2022年は株主優待投資家にとってアベノミクス相場以降最も注意するべき年になりそうです。
結論から言うと、上場企業が個人投資家を軽視する動きが強くなっているからです。
個人投資家軽視の動きが強まるとなぜ株主優待投資家は注意すべきなのか、昨今の株式市場で何が起きているのか、上記2点を本記事で掘り下げていきます。
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昨今の株式市場の動きについて
市場の動きで株主優待投資家が注目したいことは、株主優待の廃止が多くなっていることです。
筆者が調査したところ、2020年50社、2021年47社に比べ、2022年は5月20日時点で29社も株主優待を廃止しています。
年間換算すると70社ペースとなり過去2年に比べて1.4倍も多くなってしまう計算です。
そして最も注視していただきたいことが、直近1か月で12社も株主優待の廃止を発表していることです。
中でも個人投資家に人気の株主優待銘柄であるオリックス(8591)、サニーサイドアップ(2180)が株主優待の廃止を発表したことは衝撃でした。
※オリックスは2024年までは株主優待を継続
特にサニーサイドアップは株主優待価値が株価に大きく影響していたようで、株主優待廃止発表翌日にストップ安まで売り込まれてしまいました。
株主優待廃止企業が株主優待を廃止する理由で最も多いものが、配当による公平な利益還元です。
とはいえ筆者が調査したところ、個人投資家目線で株主優待よりも配当金が増えたからよかった、と思えるほど増配されたケースは少ないと感じます。
個人投資家が軽視されるようになった理由として、機関投資家の増配要求が強くなっていることと、市場再編により最上位のプライム市場に残るための条件である必要株主数が2,200人から800人へと緩和されたことがあげられるでしょう。
個人投資家が軽視されると何が問題になるのでしょうか。
株主優待投資家が注意すべきこと
株主優待投資家が最も注意すべきことは株主優待の廃止です。
昨今の株主優待廃止企業の増加を受け、他社が廃止したからわが社も、と便乗廃止する企業が出やすい環境と言えるでしょう。
さらに最近の企業業績をチェックすると分かりますが、多くの企業が原材料の値上がりによる利益の圧迫に苦しんでいます。
業績悪化で苦しむ企業は経費削減に取り掛かりますが、個人投資家軽視の流れから最も企業が手を付けやすいのが株主優待になるでしょう。
さらに廃止までいかなくても、株主優待を改悪する企業も多く出てくるかもしれません。
株主優待投資家がとるべき対策
まずは株主優待を廃止しやすい企業を把握し、ご自身の保有銘柄についてリスクを取って保有を続けるか、売却するか判断してください。
株主優待を廃止しやすい銘柄については過去の記事でご紹介していますので参考にどうぞ。
次に、株主優待銘柄を高配当銘柄、できれば増配が期待できる銘柄へ入れ替える事を検討しましょう。
個人投資家軽視とは機関投資家を重視すること、ならば機関投資家が好みそうな銘柄を保有して流れに乗ってしまう方が得策と言えます。
最後に、本記事では株主優待に対して否定的な記事となってしまいましたが、筆者はまだまだ株主優待銘柄を保有しています。
特にクリエイトレストランツのような使いやすく節約にもつながるありがたい株主優待銘柄は売却するつもりもありません。
資産全体で考えたときに株主優待銘柄の割合は減らした方がよいと考えています。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)
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