先週は、FOMCが意識される中、様子見ムードで始まりましたが、イベント通過後は反転し一気に上昇気流に乗って、3月権利取りの買いも入り、3月の下げ分を取り戻し、陽線4日連続で1週間を終えました。
ロシアウクライナ情勢での地政学リスクに対する警戒は引き続き上値を重くしてきた一方、原油高が一服したことによって、過度なインフレへの警戒は後退し、週の後半には買いが優勢となりました。
FOMCの結果は想定通りで、FRBは市場の想定通り0.25%の利上げを決めました。
今後は利上げペースを上げるのではないかという警戒感が続くことが考えられています。
金曜日には、ずっと懸念されていたロシアの外貨建て国債の利払いが実施されたと伝わって、デフォルト回避との意識から買いが入っています。
ここからの日経平均は2万7,000円に乗せられるか意識されるところです。
海外投資家動向としては、3月2週3,217億円の売り越しとなっており、日本の現物株は9,935億円の売り越しで、週間の売り越し額としては、2020年3月の-9,517億円を超えました。
今週は月曜日が休みの4営業日です。
しっかり海外投資家の買いが入ってくるのか、そして「まん坊」が解除されたことによって、アフターコロナ銘柄に買いが入るのか注視していきたいです。
【今週の日経平均を考える】ロシアウクライナ情勢と株価への影響
現状分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、一週間を通して上向きとなり、更に株価が5日線の上を推移しています。
25日線は下向きを継続していますが、若干向きが横向きになったように見受けられます。株価は木曜日に25日線を上抜け金曜日には乖離しています。
75日線はかわらず下向きで推移していますが、25日線同様に若干向きが横向きになったように見受けられます。
並び順は75日25日5日線の並び順で、引き続き安定下降を示していますが、5日線と25日線のゴールデンクロスが見えてくる位置となっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は2万8,300円処を推移しています。
トレンドライン
意識されていた2020年11月20日の窓2万5,555円処をしっかり超えてきて、2020年12月28日の窓のラインまで到達しました。ここから上は、心理的節目として2万7,000円があります。
その上は2022年2月10日に開けた窓が窓埋めを完成していないので、窓2万7,575円が上値メドとして意識されます。
下は、今週の大きな上昇に伴い、窓開けした箇所が下値メドとして意識されます。
3月16日17日に開けた窓と、15日16日にもわずかですが窓が開いているため、価格2万5,441円の窓をいつ埋めるかというところが気になります。
一目均衡表
転換線が上向きに変化してきました。
このまま基準線と転換線の位置が逆転していくと上昇サインとなりますがどうなるでしょうか。株価の上には雲が立ちはだかっています。
今年に入ってからすぐに雲の下にもぐってからはずっと雲の下を推移していますから、そろそろ雲を抜けてほしいですね。
ボリンジャーバンド
+σも-σもTPライン向きにラインを収縮してきました。
横ばいながら収縮してから放れるのか、波を打って横ばうのか。今後の動きに注目です。株価はTPラインを超え+1σとの間を推移しています。
スローストキャスト
急角度で一気に買われすぎゾーン目指して上昇中です。このまま折れずに進むと今週中に買われすぎゾーンに到達してしまうので、その後の動きには注意します。
MACDは、ヒストグラムが好転してきました。MACDとシグナルの線もクロスして上昇を示しています。まだ0ラインを超えていないので下降トレンド中です。
月の満ち欠けですが、3月18日が満月でした。やはり、不思議と月の満ち欠けが株価に影響していることがわかります。次回4月1日が新月。4月17日が満月です。
総合判断
下降トレンド継続中ですが、潮の目が変わったような雰囲気は感じられます。
ここで今年に入ってからの下げは一旦終わり、トレンド転換していくのかなともとれます。
節分天井彼岸底というアノマリーも私たちの脳裏を掠め、VIX恐怖指数が23台と下落しています。世界的な危機が好転していくのか、しっかり見極めていきましょう。
分析するときに、一度大きな節を割ったということは、それだけの売りが出たということで、決して上昇トレンドになったわけではないということを、上昇反発中にも意識して、一方通行の意識にならないようにしていきたいです。(執筆者:城 晶子)