先週は、20日火曜日に、始値2万7257円から一気に安値2万6416円をつけ、841円の大きな下落となり、驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
それもそのはず、先々週には米国のFOMCやCPIの発表を通過し、
と思っていた投資家にとって、日銀政策決定会合でのサプライズは想定されておらず、パニックの声も聞こえてきました。
金曜日には2万6235円で終えていて、週足では大きな陰線となり、スローストキャスト、MACD等のオシレーター指標は陰転となっています。
為替は円高に進み、企業のドル円想定レートの平均が131円となっており、為替差損が出る企業も出てくるのではないかということも可能性として踏まえ、次回の決算期にどのように反応するのか気にしていきたいところです。
そして不動産に関しても、今後の住宅ローンの状況を見ながら、日本のリセッションについても考えていきたいところです。
【今週の日経平均を考える】12月相場はこのまま上昇トレンド継続となるか
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、下向きに推移し、株価も5日線に触れることなく週末入りしました。
25日線は、先週まで上向きで推移していましたが今週は一気に下向きへと変化し、そのまま下向き継続となっています。
75日線は、今月に入ってから下向きに推移しています下値支持線として機能していた75日線も、火曜日には下抜け乖離を広ました。
並び順は、25日75日5日の並び順で、下降トレンドの始まりとなっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、火曜日から下向きへとなり2万7244円処を推移しています。
トレンドライン
下の窓で意識されていた3つが一気に埋まるほどの先週の下落。
10月17日18日の窓を埋め、その下の10月13日14日の窓埋め、そして10月3日4日の窓は10月13日に埋めきれずにわずか14円残っていましたが、今回埋めて、2020年11月6日9日の2万4039円の窓まで、下の窓はしばらくない状態になっています。
下の心理的節目の2万6000円を割らずに、2万7000円方向に進めるかが今週の焦点ですね。
まずは12月22日23日に空けた直近の窓2万6399円を埋めることが意識されるところです。
一目均衡表
三役逆転となり、株価は雲を一気に下抜けしてきました。
基準線も転換線も下向きで推移しています。
遅行線は日々線を下抜け、4営業日後に天底一致とするのか注目です。
株価と雲の乖離が広がっているので、なかなか雲を上抜ける状況下ではなく、次回の雲のねじれは1月27日にあるので、雲のねじれで反転できるのか意識されるところです。
ボリンジャーバンド
バンドの収縮から一気に広がり、-3σのボリンジャウォークとなっています。
バンドがまだ広がったままの状況なので、収縮がみられません。
ここからTPラインまで戻していけるのか、時間がかかりそうです。
スローストキャスト
12月15日に中折れしたところから、売られすぎソーンへと下落しました。
現在は売られすぎゾーン内で横ばいの動きをみせていて、ここから売られすぎゾーンからいつ脱するのか確認していきましょう。
MACD
0ラインを割って、下降トレンドとなりました。
まだ下げ止まりが見えない中、ヒストグラムが少しだけ好転してきています。
このまま向きを変えて0ラインに向かって上昇していけるのか注目です。
次回の満月は1月7日です。
次回の水星逆行期間は、12月29日から1月18日です。
総合判断
パラボリックは陰転となり、乖離を広げています。
今週末には今年の足型が決まります。現在、年足は陰線です。
2013年から上昇を始めた日経平均株価ですが、ネックラインを超えた2015年あたりからテクニカル指標も好転し、更に上昇してきました。
現在は5年線を下支えに、ボリンジャーでは+2σのボリンジャーウォーク、スローストキャストは2015年から買われすぎゾーンを横ばっている状況です。
ローソク足で見ると、2021年が上髭の陽線で、今年このままの推移だと、2021年の実体部分を陰線で包むことになる為、完全な包みではありませんが、注意しておかなくてはならないでしょう。
さて今年は「株を枕に年を越せ」となるのでしょうか。
この格言の他にも「節分天井」という言葉もあり、大発会からのご祝儀相場に乗って、節分に売るという格言なのですが、今年から来年にかけてはどうなるでしょうか。
アノマリーは必ずそうなるというものではありません。
2021年は上昇しましたが、2022年は下降となっています。
株を枕にというのはリスクがあることですので、今週中に建玉の整理整頓を心がけて、良い2023年を迎えたいですね。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)
【今週の日経平均を考える】クリスマス休暇で薄商い、建玉の整理整頓を心がけて