nanaco、WAON等の電子マネーを使う際には事前のチャージが必要です。
チャージはどうせならクレジットカードでしたいものです。
クレジットカードのポイントが付けば、チャージと利用とで2重取り状態、つまりWポイントとなります。
ですが、チャージ時に本当にポイントが付いているでしょうか。
現在縮小する一方の、電子マネーチャージ時のポイントについて再確認です。
Wポイントについておさらい
なんらかの企画で「ポイント2倍」になることもWポイントと言いますが、その意味ではありません。
次の機会の双方において、ポイントが2重で付くことを「Wポイント」と呼んでいます。
1. クレジットカード等から電子マネーへのチャージ
2.電子マネーの利用
クレジットカード直接決済(iD、QUICPay等での決済を含む)の場合、還元率1.0%のカードを考えてみます。
上記2で0.5%付くとすると、Wポイントで合計1.5%となり、カード直接決済を上回るわけです。
ですが「1」でポイントの付かないケースがどんどん増えているのです。
この部分がポイントなしの場合、2だけではカード直接決済に負けてしまいます。
対象アイテムは電子マネーだけではない
QRコード決済においても、Wポイントの概念は重要です。
au PAY
チャージ方式のため、電子マネーと考え方は一緒
楽天ペイ
楽天カードから楽天キャッシュをチャージ(0.5%)して決済(1.0%)するとWポイント
d払い
チャージ不要だが、dカードと組み合わせると0.5%の決済ポイントが付く
人気のPayPayは、クレジットカードからのチャージがPayPayカードからしかできず、この際にポイントが付かないため、Wポイントではありません。
Wポイントのほうが得とは限らない(例:Suica)
モバイルSuicaの場合、JR東日本系のビューカードからチャージすると1.5%の高還元率です。
鉄道や駅ビル利用以外では利用のポイントがないSuicaは、Wポイントとはいえません。
ですが1.5%の還元率は、多くのWポイントのキャッシュレスと同等以上です。
Wポイントのほうが価値が高いとは限りません。
また細かいことですが、電子マネーの利用時のポイントは決済ごと、おおむね200円単位のため、多くの端額が切り捨てられて目減りしています。
この点でも、チャージ時にまとめてポイントの付くSuicaは有利です。
Suicaチャージでポイントのつかないカードも多い
とはいえ、Suicaチャージでポイントのつかないカードも世に多く、このようなカードでチャージするとポイントゼロなので気をつけてください。
銀行系カード(三井住友、三菱UFJ、JCBオリジナルシリーズ等)はおおむねポイント対象外です。
人気の楽天カードも、「楽天ペイのSuica」利用を除きポイント対象外です。
最も有利だったリクルートカードのうちJCBブランドは、現在チャージ還元率0.75%と下がっています。月のチャージ対象上限(3万円)もあり、優位性は大きく落ちました。
リクルートカード(VISA、Mastercard)は、変わらず1.2%でチャージできます(月3万円の上限はあり)。
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関連記事:ポイントの還元単位に注意 付与方法によっては目減りしているかも
トリプルポイントの概念は不要
「トリプルポイント」(ポイント3重取り)という表記も見受けられます。
共通ポイント(楽天ポイント、dポイント等)を提示してポイントを付けることを言いますが、これは決済と別建てなので、Wポイントの延長でとらえる必要はないでしょう。
キャッシュレスアイテムごとに非Wポイントをチェック
すでに取り上げたSuicaを除き、もっぱらモバイルで用いるキャッシュレス個別に「Wポイントにならない事例」を見てみます。
ここに列挙した使い方をしていれば、損しています。
nanaco
nanacoは現在、「セブンカード・プラス」からしかWポイントとなりません(一部過渡期のカードを除く)。
チャージ、利用それぞれ0.5%なので、数字は大きなものではありません。
ただしセブンカード以外のクレジットカードの中に、ポイント交換レートが等価のため役立つものがあります。
・ JCBオリジナルシリーズ
・ ジャックス
・ セディナ
・ To Me Card
交換はおすすめですが、チャージはやめましょう。
WAON
WAONでWポイントとなるのは、イオン銀行一体型の「イオンカード・セレクト」のオートチャージのみです。
銀行一体型でないイオンカードでは、チャージ時のポイントが付きません。
イオンカード・セレクトからオートチャージしたWAONを使うと、イオン系列で還元率1.5%となります。
他のWAONもイオンで常時1.0%であるほか、さらにポイントアップの機会が多く、イオンカード直接決済と併用するといいでしょう。
ただ一般のイオンカードの人がWAONをイオン外で使うと、還元率0.5%に過ぎず、明らかに損です。
楽天Edy
楽天カードとの組み合わせで使うのが普通ですが、楽天カードのチャージ還元率は0.5%と通常の半分です。
利用時還元率0.5%と併せても、楽天カードの通常の還元率と同じ1.0%です。
場合、チャージ時還元率は同じく0.5%ですが、利用時還元率が1.0%と高く、楽天ペイが得になっています。
楽天Edyにチャージしてポイントのたまるカードは極めて少ないものの、一部次のものがあります。
お持ちの方は楽天カードに替えて活用するといいでしょう。
・ リクルートカード(VISA、Mastercard)・・・1.2%(月3万円まで)
・ エポスゴールドカード・・・カード年間100万円利用の場合・・・1.5%
・ エディオンカード・・・1.0%
au PAY
au PAYの場合、系列のau PAYカードを使うなら、チャージ1.0%、利用0.5%となり有利なWポイントです。
Androidの場合、au PAY残高からさらにモバイルSuicaにチャージできる(0.5%)のでおすすめです。
他には、セゾン、エポス、オリコ等でWポイントとなります。
au PAYへは、VISA、JCBブランドの多くがチャージ対象外となっているので、この点注意です。セゾンやエポスはOKです。
関連記事:【たぬきが化ける】Pontaからau PAY、そしてSuicaへのルートが開通 ポイントをPontaとau PAYに集約しよう
世間ではWポイントは減っている
各カード会社と電子マネー側の都合によって、電子マネーへのチャージ時に、ポイントが付かなくなるケースが増えています。
残った組み合わせも聖域ではありません。
自社系列との組み合わせでも、PayPayやイオンのように、ポイント対象外が通常ということも多いものです。
よく使うキャッシュレスアイテムについては、チャージ時のポイント付与の有無、常にチェックしておきたいものです。
ポイント対象外になってしまったら、カード直接決済に劣るので、使うのはやめましょう。(執筆者:沼島 まさし)