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虚偽申告はマイナンバー制度の活用により摘発されやすくなっている


扶養親族のパート・アルバイトの年収が103万円を超えると、配偶者控除や扶養控除の適用対象外となりますが、間違っても所得を誤魔化して控除を適用しようとするのは止めましょう。

法律で認められていない行為なのはもちろんのこと、マイナンバー制度の誕生以降、虚偽申告が摘発されやすい環境が整備されていますので大変危険です。

虚偽申告は危険

マイナンバーカードを作ると「税務調査の対象」になりやすいのは本当か

税務署と市区町村は互いに納税者情報を確認できる

税務署は所得税などの国税、市区町村は住民税などの地方税を扱う機関ですが、連携することで税金の計算の基となるデータを確認できるようになっています。

たとえば税務署に確定申告書を提出すると、税務署から市区町村へ申告内容のデータが送られるので、市区町村に申告書を提出していなくても所得金額に応じた住民税が算出されます。

会社員や公務員など給与を得ている方は勤務先で年末調整を行いますが、勤務先は年末調整の結果を給与支払報告書という様式で提出するので、確定申告をしていなければ給与に関する情報が知られていないとの噂は間違っています

税務署と市区町村がそれぞれで管理している情報は、調査等で必要であれば照会できるため、嘘の内容の申告や年末調整は簡単にバレてしまうので気を付けてください。

マイナンバー制度の誕生で連携がよりスムーズになった

マイナンバー制度が誕生する以前から税務署と市区町村は連携していましたが、マイナンバーの運用により、連携がよりスムーズになっています。

マイナンバーの利用範囲は法律で制限されている一方で、必要に応じて活用することも認められています。

マイナンバー(個人番号)を記載する場面は多く、税務署へ提出する申告書にはマイナンバーの記載が義務づけられているので、年末調整の内容と確定申告書の内容の整合性を容易に確かめることが可能です。

令和2年分の確定申告から給与所得の源泉徴収票の添付が不要となりましたが、これは源泉徴収票を添付しなくても、給与所得の情報を把握する手段を得ている証拠でもあります。

会社に提出する扶養控除等申告書についても、配偶者や扶養親族のマイナンバーを記載しなければなりませんので、誰が配偶者控除や扶養控除の対象になっているかを調べる仕組みは完成しています。

虚偽申告を行うリスクは大きい

扶養親族の年収が103万円を超えているのにもかかわらず、配偶者控除や扶養控除を適用したことが判明した場合、市区町村は会社に内容誤りの修正を求めてきます。

虚偽の年末調整を行い、給与支払報告書を提出した場合には、地方税法第317条の7「給与支払報告書等の提出義務違反に関する罪」に該当し、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を受けることになります。

税務署に誤った内容の確定申告を行えば税務調査で指摘されますし、脱税行為は重加算税の対象となるため、虚偽申告を行うリスクは非常に大きいです。

法律に基づかない行為は、「節税」ではなく「脱税」です。

税金を少しでも抑えたい場合には、法律で認められた範囲内の方法を用いて節税してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

 

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