各情報において、その情報が本当なのか?それともフェイクなのか。プロパガンダなのかもしれないという意識をもって、流れてくる情報を鵜吞みにすることなく、情報を整理していけるように気を付けたいと思います。
先週の日経平均株価は「ウクライナ情勢の悪化が世界経済にマイナスの影響を及ぼすのではないか」との懸念から2月24日の安値を金曜日に1円割るという展開になりました。
米欧諸国などはロシアへの制裁を強めており、長期的な見方としても世界経済の悪影響を警戒した売り圧力に押されています。
しかし穀物、小麦、金属、アルミニウムなどの資源や、サイバーセキュリティ関連などには買いが入っています。
先週、トヨタ自動車関係へのサイバー攻撃により一日休業となったことで「他企業も更なるサイバー攻撃があるのではないか」と引き続き警戒されています。
海外投資家動向としては、2月4週-3083億円の売り越しとなっており、今年に入って1兆4087億円の売り越しです。
【今週の日経平均を考える】ロシアウクライナ情勢と株価への影響
現状分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、3日に上向きになったものの4日には下向きとなり、結局下向きの流れに戻って金曜日を終えています。
25日線は下向きを継続。火曜日に25日線にタッチしましたが、頭を押さえられる形で株価は下へと推移しました。
75日線はかわらず下向きで推移し、まったく株価に触れることなく乖離しています。
並び順は75日25日5日線の並び順で、引き続き安定下降を示しています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線ですが、下向きに推移し、75日線とデットクロス後はだんだんと乖離しています。
トレンドライン
今回も、ずっと意識されていた2021年2月16日高値から3月18日高値、6月15日高値と斜めに引いたラインに3月3日に頭を押さえられた形となりました。
今後もこのラインは意識していきたいと思います。
意識されていた8月20日の安値2万6,954円の横軸が3月1日に上値抵抗として機能しました。
下には2万6,000円の心理的節目があり、その下には2020年11月20日の窓2万5,555円が下値として意識されています。
一目均衡表
基準線と転換線の並び順は下降を示し、遅行線がきれいに1月27日の下に入ってきました。
底・底で、この後10営業日後に上に抜けるのか、それとも下を推移していくのかに注目です。
ボリンジャーバンド
火曜日にTPラインに到達しましたが、その後-1σ-2σを推移しています。
バンドが広がりかけているので下への意識と、波を打っていることで、もみ合う展開も気にしていきます。
スローストキャスト
売られすぎゾーンから脱して、このまま上昇へ向かうのかという流れでしたが、金曜日に下向きとなり、また売られすぎゾーンに逆戻りという感じです。
MACD
上向きだったMACDが下向きに変化してヒストグラムも安定せず、まだ下降トレンドが続きそうです。
月の満ち欠けですが、満月は3月18日です。
総合判断
いまだに下降トレンド継続中で、反発するもののまた戻されてと、ボラティリティが高い相場になっています。
今年になって3か月の下降ですので、そろそろ反発を意識するところですが、まだ下値を固めていないため、下げ止まりを確認してからの上昇がいつになるのかを確認していきたいところです。
米雇用統計は予想を上回りました。この結果から金融引き締めのペースが変わることはなく、いよいよ今月のFOMCで利上げとなるのかというところが焦点となりますが、おそらく既に織り込んでいそうです。
ロシアのウクライナ侵攻から、世界各国の株価も下落しています。
日本だけではなく、世界経済に目を向けてみるのも大切です。(執筆者:城 晶子)