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「障害年金」を申請するデメリットについて解説


障害年金を申請する前に多くの方がどのようなデメリットがあるのかという不安材料を持たれています。

今回は障害年金を申請するデメリットについて解説します。

障害年金を申請するデメリット

大学生の時に国民年金保険料が未払いだった場合、年金受給にどのような影響があるか?

扶養から外れてしまう

現在、社会保険上の扶養に入っている場合、障害年金をもらえるようになり、扶養の収入限度額を超えてしまい、扶養から外れなければならないケースが想定されます。

原則として被扶養者の収入は年間130万円未満となりますが、障害年金受給者の場合180万円となります。

もちろん必ず障害年金のみで180万円以上もらえるというケースばかりではありませんが、社会保険上の被扶養者の収入は障害年金だけでなく、パートでの収入があればそれも含めなければなりません。

もちろん、180万円に達しない場合は扶養から外れることはありません。

老齢基礎年金が低額になる

障害年金を受給できるようになると、保険料が免除されるようになります。

しかし、保険料免除の対象になると、原則として65歳から受給開始となる老齢基礎年金が低額になるという問題があります。

一生涯障害年金のみで暮らしていくということであればデメリットは限定的なのでしょうが、後述するように障害年金には更新の手続きがあります。

そこで、老齢基礎年金の減額を回避する意味で、申請をすることで保険料を納付することは可能です。

配偶者の加給年金が停止される

加給年金額の対象となっている配偶者が、以下の公的年金制度から年金を受け取る権利があるとき、配偶者は加給年金を受けることができません。

(1) 加入期間が240月以上の老齢、退職を支給事由とする年金

(2) 障害年金

(1) は割愛しますが、(2) については、障害年金を受けるようになると、一定の収入が見込まれますので、配偶者の加給年金は受けられなくなるということです。

しかし、世帯単位での収入と考えれば障害年金を受給した方がメリットは大きい場合も少なくありません。

生活保護受給中や傷病手当金を受給している場合減額調整される

まず、生活保護と障害年金の関係ですが、どちらか一方しか受給することはできません。

障害年金を受給できるようになった場合、年金額から生活保護費が調整されることとなります。

ただし、生活保護を受給していると障害年金を申請できないというわけではありません

あくまで両方受給することができないということです。

そうなると障害年金を申請するメリットはないのではないかと考えがちですが、生活保護に頼らなくても生活できるという自信が芽生え、徐々に生活の基盤が整っていくということにも繋がります。

また、働いていたら障害年金をもらえないということはありません。

働いていることをもって、通常、直ちに日常生活能力が向上したものとは考えられず、療養状況を考慮し、仕事の種類、内容、就労状況、職場で受けている援助の内容や他の従業員との意思疎通の状況等を総合的に確認したうえで日常生活能力を判断することとされているからです。

次に傷病手当金と障害年金の関係ですが、原則として、同時期に両方を全額受給することはできません。

理由として、病気や怪我が原因で要件を満たすはずですので、同一の病気や怪我の場合は同時期に両方を全額受給することはできません

相違点として、傷病手当金は労務不能状態であることが要件であるのに対して、障害年金は必ずしも働ける状態では受給できないということではありません。

メリット大きい

障害年金は申請後すぐにもらえるものではなく、実際に振り込まれるまでは6か月近い時間を要することも少なくありません。

また、更新の手続きも必要であり、それが精神的な負担になることもあるでしょう。

また、老後の年金とは異なり、亡くなるまでもらえることが約束されているわけではありません。

しかし、一定のまとまった収入となる障害年金を申請するメリットはデメリット以上に大きいと考えます。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)

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