株価はアメリカを中心に下落傾向にあります。
コロナショック後は右肩上がりで推移していましたので、コロナ禍の中で投資信託を含めて株式投資を新たに開始された方にとっては、始めての試練かもしれません。
私も15年以上資産運用を行っていますが、過去の経験から下落時に心得ておきたいこと、気を付けたいことをお伝えします。
正解はひとつではありませんが、少しでも参考になれば幸いです。
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続けることでチャンスはやってくる!
株式では、特にNYダウや日経平均株価などの株式指標は、永遠に上昇し続けることもなければ下落し続けることはありません。
ITバブルの崩壊、リーマンショック、コロナショックなど定期的に何らかの要因により大きく下落することは、株式投資を行う上で避けることはできないと言えるでしょう。
天候で言えば、「嵐」の時と言えます。
下落相場の時には、上昇相場の時と比べると、収益を上げることは難しいと言えます。
当たり前のことを書いていますが、一方で、含み損が膨らんでいく状況になると、その含み損を少しでも解消したい、またはゼロにしたい心境をより持つかもしれません。
下落相場の時に無理に収益を上げようとすると、むやみに損失を発生させてしまう危険性もあるわけです。
資産運用を長く続けるためには、多額の利益を発生させることも大切ですが、それと同時に多額の損失を発生させないことも大切です。
多額の損失=ゲームオーバーとなると、その後上昇相場の時になった場合でも参加できません。
嵐が過ぎ去るまでは、長く続けるために「あせりやはやる気持ち」があれば少しでも抑え、含み損と付き合うぐらいの感覚を持つぐらいの気持ちがよいでしょう。
大底は誰にも分からないという前提で
コロナショックの時には相場は一直線に急落していきましたが、1歩ずつ確実に下落していくパターンもあります。
下落時には、特に株式指標では心理的節目や今年の安値水準、PERの平均など下値支持ラインが気になるところです。
この下値支持ラインに到達した時に思い切って一発勝負!に出る人もいますが、下値支持ラインが株価の大底とは限りません。
さらなる悪材料により、そこからさらに下落することもあります。
そうなると目も当てられません。大底は分からないものと割り切るのもひとつです。
「 魚の頭と尾はくれてやれ」と相場の格言にもあるように、下落相場の終焉が確認できる状況になるまで「待つ」ぐらいの辛抱は必要でしょう。
感情だけでの難平買い、損切りにも注意
嵐の時は嵐が過ぎ去るまで辛抱する。
しかし、含み損がドンドンと増加している状況では、指を加えて眺めている訳にもいかないでしょう。
その際に、難平買いや損切りを検討するでしょう。
感情だけでの難平買いは、ついつい追っかけがちになります。
気が付けば、自分のリスク許容度を超えている株数を保有している、または何度も難平買いを続けることで下落が続き、その後に難平買いをしても効果が薄れてしまいます。
「含み損が-5%または-10%になれば難平買いをする」
など、手元にある資金と相談しながら決めておくようにしましょう。
損切りも、「この嵐の中から逃げたい」だけの心境ですと、その後上昇した時に後悔だけが残ってしまいます。
または「損切りしたいけど、ひょっとして上がるかも?」といった欲に負けてしまい損切りできずにいると、今度はズルズルと損失が拡大してしまうことも考えられます。
損切りする場合にも-10%になれば損切りを行うなど、自分の中でルールを決めておきましょう。
そして、過去は振り返らずに、今後に向けての運用の戦略を練るようにしましょう。
下落相場時の、自分の「基準」や「気の持ち方」を決めておこう
上昇相場の時は、売買のタイミングを間違えた場合でも収益は上げやすい環境にありますので、感情的なダメージがあったとしてもまだ余裕はあるかもしれません。
しかし、下落相場の時は損失の大小につながる話になりますので、勘定(資金)と感情の2つのダメージは大きいと言えるでしょう。
下落相場をいかにして乗り越えるのか。
その手法や気持ちの持ち方を決めておくことが、長期にわたって資産運用を継続させる秘訣でもあると言えるでしょう。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)
「R>G」(byピケティ)に一般生活者はこう対応すべきです!