通勤ラッシュは気分の良いものではありませんし、感染リスクも少なくありません。
そこで最近注目を集めているのが、「ピークシフト」「オフピーク」です。
今回は、首都圏の鉄道会社でピークを避けるとお得になる方法を紹介します。
【Tポイント】3月で終了するサービスを紹介 早めの「脱出」を
10枚分の料金で12枚買える「時差回数券」
≪画像元:東京メトロ≫
ピーク時間帯をはずしてお得といえば、時差回数券が定番です。
10枚分の料金で、所定の運賃区間のきっぷを12枚購入できます。
単純計算で、2枚分お得です。
平日は10時~16時、土日祝日は終日利用できます。
ただし、有効期間が発売日から3か月間ですので、使いきれる人向けです。
小田急は10枚販売で料金割引
小田急では、時差回数券に似た「小田急チケット10」(オフピーク)を販売しています。
販売数は10枚ですが、販売価格を割り引くというもので、有効期間が2か月であること以外の条件は、時差回数券と変わりません。
例えば、新宿~小田原は通常900円のところ、「小田急チケット10」(オフピーク)は7,430円で販売しています。
1枚当たり157円お得な計算です。
ただし、最近は後述の交通系ICを利用した割引が勢力を拡大しており、小田急チケット10も7月31日で販売を終了します。
【JR東日本】「オフピークポイントサービス」が延長&リニューアル
≪画像元:JR東日本≫
時差通勤を応援するJR東日本の「オフピークポイントサービス」、当初は2022年3月31日までの予定でした。
しかし好評につき、2023年3月31日まで延長され、2022年4月1日よりサービスがリニューアルされます。
JREポイントに登録した対象のSuica通勤定期券を持っている人が、エントリーすることで参加できます。
各駅に設定されている、平日朝の混雑ピーク時間帯の前後1時間に入場すると、JREポイントがもらえる点は変わりません。
しかし、もらえるポイントに違いがありますので、比較しましょう。
2022年3月までのオフピークポイントサービス
≪画像元:JR東日本≫
2022年3月までのオフピークポイントサービスは、
・混雑ピーク時間帯の1時間前:15ポイント
・混雑ピーク時間帯の1時間後:20ポイント
と、混雑ピーク時間帯の前後でポイント数が異なっていました。
また、何回利用しても、ポイント数は変わりません。
【リニューアル後】2022年4月からのオフピークポイントサービス
≪画像元:JR東日本≫
2022年4月からのオフピークポイントサービスは、混雑ピーク時間帯の前後でポイント数は5ポイントです。
これだけだと改悪ですが、月5回以上利用すると、1回につき25ポイントとポイント数がアップします(月20回まで)。
月16回以上オフピークポイントサービスを利用する人は、リニューアルでお得です。
≪画像元:JR東日本≫
さらに、混雑ピーク時間帯の前後どちらを利用しても、ポイント数は変わりません。
これまでは早起きさんが若干損でしたが、リニューアル後は早起きしても同じくお得です。
【東武鉄道】(5/9より)オフピーク通勤でトブポマイルが貯まる
≪画像元:東武鉄道≫
2022年5月9日~2023年3月31日の期間中、東武鉄道では「オフピークマイル」の社会実験を行います。
「TOBU POINT」に登録したPASMO通勤定期券を使い、朝の通勤ピーク前後の1時間に、定期券の対象乗車駅で入場してください。
降車駅で出場(定期券区間外でもOK、降車時刻は問わない)すると、1乗車につきトブポマイル20マイルが、乗車7日後にもらえます。
≪画像元:東武鉄道≫
路線により、対象乗車駅と対象降車駅が決まっています。
東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線の場合は、対象乗車駅が南栗橋・久喜~小菅、対象降車駅は北千住以降(亀戸線・他社線含む)といった具合です。
