誰でも始めやすい投資として、つみたてNISAは大人気です。
・ 投資できる商品は金融庁が認めた優良ファンドのみ
・ ドルコスト平均法を自動的に活かせる
・ 20年間非課税
こういった特徴から、実際につみたてNISAを活用されている方も多いのではないでしょうか。
実際に筆者もつみたてNISAを活用して、長期的視点で投資を行っております。
ですが、つみたてNISAも万能な投資手法ではありません。
どんな投資にもデメリットは必ず存在しています。
今回は初心者でも理解しておきたい、つみたてNISAの3つのデメリットについて解説したいと思います。
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デメリット1:投資できる商品が限定されている
1つ目のデメリットは
という点です。
つみたてNISAで投資できる商品は、「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」と金融庁のHPで定められています。
つまり金融庁がOKといった投資信託にしか投資できないということです。
販売手数料や信託報酬などの手数料にも一定の制限が設けられているため、基本的に投資できるファンドのほとんどがインデックスファンドということになります。
裏返せば、インデックスファンドよりも優れた運用成績を目指すアクティブファンドについては、そのほとんどがつみたてNISAでは投資できないということです。
またトヨタやソニー、任天堂などの個別株式には投資できないことはもちろんのこと、ETF(上場投資信託)にも投資できません。
「投資信託よりも経費の安いETFに投資したい」
といったことはできません。
最初から投資信託しか考えていない方にとってはさほど問題ではありませんが、投資できる商品が限定されているというのはデメリットです。
対して、一般NISAであれば個別株式やETFにも投資可能です。
例えば
・ 値下がりしているマザーズ市場の株式に投資して値上がりを待とう
・ 経費の安い米国ETFに投資してより高いリターンを狙おう
・ 高配当株に投資して非課税で配当を受け取ろう
などさまざまな選択肢があります。
つみたてNISAの場合は、こういった選択肢はないということは理解しておくべきです。
言い換えると「選択肢が狭い分、失敗も少なく、長期的に見て期待値の高い商品にしか投資できない」ということなので、初心者には安心ということもできます。
ですが、慣れてきて「他の金融商品にも投資したい」となっても、つみたてNISAを活用できない可能性が高いということは理解しておいたほうがよいでしょう。
デメリット2:非課税枠の上限が少ない
2つ目のデメリットが
という点です。
年間40万円、月額約3.3万円という金額は多いでしょうか、それとも少ないでしょうか。
各家庭で投資にまわすことができる金額は違うので、一概にこれが「少ない」と断言できるわけではありませんが、月3.3万円以上の投資ができる家庭が一定数いることも事実です。
むしろ子どものいない家庭や、夫婦共働きの家庭であればこれ以上の金額を投資にまわすことも可能なのではないでしょうか。
月3.3万円というのは、ニュアンス的には「まずはこの金額を目標に」といった感じでしょうか。
これ以上の金額を投資できる家庭にとっては、「非課税枠の上限が少ない」となってしまいます。
投資余力の高い家庭にとっては、非課税枠が少ないといわざるをえません。
デメリット3:短期で大きなリターンは得られない
3つ目は
という点です。
つみたてNISAは投資可能額が年40万円と少額な分、非課税期間が20年と長く設定されています。
「20年間という長い時間を使って、コツコツと積立を継続してほしい」という政府からのメッセージが聞こえてきそうです。
投資金額が少ないので値下がりしても影響は限定的ですが、言い換えると短期間で大きな利益を得ることも難しくなります。
運用結果に大きな影響を与えるのが、投資元本です。
どれだけ大きな金額を投資できたかで、そのリターンも変わります。
投資金額が少ない分、そのリターンも限定的となることには注意が必要です。
積立の最中に市場が活況となり、大きな値上がりがあったとしても、それまでの投資元本に対してしかその利益はかかりません。
同じ期間、年額100万円の積立をしていた場合と比較すると利益に大きな差が出ます。
約20%の課税がされたとしても、年額100万円の積立をしていた場合の方が大きな利益を手にすることはいうまでもありません。
長い期間積立を継続して、元本を大きくしないとリターンもそれなりになってしまうということは理解しておきたいところです。
つみたてNISAは優良ファンドに少しずつ、長い時間をかけて投資する制度
初心者でも理解しておきたい、3つのデメリットについて紹介してきました。
どれも「投資」に慣れてくれば、慣れてくるほど気になる点です。
つみたてNISAは国もお墨付きを与えている制度、つまり「ある程度安心して投資できる制度」と考えていただいて間違いありません。
ですが、どんな投資にもデメリットはあります。
初心者であったとしても、今回紹介した点はしっかりと理解しておきたい内容です。
長期で続けるとしっかりとした利益が見込める制度だからこそ、そのデメリットも把握した上で正しく継続していただきたいと考えています。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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