先週の日経平均株価は2万8000円に乗せてからは上値が重く、3月25日の高値を超えることなく上値を切り下げながら2万7,665円で週末を迎えました。
前回記載しましたが、やはり節目の2万8,000円近辺ではもみ合う展開となりました。
3月22日から23日に開けた窓が意識される中、3月25日30日とダブルトップをつけた形状となり、3月28日安値からの平行線がネックラインとすると、金曜日にネックラインを割った格好となっています。
ロシアウクライナ情勢の警戒感もマーケット的にはピーク時よりも若干薄れつつあり、VIX恐怖指数は20を割り込む場面もあり、横ばいの動きで落ち着いていた1週間でした。
世界情勢に目を向ける日々が続きましたが、4月からは日本のマーケットが大きく変わりますので注目です。
東証再編
東証1部、2部、ジャスダック、マザーズの区分が変更となり、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3つになります。
再編によって、マーケットがどのように反応するのか楽しみでもありますが、プライム市場の条件を満たしていないのにプライムに上場している銘柄も多くあり、しばらくは見極めの時期が続くかもしれません。
常にテクニカル分析に重きを置いてきましたが、東証再編によって、銘柄によっては上場廃止もあり得ますので、ファンダメンタルもしっかり確認する必要がありそうです。
3月第4週の海外投資家動向は現物1649億円売り越しとなっています。
結局3月はずっと売り越しということで、海外投資家が日本株を買ってこないと本格的な上昇にはならないので、4月はアノマリーとして海外投資家は買い越すというデータがある為、海外投資家動向を気にしていきたいですね。
現状分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、上向きだった移動平均線が下向きに変化し、株価も5日線の下にもぐって金曜日を終えました。
25日線は上向きに推移し、株価が25日線に近づいてきています。
横向きだった75日線は、若干下向きに向きを変え、金曜日に株価が75日線に触れて、下髭を作り反発となりました。
並び順は5日75日25日線の並び順で、上昇トレンドのはじまりです。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線に火曜日水曜日に触れ、頭を押さえられる形で上昇失速となっています。
3月25日29日30日と200日線超えにチャレンジしたのですが、まだ勢いが足りないようです。
この200日線を明確に超えてきたときに、上昇トレンド入りとなるでしょう。
トレンドライン
引き続きたくさんの窓を作ったことによって、窓埋めということが意識されそうです。
2月10日安値2万7,575円と2月16日高値2万7,486円の窓が最も意識される窓で、直近では、3月15日16日の窓、3月16日17日の窓、3月18日22日、3月22日23日の窓、これら三空のような窓が開いている為、この窓は下値メドとして機能します。
トレンドラインとして、9月14日11月16日1月5日高値を結んだラインが上値抵抗線としてあり、今回の直近の上値としても機能しています。
一目均衡表
三役好転からの上昇で、引き続き転換線、基準線の並び順で、雲の上限が下値支持となっています。
・ 遅行線が下向きになった
・ 基準線が横向きになった
・ 転換線の下にローソク足が位置し金曜日を終えた
三役好転からの上昇の勢いが衰えてしまったことが受け取れます。
5月9日に雲のねじれがあるので、意識していきましょう。
ボリンジャーバンド
+2σに到達してからは、+1σまで戻して、4月1日に若干+1σを割ってきました。
ここから上向きのTPラインと+1σで行ったり来たりとなると、3月18日22日の窓埋めが意識されます。
スローストキャスト
買われすぎゾーンに到達して、徐々に切り下げ、買われすぎゾーンの80台まできています。ここから買われすぎゾーンを割ってくるのかに注目です。
MACD
ヒストグラムがピークアウトしてきて、上昇の勢いが少なくなっています。
MACDとシグナルは0ラインを超えてきて、上昇トレンドとなりました。ここからは0ラインを割らずに上昇をキープできるのかを見ていきましょう。
月の満ち欠けですが、金曜日の4月1日が新月でした。次回4月17日が満月です。
総合判断
米国では景気後退を示すと言われている米2年国債が10年国債利回りを上回り、いわゆる逆イールド現象が発生しました。
この逆イールド現象によって今すぐに景気が悪くなるということではなく、じわじわと景気悪化するのではないか懸念されるところです。
ロシアウクライナ情勢での今後のロシアへの金融制裁が与える世界的な影響の不安もありますが、今すぐの影響というよりは今後何年にもわたっての影響ですので、
今は日本経済、直近では4日から始まる東証再編によるマーケットの行方を見守っていきたいと思います。(執筆者:城 晶子)