税務署は電話や窓口で税金相談を行っていますが、相談のしかたを間違えてしまうと求めていた回答が得られないことがありますので、税務署へ税金相談をする前に知っておくべきポイントを解説します。
1. 税務署職員は節税アドバイスを行わない
税務署の職員は確定申告の手続き方法や、特例制度などの説明はしてくれますが、節税アドバイスを行いません。
たとえば不動産を売却した際の税金を知りたい場合には、「不動産を売却したのですが、どのような税金を支払うことになりますか」のような質問のしかたで大丈夫です。
しかし、不動産を売却した際に適用できる特例制度の種類を知りたい場合には、
「自宅を売却したのですが、適用できる特例等はありますか?」
のような質問をしないと、特例制度についての説明をしない可能性があります。
2. 個別ケースの相談は管轄税務署でないと回答してくれない
税務署が扱っている税金は国税なので、全国どこの税務署でも相談できますし、回答する内容も同じです。
しかし個別判断が必要になるような質問の場合、相談者が申告書を提出する税務署でないと回答してくれないことがあります。
また税務署で面接相談をする場合、事前予約が必要です。
税務署によっては相談予約が1か月以上先まで埋まっていることもありますので、早めに予約した方がいいでしょう。
3. 確定申告期間とそれ以外の期間で税務署の相談体制は変わる
税務署は通常期と確定申告期間中では、相談体制が異なります。
通常期は税務署窓口で各税金の相談対応を行っていますが、確定申告期間は、
- その時期に申告書を提出する税金(所得税・贈与税・消費税)は申告相談会場、
- それ以外の税金(相続税や法人税など)は税務署の窓口
で相談受付を行っています。
税務署によっては確定申告会場が署外のケースもありますので、確定申告期間に相談する方は、電話等で相談会場や相談窓口を確認してください。
また確定申告期間は相談会場だけでなく、税務署窓口も申告書を提出する人で混雑していますので、急ぎでない場合には、4月以降の方がスムーズに相談できます。
4. 税務署で相談できない税金もある
税務署が相談できるのは税務署が取り扱っている税金だけで、地方税の相談を税務署ですることはできません。
たとえば給与収入に対する税金は所得税と住民税の2種類ありますが、住民税は市町村が管轄している税金です。
税務署は電話でも相談対応をしていますので、相談先がわからない場合には、電話で確認することも手段のひとつです。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)