2022年は、米国株にとって厳しい年となりました。
昨年投資を始めた方にとっては、「聞いていた話と違う!」といったような不安を抱えた投資元年になったかもしれません。
米国株は、投資初心者から上級者まで幅広く人気です。
この米国株が大きく下げてしまう結果となってしまったので、不安を抱くのも無理はありません。
筆者も昨年1月から12月まで楽天VTI(全米株式インデックスファンド)をクレカ積立しておりました。
今回は「厚切りジェイソンさん」でも話題となった人気ファンド、楽天VTIへ1年間積立投資をした結果を確認し、今後の方向性について探っていきたいと思います。
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米国株にとって2022年は厳しい相場
2022年はさまざまな要因から、米国株にとって非常に厳しい相場となりました。
NYダウをはじめ、S&P500やナスダックなどの主要指数は軒並みマイナス2桁%で着地することとなり、これまでの強気相場が嘘のような年だったといえるでしょう。
楽天VTIは「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」へ投資するファンドです。
簡単にいうと、米国ほぼ全ての企業に投資するファンドとなっています。
米国株が厳しいということは、このVTIも厳しいのは当然のこと。
年初比で20%を超える下落で、2022年を締めくくる形となりました。
≪画像元:株探≫
対して楽天VTIはというと、
- 年初(2022年1月4日)基準価額・・・2万197円
- 年末(2022年12月30日)基準価額・・・1万8,535円
と約8%の下落で済み、本家VTIよりもだいぶ軽微な痛みとなりました。
≪画像元:楽天証券≫
毎月1日にクレカ積立をしていた筆者の投資結果はマイナス4%とさらに軽微なダメージで済み、
- 途中で投資金額を変更したこと、
- 買付日を1日に設定していたこと
などが影響したのだと考えております。
また、先にも述べましたが、今年のマイナスはVTIに限った話ではありません。
S&P500や全世界株式ファンドといった他の人気ファンドについても、2022年はマイナス成績で終えることとなりました。
米国株の下げ幅に対して、投資信託の下げ幅は「それほど大きくない」
ここで気になるのが、米国株の下げ幅に対して、投資信託の下げ幅は「それほど大きくない」ということです。
この要因について見ていきたいと思います。
要因1:円安
1つ目の要因は円安です。
2022年1月には1ドル115円程度だった為替が大きく円安にふれ、10月には1ドル150円を超える形となりました。
円安に動くと、米ドル建て資産の円評価額は上がります。
1ドル100円の時の100ドルは1万円ですが、1ドル150円の時の100ドルは1万5千円になります。
大きく円安に動くことによって、米ドルベースでのマイナスをかき消した上にむしろ含み益となっていたのが、この頃の楽天VTIをはじめとした投資信託です。
ですが、年末にかけて円高が進行し、ついに円建てベースでも含み損を抱えることとなってしまいました。
今後は株安と円高のダブルパンチがさらに強くなるかもしれません。
注意が必要です。
要因2:ドルコスト平均法
2つ目の要因は、毎月積立で自動的に実践することになる「ドルコスト平均法」が効果を発揮したことがあげられます。
一定間隔で一定額ずつ投資することによって、価格が安い時は多く、価格が高い時は少なく購入できます。
高値掴みを避け、購入価額を平均化させるのが、ドルコスト平均法の醍醐味です。
また、ドルコスト平均法であれば、株価が高値を更新し続けなくてもプラスリターンになる点も利点でしょう。
2023年は上昇相場になる?
株価の上値を抑える原因となる金利引上げも2023年中には打ち止めされ、年後半には利下げに転じるとの見方が今のところ優勢です。
インフレに落ち着きが見えていることと、景気減速の兆候が出始めていることがその理由です。
確かに利下げの雰囲気を市場が織り込むと、株価は上昇することになるでしょう。
ですが、まだ確実なことはわかりません。
FOMC(米国金融政策決定会合)メンバーの中には、2023年中の利下げに否定的な意見もあるからです。
短期投資であれば気を揉むところですが、長期投資であればそこまで気にする必要はないともいえます。
なぜなら、長期投資であれば数年のマイナスリターンは誤差の範囲内だからです。
むしろ「安い時に仕込むことができる」と考えて、これまで通り積立投資を継続するべきだと考えます。
筆者も2022年のマイナスは全く気にしておりません。
今後も積立を継続していきます。
長期投資で再現性高くリターンを得るためには、相場がどう動こうと「淡々と続ける」こと。
これに尽きます。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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