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介護保険の「自己負担割合」がまた上がるかも その前にできる自衛対策


2024年度の介護保険制度の見直しに向け、厚生労働省では自己負担割合が2割になる人の範囲を拡大する案が出ています。

年々物価は上昇しており、この上介護サービスの自己負担額が増えることは、悩みの種が1つ増えることになるのではないのでしょうか。

今回は、介護保険の自己負担割合についてみていきたいと思います。

自己負担割合が「2割」 になる人の範囲拡大案浮上

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介護保険の自己負担割合とは

介護保険では、所得に応じて介護サービスの利用料金の自己負担割合が決まっています。

自己負担割合は1~3割です。

新規に要介護認定を申請する場合は、要介護(要支援)認定の決定後、要介護度が記載された介護保険証とともに負担割合証が送られてきます。

その有効期間は8月1日~翌年7月31日で、7月下旬に市区町村から新しい負担割合証が送られてきます

すでに、家族が申請している方は、負担割合証を確認してみましょう。

紛失していたとしても、市区町村の窓口で再発行してもらえます。

介護サービスの利用を考えている方は、再発行して自己負担割合を確認しましょう。

自己負担割合の決定方法

自己負担割合の決定方法

≪引用元:厚生労働省(pdf)≫

65歳以上の方の自己負担割合の決定方法は以下のようになります。

3割負担の方

本人の合計所得金額が220万円以上で、年金収入+その他の合計所得金額の合計金額が単身世帯

で340万円以上、または2人以上の世帯で463万円以上

2割負担の方

本人の合計所得金額が220万円以上で、年金収入+その他の合計所得金額の合計金額が単身世帯

で280万円以上340万円未満、または2人以上世帯で346万円以上463万円未満

または、本人の合計所得が160万円以上220万円以上で、年金収入+その他の合計所得が単身世帯で280万円以上、または2人以上世帯で346万円以上

1割負担の方

以上に当てはまらない方や市区町村税非課税の方等は、1割負担になります。

また、40歳以上65歳未満の介護保険利用者の方の負担割合は、所得にかかわらず1割になります。

同じサービスでも料金が違う!

では、同じサービスを利用した場合に、規模や利用する時間、加算で利用料金に差がでます。

ここでは、どのくらいの差が出るのかを見ていきます。

実際の数字で見てみると、2割、3割と負担割合が増えるにつれて、金銭的負担が増していきます。

所得があるとはいえ、介護サービスの利用自体を躊躇される方もいるかもしれません。

しかし、同じサービスの種類でも、規模や利用する時間、加算によって合計の利用料金が変わってきます

例:介護度3で通常規模型と大規模型通所介護ⅠとⅡを6時間以上7時間未満で利用した場合

1単位1円と換算

6時間以上7時間未満の通常規模型通所介護費  792単位

6時間以上7時間未満の大規模型通所介護費(Ⅰ) 766単位

6時間以上7時間未満の大規模型通所介護費(Ⅱ) 736単位

参照:ワムネットⅠ-資料2② 介護給付費単位数などサービスコード表

通常規模型通所介護費の792単位と比べると、単位数が減っていることがわかります。

わずか、何十単位ですが、1か月単位で考えると、2割、3割負担の方にとっては負担軽減につながります。

サービスを減らすことも利用料金を安くする方法の1つですが、まずは、同じサービスの種類で利用料金が安くなる事業所が他にあるのか、利用料金が安くなる方法がないかをケアマネジャーに聞くことをおすすめします。

高額サービス費制度や高額医療・高額介護合算療養費制度を利用

また、自己負担が高額になっている場合には、高額サービス費制度や高額医療・高額介護合算療養費制度が利用できる可能性があります。

高額医療・高額介護合算療養制度で、支給対象になる場合は、市区町村に申請を行わなければならない為、対象になるかを確認しましょう。

対象になるかを確認しましょう

≪画像元:厚生労働省(pdf)高額医療・高額介護合算療養制度≫

参考資料:札幌市 介護サービス利用者負担額の軽減制度

金銭的負担だけではなく、介護負担も視野に入れることが大切

今回は、介護保険の自己負担割合についてみてきました。

自己負担割合が増える場合、介護サービスの利用回数などを減らす方もいることでしょう。

しかし、サービス量を減らすと家族の介護負担が増えます。

今までと同じサービス量では、金銭的に困るという場合、どこまでの金額ならば、負担できるのかをケアマネージャーと相談し、利用サービスの種類を変えるなどの対応を行います。

利用事業所の変更などを検討した方が、介護する方の負担は増えません。

金銭的負担だけではなく、介護負担も視野に入れることが大切です。

利用するサービスを工夫していくことで身体面での負担とお財布への負担を軽減させていきましょう。

ケアマネージャーはそのお手伝いをしてくれます。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)

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