個別株を見る際に、PERやPBRまたは配当利回りの指標や前日比プラス・マイナスなのかを注目しやすいところですが、高値掴みをしてしまうとなかなか収益を上げることは難しくなります。
そこで、個別株も含めた「買われすぎ」や「売られすぎ」の一つの参考となる指標をお伝えします。
株投資で10万円をいかに増やせるか? 実際にやってみました~第3回~
RSIとは?
市場の過熱感や強弱感などを見ることで、日経平均株価や個別株も含めそれぞれが「買われすぎ」や「売られすぎ」なのかを見るテクニカル指標です。
「相対力指数」と言われており、証券会社のホームページ(個別銘柄のチャート欄)などで確認することができます。
日経平均株価などの指標だけでなく、個別銘柄でも用いられている指標です。
A÷(A+B)×100A:n日間の上昇幅の平均 B:n日間の下落幅の平均
※n日間は14日間を使うケースが多い
一定期間の上昇幅(前日比)の平均を、同じ期間の上昇幅の平均と下落幅の平均の合計で割り100を掛けたもので計算され、数値は0~100で表されます。
このRSIが70~80%以上を示すと一般的に買われすぎている。
逆に、20~30%以下を示すと一般的に売られすぎと判断されます。
また、50%ラインを境目として、このRSIが50%を超えて推移している時は上昇トレンド、50%よりも下で推移している時は下降トレンドと判断できます。
なお、RSIでは、いくら値上がりしたのか、いくら値下がりしたのか、までは判断できません。
RSIのメリットとデメリット
RSIは%で表記されますので、過去の動きも含めて一本の線で表記されており、分かりやすいのがメリットです。
また、高値と安値が一定の範囲内を行き来しているいわゆる「レンジ相場(ボックス相場)」の時は買い時や売り時を判断しやすく、RSIは効果を発揮します。
一方で、個別銘柄や相場全体に影響する材料により上昇し続けたり下落し続けたりする場面では、RSIが90%を超える状況でも株価が上昇し続けることや逆にRSIが20%を下回る状況でも株価が下落し続けることがあります。
したがって、RSIのみで投資判断をするのは避け、他のテクニカル分析や個別銘柄や相場全体の状況も確認しておくようにしましょう。
RSIのダイバージェンスとは
株価とRSIが「逆行現象」の状況になっていることを言います。
具体的には、株価が上昇している状況なのに対しRSIは下がっている状況、または株価は下落している状況なのに対しRSIは上がっている状況のことを言います。
ダイバージェンスの状況になると相場の転換点が起きやすいと言われており、株価の天井や底を示すシグナルと言われています。
●株価が上昇・RSIは下がる → 株価は天井の可能性あり(売りの判断)
●株価は下落・RSIが上がる → 株価は底の可能性あり(買いの判断)
RSIも含めて、テクニカル指標はすぐに使いこなせる訳ではありません。
まずはテクニカル指標を知る・理解する → 慣れていく → 使いこなしていく、のステップで自分の資産運用の一つの武器にしていきましょう。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)