高校の家庭科の授業で家計資産の話題、いわゆる「金融教育」が2022年4月から取り入れられています。
と気になります。
当然のことながら大人にとっても大切なことですし、投資や資産運用などあまり詳しくないという人にも参考になりますので、分かりやすく紹介します。
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共立女子中学高等学校でのお金の授業
これは今年3月に千代田区の共立女子中学高等学校で行われた春季講座「18歳から大人 大人になったときに知っておきたいお金の話」の写真です。
誰でも無料で使えるデモトレードアプリ「株たす」を使って、株式の売買を擬似的に体験している模様です。
数学や英語などの通常の授業と違って、身近な話題やゲームのように楽しんで学べるので興味を持ちやすいですね。
同校の数学科/進路指導部の鈴野一高先生が3日間にわたり丁寧に分かりやすく授業をされたので受講した生徒にも好評だったようです。
また、この学校での金融教育、金融リテラシーの向上は、高校だけではありません。
むしろ高校での授業が一番最後で、すでに小学校は2020年から、中学校は2021年から始まっています。
今の小学生はちゃんとお金の授業も受けて社会に出ることになるわけで、日本の未来にとっても有益ですね。
春季講座の「お金の授業」内容は?
金融機関のセミナーなどでは、どうしても「売りつけられてしまうのでは?」とか警戒して受講しなかったり、受講しても疑心暗鬼だったりすることもあるかもしれません。
身近な学校の先生が利害抜きで教えてくれるのは、とてもありがたいです。
まさに「お金の神授業」と言えるんじゃないでしょうか。
どんな授業が行われたのか気になります。
かいつまんで紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1)生活に影響するお金の価値
- ハンバーガーの値上げの話題から、物価上昇、インフレの話。
- でもそれより宿題が多いことの方が気になる。
- 身近な生活に影響が少ないから実感しにくい。
- 実はあなたの生活に影響している。
- 低金利でお金を銀行に預けても増えずに物価が上がれば、お金の価値は減る。
- お金の概念を知れば損を防いだり利益を得たり生活に影響させることができる。
2)物の値段の決まり方
- 自動販売機のジュースの値段は誰がどうやって決めているのか?
- 売る人がコストや利益を考えて決めている。
- 同じペットボトルの水でもスーパーや高級ホテルでは値段が違う。
- 高すぎると誰も買わない、安すぎると儲からない。
- 株価も売りたい人買いたい人の考えが一致した価格で決まる。
3)株ってなに?
- 企業の権利書のようなもの。
- コロナショックやロシア侵攻で株価がどう動いたかチャートで見てみる。
- 多くの国が経済対策や給付金などお金をばらまき、株などの資産価格が上昇。
- インフレが加速しすぎ、今はお金を回収し金利を上げインフレ抑制 → 株価下落の流れ。
- 株式投資で利益を得る方法には「配当金」もある。
4)デモトレアプリ「株たす」で株を買ってみよう
- マンガで「株式入門」を学ぶこともできる。分からない言葉は用語集で調べる。
- 授業中に好きな銘柄を選んでデモトレで買ってみる。本当の取引ではないので安心。
- 多くの株は100株単位。
- 買った後、上がって売れば利益、下がって売れば損失。
5)リスク分散と投資信託
- 複数の投資対象に分散投資することでリスク分散できる。
- 投資信託は分散投資に適した金融商品。少額から購入できる。
- 投信はアメリカ株など海外のマーケットにも投資しやすい。
- 投信には様々な種類があり、手数料等コストも結構差がある。
- ネット証券がコストも安く使い勝手が良い。
受講した生徒の感想
・ 自分で選んで買い、どう動くか考えるのが楽しかったです。大人になった時に上手く投資できたら楽しそうだと思いました!
・ 普段、中学生の自分では調べたり学んだ事のないお金について知れて、新鮮で面白かったです。株たす等。
・ 今までニュースで流し見をする程度だった株価の詳細がわかって楽しかったです。今日からは株価の推移などを、ニュースや新聞で毎日確認するのを習慣にしたいです。
・ 株のことはなんとなく知っていたが、あんなに手軽にできるものだと思わなかったので感動した。大学生になったら株で小遣い稼ぎをしてみようと思う。
・ 投資するタイミングが少しずれるだけで、金額がだいぶ変わってしまうので慎重に行わなければならないと思った。また、円の価値が下がっているので上げたいと思った。
・ 投資のメリットだけでなく、危険性も知れたので勉強になった。
・ 投資など人の心理に左右されてしまうけど、積み立て投資という選択肢もあるんだとわかった。
・ 公民の授業で株のことは何となく知っていたけれど、株の仕組みを詳しく知らなかったので株に少し興味が出ました︎ 株たすも面白かったです︎
大人も金融知識を身につけるためにまずはやってみよう
【「株たす」の株式投資入門マンガ】
小中高校でお金の授業を受けられなかった我々大人はどうすればいいでしょうか?
これはもう自力で学ぼうと思って学ぶしかありません!
その重要性に気付けなかった人は一生学べないし、知らず知らずに損をしているかもしれません。
小中高校生のお子さんがいる人は、お子さんよりお金や資産運用のことを知らない、ということになりかねません。
子供に「お金のこと教えて」と尋ねられて、充分に教えてあげられない、なんてこともあるかもしれません。
今春から、成人年齢が18歳からに引き下げられ、金融機関の口座を自分の意思で開設できる年齢も18歳からになりました。
自分のためにも家族のためにも、学ぶのに遅すぎるということはありませんので、これを機に興味を持っていただきたいです。
同校の授業でも活用されたアプリは、「株たす」だけでなく「FXなび」「暗号資産なび」というFXやビットコインなど暗号資産(仮想通貨)のデモトレードアプリや、積立NISAやiDeCoのシミュレーションが出来る「トウシカ」というアプリも。
そういう初心者向けアプリを試してみたり、書籍や動画などで一から学ぶのも良いでしょう。
まずは第一歩を踏み出してみましょう。
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