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【少子化対策】注目の児童手当 現行の制度を解説します


子育てを支援する目的の「児童手当」。物価高の現在うれしい給付です。

少子化対策のため、政府は児童手当については、所得制限を撤廃して全ての子どもに支給することを公表しました。

ただし、いつになるかはまだ決まっていません。

そこで、現在この児童手当は、どうなっているのかその制度の仕組みをみていきたいと思います。

現在の児童手当は どうなってるの?

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児童手当とは

児童手当は、中学生までの子どもがいる世帯に、一定の金額が支給される制度です。

【児童手当の支給額】

児童の年齢1人当たりの月額
3歳未満一律15,000円
3歳以上小学校終了前10,000円(第3子以降は15,000円)
中学生一律10,000円

児童手当の支給要件を満たしているかどうかは、毎年6月1日に判定されます。

今までは、現況届が必要でしたが、令和4年6月からは不要になりました

所得制限限度額と所得上限限度額について

子どもを養育している方の所得が下記表の (1) (所得制限限度額)未満の場合は、上記の児童手当の支給額(子ども1人当たり1万円~1万5,000円)が支給されます。

所得が (1) (所得制限限度額)以上 (2) (所得上限限度額)未満の場合は、特例給付(子ども1人当たり月額一律5,000円)が支給されます。

また、令和4年10月支給分から (2) (所得上限限度額)以上の場合は、児童手当等は支給されません

なお、児童手当等が支給されなくなったあとに所得が (2) を下回った場合は、改めて市区町村に認定請求書の提出等が必要となります。

扶養親族等の数①所得制限限度額②所得上限限度額
所得制限限度額
(万円)
収入額の目安
(万円)
所得上限限度額
(万円)
収入額の目安
(万円)
0人
(前年末に児童が生まれていない場合 等)
622833.38581071
1人
(児童1人の場合 等)
660875.68961124
2人
(児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)
698917.89341162
3人
(児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)
7369609721200
4人
(児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)
774100210101238
5人
(児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)
812104010481276

参照:児童手当制度のご案内: 子ども・子育て本部 –内閣府 

扶養親族等の数は、所得税法上の同一生計配偶者及び扶養親族並びに扶養親族等でない児童で前年の12月31日において生計を維持した者の数をいいます。

例えば、年収103万円以下の配偶者と子どもが2人(扶養親族等の数が3人)の場合、所得制限限度額は、736万円となり、扶養親族等が増えるとごとに1人当たり38万円を加算した金額となり限度額も増えていきます。

所得と収入について

児童手当がもらえるかどうかは、どの世帯においても重要な問題です。

特に所得制限限度額に当てはまるかどうかは、いくら特例給付に該当しても児童手当とは金額が大きく異なります。

収入とは、会社員の場合は会社から支払われる給与や賞与の全ての合計額です。

自営業の場合は、売上金額となります。

所得とは、会社員の場合は収入から給与所得控除額を差し引いたものです。

自営業の場合は、収入から必要経費を差し引いた金額となります。

結果、収入金額の方が所得金額よりも大きくなります。

所得に関しては、給与所得控除や必要経費の他に医療費控除や保険料控除など人によって異なりますので、世帯主の源泉徴収票で確認をするとよいでしょう。

児童手当の所得に関する留意点

 

1. 共働きの場合は、年収の高い方で決める

昨今は、共働きの世帯が多くなりました。

共働きだからと両方の所得を合算するわけではありません。

共働きの場合は、原則として年収が高い方の収入で計算をします。

例えば夫の年収が800万円で、妻の年収が500万円だとすると、夫の年収である800万円が基準となります。

合算すると1,300万円となり、児童手当や特例給付の対象外となるのですが、夫の年収が基準なので、児童手当の支給対象となります。共働きだということで損をしないようにとの国の配慮です。

2.所得制限は扶養人数が多いほど金額が高くなる

扶養親族等が多くなればなるほど所得制限の金額が高くなります。

つまり、世帯主の年収が同じ900万円だとしても、扶養親族等の人数により児童手当の対象となったり、ならなかったりするわけです。

子どもの数が多ければ年収が高くても当然児童手当を受給できる可能性が高くなります。

3.配偶者は、年収103万円を超えると扶養親族対象から外れる

配偶者が働く場合、よく聞く言葉が103万円の壁とか130万円の壁です。

103万円の壁は、税金がかかるかどうかの壁であり、130万円の壁は、夫の扶養から外れて自分で社会保険に加入しなければならないという壁です。

ここで注意したいには、103万円を超えると夫の扶養のまま(夫の社会保険に加入し、国民年金は第3号被保険者)でいられますが、児童手当の扶養人数の数からは外れてしまうということです。

夫の年収では、児童手当の所得制限に当てはまりそうな場合は、源泉徴収票等から所得を確認して、妻であるご自身の年収を考える必要があります。

児童手当と特例給付では金額が異なりますので、103万円に抑えるかそれとも児童手当と特例給付の差額分を働くかは、よく考える必要があるかと思います。

まとめ

児童手当について、現在の所得による制限はなくなるようですが、いつからかはまだ決まっていません。

児童手当や特例給付は、月額なので年間を考えれば結構な金額となり、また収入としては税金がかかりません。

現在、所得の制限に当てはまるかどうか気になる場合は、今一度源泉徴収票や確定申告を確認してみましょう。

また、今後の国の児童手当に対する政策については、中学生までの子どもを持つ世帯は、注目していくとよいでしょう。(執筆者:特定社会保険労務士、1級FP技能士 菅田 芳恵)

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