざという時に慌てないように、高齢者の方と非常用持ち出し袋の中身や置き場所などを話し合っておきましょう。
非常時は入手困難になり、値段が高くなる可能性があります。
平常時にしっかりと用意しておくことは、大きな出費を防ぎ、節約にもつながります。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
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