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【プロ野球選手の契約金】どれくらいの税金がかかるのか解説


プロ野球でドラフト1位指名された選手は、契約金として1億円を受け取れることがあります。

もらえるお金は多いほどうれしいですが、1億円に対する税金は相当な額になります。

今回はプロ野球選手の契約金に対して、どの程度の税金が課されているのかを解説します。

プロ野球選手の契約金

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契約金は所得税と住民税の課税対象

プロ野球選手が受け取る契約金は、給与や年金などと同じで、所得税・住民税の課税対象です。

所得税の税率は5%から45%の7段階に分かれており、課税される所得金額が多くなるほど税率は高くなります。

また令和19年までは、所得税に対して2.1%の復興特別所得税が課されます

所得税の税率が45%の場合、0.945%(45%×2.1%)を復興特別所得税として納めなければなりません。

個人住民税は、所得に対して一律10%の税率が課される税金です。

所得税(復興特別所得税)と個人住民税を合計すると、税率は最大55.945%となりますので、大金を稼いでも所得の半分以上は税金でなくなってしまうのが現実です。

契約金に対して活用できる特例制度

契約金が1億円もあれば多額の税金を納めることになりますが、平均課税制度を利用することで、同じ金額を給与として受け取るよりも納める税金は少なくなります。

平均課税制度とは、臨時所得の5分の1に対する税率で計算し、算出した額の5倍を税額とする、通称「五分五乗方式」による計算方法です。

プロ野球選手の契約金は基本的に平均課税制度の適用対象となる、「臨時所得」に該当しますので、平均課税制度で税額計算をすることができます

所得税は対象金額が高いほど税率が上がる仕組みなので、平均課税制度で税額計算をした方が、適用される税率は低くなることが多いです。

なお平均課税制度の適用は所得税のみであり、住民税は通常の方法で税額計算を行います

契約金をもらう時点で税金は差し引かれる

契約金を支払う会社(球団)は、契約金を支払う際に所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければなりませんので、契約金1億円がそのまま銀行口座に振り込まれることはないです。

また源泉徴収される税額は契約金の額に応じて異なり、契約金が1億円であれば、源泉徴収税額として2,031万7,900円が差し引かれます

<源泉徴収税額の計算方法>

支払金額源泉徴収税額
100万円以下契約金×10.21%
100万円超(契約金-100万円)×20.42%+102,100円

源泉徴収された税額は、確定申告で精算します。

算出された納税額よりも源泉徴収税額の方が少ない場合には、確定申告のタイミングで差額を納めることになります。

反対に、算出された納税額よりも源泉徴収された額の方が多い場合には、税金の納め過ぎとなりますので、差額は還付されます。

所得が多ければその分だけ納税額が増える

日本は学校の授業で税金について学ぶ機会は少ないため、働くタイミングで自主的に税知識を身に付けなければなりません。

プロ野球選手には退職金が存在しませんので、契約金は退職金の代わりとして支払われているものとされています。

しかし、退職金は退職所得として計算することになるため、支払われる目的は似ていても、所得区分が異なれば税金の計算方法は変わってきます。

所得税・住民税は翌年に支払う税金なので、納税資金としてプールしておかないと、滞納してしまう可能性もありますので要注意です。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

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