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退職して健康保険の扶養に入る時に「マイナ保険証」が役に立つ場合がある


日本は国民皆保険(すべての国民が公的医療保険に加入し、病気やケガになった時に必要な保険給付を受けられる状態)を、1961年に実現しております。

ただ各人の職業や年齢などによって、加入する公的医療保険に違いがあるのです。

例えばA社を退職した後に、数か月の失業期間を経て、B社に再就職した方がいたとします。

こういった場合はA社を退職して健康保険から抜ける時に、A社から渡された健康保険証を返却し、失業期間中は次のような3つの中から、いずれかひとつを選択して、そこから新たな健康保険証を受け取ります。

・ 市区町村と都道府県が運営している国民健康保険に加入する

・ 任意継続被保険者として健康保険に加入する

・ 配偶者などが加入する健康保険の扶養に入る

またB社に再就職した際には、失業期間中に使っていた健康保険証を返却すると共に、B社で加入した健康保険から、新たな健康保険証を受け取ります。

健康保険証としての登録を済ませたマイナンバーカード、いわゆるマイナ保険証を保有していると、こういった健康保険証の受け渡しにかかる手間を、省けるようになるのです。

ただ健康保険証の受け渡しが不要になっても、A社を退職した後に国民健康保険に加入する手続き、またはB社に再就職した後に国民健康保険から抜ける手続きなどは、引き続き必要になります。

こういった手続きのために、市区町村の窓口まで足を運ぶ必要があるとしたら、健康保険証の受け渡しが不要になったというメリットが、薄れてしまうと思うのです。

そのため全国のどこの市区町村に住んでいても、自宅からパソコンやスマホなどで、手続きができるようにして欲しいものです。

退職して 健康保険の 扶養に入る時に マイナ保険証が 役に立つ場合

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健康保険の扶養は2つの要件を満たす必要がある

退職によって収入がなくなった方は、税法上の扶養や健康保険の扶養に入れる場合があります。

税法上の扶養に入れた場合には、扶養している方の所得税や住民税の負担が、軽くなるというメリットがあります。

一方で健康保険の扶養に入れた場合には、その方は保険料を負担しなくても、健康保険から各種の保険給付を受けられます。

また健康保険に加入している方が納付する保険料は、給与(月給、賞与)の金額を元にして算出するため、扶養している方の保険料の負担は、親族が扶養に入った後も変わらないのです。

こういったメリットのある健康保険の扶養に入れるのは、次のような2つの要件を満たしている、3親等内の75歳未満(75歳以降は後期高齢者医療に移行)の親族のうち、原則として日本国内に住んでいる方です。

【健康保険に加入している方と扶養に入れようとする親族が同居】

・ 扶養に入れようとする親族の年収が、130万円(60歳以上の親族、障害厚生年金を受けられる程度の障害状態にある親族は180万円)未満である

・ 扶養に入れようとする親族の年収が、健康保険に加入している方の年収の2分の1未満である

【健康保険に加入している方と扶養に入れようとする親族が別居】

・ 扶養に入れようとする親族の年収が、130万円(60歳以上の親族、障害厚生年金を受けられる程度の障害状態にある親族は180万円)未満である

・ 扶養に入れようとする親族の年収が、健康保険に加入している方からの仕送り額より少ない

このように健康保険に加入している方と、扶養に入れようとする親族が同居か別居かで、要件が少しだけ変わってきます

また別居であっても健康保険の扶養に入れるのは、配偶者、子、孫、直系尊属(父母、祖父母など)、兄姉弟妹といった、一部の親族だけになってしまう点に、注意する必要があります。

なお健康保険の扶養に入れる要件を満たしている、20歳以上60歳未満の配偶者は、所定の届出をすることによって、国民年金の第3号被保険者になれる場合があります。

この第3号被保険者であった期間は、国民年金の保険料を自分で納付しなくても、納付したものとして取り扱われるため、健康保険の扶養と同じようにメリットが大きいのです。

基本手当日額の金額によっては健康保険の扶養に入れない

退職した後に受給できる雇用保険の基本手当、いわゆる失業手当は非課税になるため、税法上の扶養に入れるか否かを判定する際には、年収の中に含めません。

一方で健康保険の扶養に入れるか否かを判定する際には、基本手当を年収の中に含めます

また基本手当日額(退職日の直前6か月間に支払われた給与の合計を、180で割って算出した賃金日額の45~80%程度)が、3,612円(5,000円)以上の場合は原則として、健康保険の扶養に入れません。

その理由としては「3,612円×360日=130万320円」、または「5,000円×360日=180万円」により、年収130万円(180万円)未満という要件を満たせなくなるからです。

実際に基本手当を360日分も受給できる方は、かなり少ないのではないかと思います。

それなのに基本手当日額が3,612円(5,000円)以上だと、健康保険の扶養に入れないのは、今後に受給できる可能性がある基本手当の総額ではなく、基本手当日額から推定される年収を元にして判定するからです。

健康保険の扶養に入る時にマイナ保険証が役に立つ

基本手当日額が3,612円(5,000円)以上の場合は上記のように、健康保険の扶養には入れないため、国民健康保険などの他の公的医療保険に加入する必要があります。

ただ基本手当を受給する前の待機期間(7日間)や、給付制限期間(正当な理由のない自己都合退職の場合は2~3か月程度)については、健康保険の扶養に入れる場合があります。

また基本手当の受給が終わった後に、就職先が決まっていない時にも、健康保険の扶養に入れる場合があります。

こういったルールになっているため、わずか数か月の間に、次のような複数の公的医療保険に加入する方がいるのです。

・ 勤務先の健康保険に加入(退職するまで)→健康保険の扶養(待機期間や給付制限期間が終わるまで)→国民健康保険に加入(基本手当の受給開始から終了まで)→健康保険の扶養

そうなると健康保険証の受け渡しが、何度も必要になってくるため、手間がかかるのです。

こういった時にマイナ保険証を保有していると、健康保険証の受け渡しが不要になるため、役に立つと思います。

また自宅からパソコンやスマホなどで、国民健康保険の手続きができるようになったら、更に役に立つと思います。

なお国民健康保険に加入している期間中の、国民年金の被保険者の種別については、第3号被保険者ではなく第1号被保険者になるため、自分で国民年金の保険料を納付する必要があります。

ただ退職(失業)による特例免除などを申請することにより、全額免除や納付猶予を受けられる場合があるため、国民年金の保険料を納付しないで済むケースもあるのです。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)

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