たくさんの情報が飛び交い、金融においても情報戦が繰り広げられる中、各情報において、その情報が本当なのか、それともフェイクなのか。
プロパガンダなのかもしれないという意識をもって、流れてくる情報を鵜吞みにすることなく、情報を整理していけるように気を付けたいと思います。
先週の日経平均株価は、ウクライナ情勢の悪化で長期的な先行き不透明感、更に金融制裁からの世界経済への悪影響懸念から運用リスクを回避するための売りが出る中で、OPECによる増産観測が伝わって原油が下落したことで、景気減速懸念が和らぎ反発となるも、ウクライナ情勢の緊迫化が続きそうだという懸念と、米消費者物価指数が市場予想よりも高水準だったことからインフレリスクが高まり、月曜日の終値2万5,221円から金曜日終値2万5,162円と、わずか59円差で行ってこいの1週間となりました。
金曜日に算出のSQ値は、2万5,457円でした。
海外投資家動向としては、3月1週-3792億円の売り越しとなっており、今年に入って1兆7879億円の売り越しです。
【今週の日経平均を考える】ロシアウクライナ情勢と株価への影響
現状分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、1週間を通して下向きに推移しています。株価は木曜日と金曜日に5日線に触れています。
25日線は下向きを継続。株価とはまだ乖離したままの状況です。
75日線はかわらず下向きで推移し、まったく株価に触れることなく乖離しています。
並び順は75日25日5日線の並び順で、全ての移動平均線が下向きで、引き続き安定下降を示しています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線ですが、下向きに推移し、75日線との乖離を広げています。
トレンドライン
月曜日に2万6,000円の心理的節目を割って、2020年11月20日の窓2万5,555円が下値として意識されました。
日経平均株価が3円台だったころには、まさかこの窓埋めを達成するとは思えないほどの上昇でしたが、今となってはやはり開けた窓は閉めるんだなと再度確認する結果になりました。
この2万5,555円が上値抵抗線として機能しています。
更にその下には、2020年11月6日の窓、2万4389円が下値メドとして意識されます。
この水準は、コロナ前の高値水準で、ここまで下げたとなると、コロナ禍の上昇が帳消しになったということになります。
一目均衡表
基準線と転換線の並び順は下降を示し、遅行線も下向きで弱さが目立ちます。
6営業日後に天底一致となるのか注目です。
ボリンジャーバンド
先週の金曜日から広がっており、月曜日と火曜日に-3σに到達してから株価は戻して-2σと-1σの間を推移して終えています。
+3σのライン以外全て下向きになっていて、とても弱さが見受けられます。
スローストキャスト
1週間を通して売られすぎゾーン内で推移しました。
今週、売られすぎゾーンを脱できるのか注目です。
MACD
–500水準に到達し、本当に弱い展開です。
この水準はコロナ禍の大きな下げの時以来です。
ヒストグラムも底のピークアウトはしたものの、まだ弱いままです。
月の満ち欠けですが、満月は3月18日です。
総合判断
いまだに下降トレンド継続中です。
この下降トレンド中という中で、「落ちてくるナイフは掴むな」などの格言をもとに、じっとこらえて買い場を待っていたという場合に、例えば3月10日のように大陽線が出現すると、我先にと買いを入れる、そしてこの上昇に遅れてはならないという気持ちから、正常な判断ができずに買いに走ってしまうという場面を多く見てきました。
そのような場合、私は「吹き値売り」という考え方をお話しさせていただいています。
乗り遅れてはいけない、何としても安値で買いたいと買いを焦ってしまい正常な判断ができないときには、酒田五法の「化け線」というものもあるんだということを覚えておくと、冷静な判断ができるかもしれません。
3月11日のローソク足はタスキ線で、これは相場の方向が継続することを示唆しているローソク足型です。
今週も経済制裁懸念なの悪材料が多くありますが、下降トレンド中の反発や下げ止まりがいつになるかを確認しつつ、世界情勢をしっかり確認していきましょう。(執筆者:城 晶子)