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年金を受給する前に亡くなってしまった場合、遺族が受給できる年金について


日本に居住している20歳以上60歳未満のすべての方は、国民年金に加入しなければなりません。

国民年金の被保険者の中で、自営業者、学生、無職の方などの「第1号被保険者」 は、自分で国民年金保険料を納付する必要があります。

会社員、公務員などの「第2号被保険者」 は、厚生年金保険料を納付し、国民年金保険料も納付済になります。

第2号被保険者の配偶者である「第3号被保険者」は、自分で国民年金保険料を納付しませんが、第3号被保険者の期間は国民年金保険料も納付済になります。

いずれにせよ、国民年金の被保険者は、国民年金保険料を納付しています

第2号被保険者は、さらに厚生年金保険料も納付しています。

このように、公的年金の保険料を納付している方が年金を受給する前に亡くなってしまった場合、その遺族の方は亡くなった方の年金を受給できるのでしょうか?

遺族の方が受給できる可能性のある年金について、分かりやすく解説していきます。

遺族が受給できる年金

大学生の時に国民年金保険料が未払いだった場合、年金受給にどのような影響があるか?

遺族基礎年金

遺族基礎年金とは、国民年金の被保険者などが亡くなった場合に、一定の遺族が受給できる年金です。

この場合の一定の遺族とは、死亡した方に生計を維持されていた以下の方です。

(1) 子のある配偶者

(2) 18歳になった年度の3月31日までにある子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子

遺族厚生年金

遺族厚生年金とは、厚生年金保険の被保険者などが亡くなった場合に、一定の遺族が受給できる年金です。

この場合の一定の遺族とは、死亡した方に生計を維持されていた以下の方で、最も優先順位の高い方が受給できます。

(1) 妻(30歳未満の子のない妻は、5年間の有期年金になります。)

(2) 18歳になった年度の3月31日までにある子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子

(3) 死亡当時に55歳以上である夫

(4) 死亡当時に55歳以上である父母

(5) 18歳になった年度の3月31日までにある孫、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある孫

(6) 死亡当時に55歳以上である祖父母

寡婦年金

寡婦年金とは、国民年金第1号被保険者での保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して10年以上ある夫が年金を受給する前に亡くなった場合に、以下の要件を満たした妻が60歳から65歳までの間受給できる年金です。

(1)亡くなった夫との婚姻期間(内縁関係を含む)が10年以上継続していたこと

(2) 亡くなった夫によって生計を維持されていたこと

(3) 亡くなった夫が、老齢基礎年金や障害基礎年金、旧国民年金法による障害年金を受給したことがないこと

死亡一時金

死亡一時金とは、第1号被保険者として国民年金保険料を納付していた月数が36か月以上ある方が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受給せずに亡くなってしまった場合に、一定の遺族が受給できる一時金です。

この場合の一定の遺族とは、亡くなった方と生計を同一にしていた以下の方で、最も優先順位の高い方が受給できます。

(1)配偶者

(2)子

(3)父母

(4)孫

(5)祖父母

(6)兄弟姉妹

遺族が遺族基礎年金を受給できる場合は、死亡一時金は受給できません。

また、寡婦年金と死亡一時金の両方を受給できる場合は、いずれかの一方を選択する必要があります。

国民年金や厚生年金の被保険者の方が年金を受給する前に亡くなってしまった場合、遺族は年金や一時金を受給できる可能性があります。

ただし、それぞれ遺族や亡くなった方の要件がありますので、該当した方でないと受給できません。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)

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