1日に何度同じ路線を利用しても、もらえるマイルは1日1回のみです。
ただし、1日に異なる路線の条件を満たせば、それぞれの路線で1日1回、マイルをもらえます。
トブポマイルの使い道
≪画像元:東武鉄道≫
貯まったトブポマイルは、1マイル→1円分のPASMO残高に、月1回限りチャージできます。
また、1マイル→1ポイントとして、TOBU POINTに交換できます。
TOBU POINTは、特急券購入や東武グループのさまざまなサービス・施設(約100施設)で利用可能です。
さらにTOBU POINTに交換すると、ポイントが10%上乗せされます。
【東京メトロ】東西線で早い通勤ほどお得
≪画像元:東京メトロ≫
東京メトロ東西線では、オフピークプロジェクトを実施しています。
メトポに登録したPASMOでエントリーしてください。
PASMO通勤定期券でなくてもOKなので、通勤でない人やお子さんも対象です。
≪画像元:東京メトロ≫
次に、以下の条件を満たしてください。
・オフピーク時間帯に乗車
・東葉勝田台~門前仲町で乗車
・中野方面の列車に乗車
・南砂町以降の東京メトロ全駅の改札口で、正午までに降車または乗換(西船橋~西葛西間での降車は対象外)
ちょっと早い時間の乗車は15ポイント
すごく早い時間の乗車は25ポイント
のメトポがもらえます。
子どもの場合は、ちょっと遅い時間の乗車は5ポイント、ちょっと早い時間の乗車は10ポイント、すごく早い時間の乗車は15ポイントです。
貯まったメトポは、10ポイント=10円単位でPASMOにチャージ可能です。
【京浜急行】普通列車利用なら、ピーク時間帯でも通勤でなくてもポイントもらえる
≪画像元:京浜急行≫
京浜急行では、平日朝ラッシュ時間帯における優等列車の混雑緩和を目的に、「KQスタんぽ」というサービスを実施しています。
平日7時半~9時の時間帯に、上り(品川方面)普通列車の車内で、自動車内放送に合わせ、「KQスタンぽ」画面の「取得」ボタンを計2回、押してください。
≪画像元:京浜急行≫
平和島駅、大森海岸駅、立会川駅、鮫洲駅の駅間のいずれかで1回、青物横丁、新馬場、北品川、品川の駅間のいずれかで1回、合計2回です。
京急プレミアポイント20ポイントがもらえます。
貯まったポイントは、500円相当のポイント券に交換し、京急プレミアポイント加盟店で利用可能です。
ANAマイルへの交換もできます。
どうしてもピーク時間帯を外せないが、ちょっとだけ早く出て普通列車でも構わない人には、おすすめです。
京急プレミアポイントカードとPASMO番号が必要なものの、通勤定期券でなくてもよいので、通勤客以外の人も利用できます。
【西武鉄道】(7月より)平日朝のピークを外すと10ポイントもらえる
≪画像元:西武鉄道≫
2022年7月より、西武鉄道では「オフピークプラス」「おでかけプラス」という、2種類の乗車ポイントサービスを実施予定です。
オフピークプラスでは、平日の朝にPASMO通勤定期券を使用します。
乗車対象駅(定期券区間外でもOK)で対象となる時間帯に入場し、池袋・高田馬場・西武新宿のいずれかの西武線の駅を12時までに出場してください。
「SEIBU Smile POINT」が10ポイントもらえます。
池袋・高田馬場・西武新宿の各駅に6時30分~7時30分、8時30分~9時30分に到着できる電車が対象となる予定です。
詳しくは、後日発表されます。
将来的には「変動運賃制」の導入も
今回は、ピークを避けてお得な首都圏の鉄道会社を紹介しました。
利用時間に応じて運賃が異なる「変動運賃制」も、将来的に導入されるかもしれません。
沿線にお住まいの方は、ぜひピークを避けてお得になってください。(執筆者:キャッシュレス研究家 角野 達仁)