先週は、米雇用統計を受けた買いからスタートして、中間選挙によってボラティリティが大きい相場つきとなり、米消費者物価指数によって買いの勢いが強くなった1週間となりました。
注目されていた米消費者物価指数は、市場の予想を下回り、米連邦準備理事会が金融引き締めのペースを緩めるのではないかという思惑から、NYダウは大きく上昇し、伸び悩んでいたナスダックも上抜けとなっています。
ここからは、ブラックフライデーセールなど年末に向けて購買意欲が高まる季節となりますので、株価の高まりも期待したいところです。
しかし仮想通貨業界2位と言われていたFTXが突然の破産となり、ビットコインが急落、投資家にとってはどのような対応になるのか不安が残る出来事となっています。
以前からビットコインとNYダウの相関関係が取り沙汰されていましたが、2022年6月頃から、相関関係が崩れはじめ、今回の出来事ではNYダウが大きく上昇し、ビットコインが大きく下落するという全く逆の動きとなりました。
このまま相関関係が崩れて、それぞれの相場の動きとなるのか、それともやはり元のように相関関係継続となるのか、気になるところです。
今回の破産が、これだけで終わるとは考えられず尾を引いてしまうのではないかと不安が残るのは私だけでしょうか。
お金、経済はぐるぐるとまわっているので、その影響が株式市場には全く関係ないとは言えないような気もします。
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チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、上向きで推移しています。
株価は5日線を挟んで行ったり来たりして、金曜日には5日線の上に出て週末入りです。
25日線は、上向きに推移し、株価は25日線に触れることなく25日線の上を推移しています。
75日線は、木曜日に一瞬下向きとなりましたが、また元に戻り、上向きで推移しています。金曜日に株価は75日線の上に出ています。
並び順は、5日75日25日の順で上昇トレンドのはじまりとなっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、下向きで2万7148円処を推移しています。
下向きの200日線が若干横向きに変化してきました。株価は1週間を通して200日線の上を推移しています。
トレンドライン
8月17日と9月13日の高値を結んだ線と、10月3日13日、11月4日終値を結んだ線の三角持ち合いを金曜日に上抜けとなりました。
現在は今年になってから意識されているBOXの上限2万8400円処に、金曜日の高値2万8329円とわずか71円と接近しました。
この価格帯には9月13日と14日に空けた窓があり、窓埋めの2万8530円が意識されるところです。
下には11月10日11日に空けた大きな窓があり、その下には、10月17日18日の窓、10月13日14日の窓が意識されるところです。
一目均衡表
三役好転下で、強気のシグナルが点灯中です。
基準線、転換線は上向きで、並び順も上昇を示しています。
株価は雲の上を推移し、火曜日に雲の上に出てからは、木曜日には雲を下支えにして金曜日の上昇となっています。
遅行線は上に何も邪魔のない絶好の位置となり、上へ上へと向かいました。
1営業日後に天天となるのか、それとも、5営業日後に天底とするのか注目です。
ボリンジャーバンド
上向のTPラインと、+2σの間で株価が推移しています。そして、金曜日には+2σで終えました。
バンドが広がってきているので、ここから+2σのボリンジャーウォークとなるのか、それとも、またTPラインとの行ったり来たりを繰り返すのか、見ていきましょう。
スローストキャスト
買われすぎゾーン内で、波打ちしながら横ばいの動きを繰り返しています。
ここから更に上昇して上に張り付くのか、それとも売られすぎゾーンに向かうのか引き続き注目です。
MACD
0ラインの上を推移して上昇トレンド継続となっています。
ヒストグラムがでこぼこで安定していません。
陰転した時には十分に注意していきましょう。
次回の新月は11月24日です。
満月は12月8日、コールドムーンです。
次回の水星逆行期間は、12月29日から1月18日です
総合判断
今年に入ってから、ずっと意識されている大きなBOXの上限に近づいています。
ここからこのBOX上限を上抜けるのか、BOX継続とするのか、いよいよ大きな流れの節目です。
パラボリックは10月5日に好転してからは上昇を示しています。
パラボリックは、トレンドの転換点をみるテクニカル指標ですので、ここからは、しっかりパラボリックも確認していきたいです。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)
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