一戸建てが欲しいと思い始めたら、「注文建築」と「建売住宅」という選択肢があることは直ぐに知ることになるでしょう。
それぞれ何が違うのでしょうか。
金融引き締めになると「住宅ローン金利」はどうなる? 銀行員が解説
オーダースーツかレディメードか
「注文建築」と「建売住宅」の違いは、簡単に表現すれば次のようになります。
注文建築は、建物のオーダーメード(注文品)
建売住宅は、建物のレディメード(既製品)
注文建築をするには、土地がないと始まりません。
既に土地を持っていて、自由設計で家を建てるか実家を建て替える時は注文建築です。
もちろん気に入った場所に土地を購入してから注文建築をすることも可能です。
一方の建売住宅は、家を建てるための土地は持っていないけれど、新築された建物と土地を同時に購入する方法です。
購入検討の段階で完成した建物を実際に見学することができるメリットがあります。(販売のタイミングによっては、工事中ということもあります)
注文建築のメリット
・ 自分達のこだわりを反映させられる
・ 敷地条件が厳しい(狭いとか形が変わっているとか)土地でも建築できる
・ 間取りに制限はない
・ 割り切って予算をかける部分と安く済ませる部分を作るなどメリハリを付けられる
・ 建築の過程を確認できる
注文建築のデメリット
・ 建築費は打ち合わせが進まないと正確には分からない
・ 展示場や建材のサンプルは見られるが自分の家の実物を見て検討できない
・ 打合せに時間がかかる(この時間が楽しくもありますが)
・ 工事期間中に住宅ローン金利が変化するなど、想定外の事態に見舞われることもある。
建売住宅のメリット
・ 実物を見て決められる
・ 注文建築よりも総費用は抑えられる
・ 契約から引渡しまでの期間が短い
・ 価格が明確
建売住宅のデメリット
・ 仕様や性能を指定できない
・ 希望の地域に物件があるとは限らない
・ 自分の好みを反映できない
・ 建築過程は見られないので、きちんと工事したかどうかは信じるしかない
注文建築と建売住宅のどちらが良いとか悪いはありません。
家に対する価値観は人それぞれです。
徹底的にこだわった家にしたいという自己表現の人もいれば、家は欲しいけれどそんなにこだわりはなく、無理のない予算で購入したいという現実派の人もいます。
また注文建築と言っても決まったプラン集から間取りを選ぶ方法でコストを下げている会社もあります。
強いて言えば、セミオーダーと言えるかもしれません。
この方法の場合、間取り集から気に入った間取りを選び、基本的には一切変更できないルールの会社も少なくありません。
ただこのセミオーダー方式の場合、建築地が極端に狭いとか建築上の法規制が厳しいなどの条件によっては間取り集の中に気に入るものがないということも起こり得ます。
どちらを選ぶかはあなたの価値観次第
結局のところ、建売住宅を見比べて、サクッと話を進めたい人にとって、注文建築の打ち合わせは「とても面倒くさい」となるかもしれません。
逆にこだわりたい注文建築向きの方が建売住宅を見て回っても「自分ならこうしたい」のように満足できる建売住宅に巡り合うことは一生無理かもしれません。
家を考え始めたら、気になって何となく近所の建売住宅の見学会に行くことをやめてくださいと言うつもりはありません。
しかし、そのまま勢いで商談を進めてしまうのは危険です。
「購入の決断は慎重に」というのがある意味で鉄則かもしれません。
でも現実には、ある程度の勢いが必要なのも事実です。
かと言って、勢いだけで商談に突入するのは、本当に危険です。
できれば、見学会に行くようになる前の早い段階で自分たちにとって「家を持つことにどんな意味があるの？」なんて自問自答してみることをお勧めします。（）
【住宅ローンの金利タイプ】変動を選ぶ?それとも金利が上がっても固定のまま?
