NHKが、受信料に関する修正案を公表しました。
そのなかには大歓迎したい「値下げ」があるものの、テレビを設置しながら期限までに受信契約の申し込みをしなかったなど、いわゆる未払いの場合、割増金の倍数を「2倍」にするといいます。
正式な決定は来年を想定されていますが、損をしないためにもNHKの受信料について現状を理解しておきましょう。
値下げはいつから? いくらかわる?
2023年10月から、地上契約、衛星契約ともに受信料の変更が予定されています。
支払い方法での料金の区別はなくなり、地上契約は月額1,100円、衛星契約は月額1,950円に引き下げられます。
具体的にいくらお得になるのか、計算してみましょう。
支払い方法 | 値下げ前 月額料金 | 値下げ後 月額料金 | 月額 値下げ額 | 年間 値下げ額 | |
地上契約 | 口座振替 クレジット払い | 1,225円 |
1,100円 | 125円 | 1,500円 |
継続振込など | 1,275円 | 175円 | 2,100円 | ||
衛星契約 | 口座振替 クレジット払い | 2,170円 |
1,950円 | 220円 | 2,640円 |
継続振込など | 2,220円 | 270円 | 3,240円 |
参照:NHK
1か月の値下げ額を見ると125円~270円、わずかに思われますが年間に換算すると1,500円~3,240円に支払金額は変わります。
12か月前払額はまだ未発表ですが、2022年10月現在の料金表をもとに口座振替・クレジット払いの料金を計算すると、以下のようになります。
月額 | 12か月前払額 | 月額×12-12か月前払額 | |
地上契約 | 1,225円 | 13,650円 | 1,050円 |
衛星契約 | 2,170円 | 24,185円 | 1,855円 |
現状と同様であれば、1年分一気に支払う方がお得です。詳細な発表を期待しましょう。
2倍徴収されるのは誰?
NHKが発表した「割増金に関する放送受信規約(素案)の内容」によりますと、
・不正な手段により受信料の支払を免れた場合
・ 正当な理由がなくて第二号に規定する期限までに受信契約の申込みをしなかつた場合
とされています。
参照:NHK(pdf)
期限とされるのは「受信機の設置の翌々月の末日まで」。
たとえば4月にテレビを設置したとすれば、6月末までに支払いを行わなければ、所定の受信料の2倍に相当する額を割増金として請求されます。
ただし、割増金は個別の事情を総合勘案しながら運用されます。
受信料を免除される人
NHKは「日本放送協会放送受信料免除基準」を定めており、該当する場合は、放送受信料の全額または半額が免除になります。申請手続きを行ってください。
全額免除は次の方が対象です。
公的扶助受給者 | ・生活保護法に規定する扶助を受けている ・ハンセン病問題の解決の促進に関する法律に規定する入所者への療養、または親族に対する援護を受けている ・中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律に規定する支援給付を受けている |
市町村民税 非課税の 身体障害者 | 身体障害者手帳をお持ちの方がいる世帯で、かつ、世帯構成員全員が市町村民税(特別区民税含む)非課税 |
市町村民税 非課税の 知的障害者 | 所得税法または地方税法に規定する障害者のうち、児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センターまたは精神保健指定医により知的障害者と判定された方がいる世帯で、かつ、世帯構成員全員が市町村民税(特別区民税を含む)非課税 |
市町村民税 非課税の 精神障害者 | 精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方がいる世帯で、かつ、世帯構成員全員が市町村民税(特別区民税含む)非課税 |
社会福祉施設等 入所者 | 社会福祉法に規定する社会福祉事業を行なう施設または事業所に入所されている |
奨学金受給 対象等の 別住居の学生 | 親元などから離れて暮らしており、以下にあてはまる学生 ・経済的理由の選考基準がある奨学金を受給している ・経済的理由の選考基準がある授業料免除制度の適用を受けている ・親元などが市町村民税(特別区民税を含む)非課税 ・親元などが公的扶助受給世帯 |
参照:NHK
なお、奨学金受給・授業料免除対象の方については、独立して生計を営み、親元など生計をともにする方がいない学生もあてはまります.。
また、最近頻発する災害にあわれた方にも利用できる制度があります。詳しくはこちらからご確認ください。
さらに半額免除となるのは次の方です。
・ 視覚・聴覚障害者
・ 重度の身体障害者
・ 重度の知的障害者
・ 重度の精神障害者
・ 重度の戦傷病者
今後の情勢にも注目
「日本放送協会放送受信 規約」は、公式サイトで広く意見を募った後、その意見を参考に案をとりまとめ、総務省に認可申請される予定です。
今後のニュースにも注目しておきましょう。(執筆者:FP2級 吉田 りょう)
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