2022年も早いもので2か月が経過しようとしていますが、株式投資をしている方は不安が大きいのではないでしょうか。
2022年は年初からアメリカ金利上昇懸念や最近のロシア情勢など、不安材料が途切れることなく、日経平均も約8%昨年末から下落しています。
※本記事の株価等指標値は2022年2月22日現在の値
しかし、すべての銘柄が下落しているわけではありません。
不安定な相場の中でも、先日の決算発表で評価が見直された銘柄は高値を取ってきています。
相場で長く生き残るためには、今どこに資金が来ているのかを知ることは大事です。
今回の決算発表期でもほぼ全ての銘柄の決算をチェックした筆者は、特に資金が流入しているグループに注目しています。
それは「割安高配当株」です。
そこで本記事では2022年の不安定な相場を乗り切るための、割安高配当株3選をご紹介します。
株投資で10万円をいかに増やせるか? 実際にやってみました~第3回~
割安高配当株とは?
本記事ではPERが〇倍以下、配当利回り〇%以上といった基準は設けていません。
その代わり2022年1~2月に発表された好決算・好材料銘柄から、ご紹介します。
1. 稲畑産業(8098)
・ 配当利回り 4.41%
稲畑産業は決算と同時に発表された「株主還元の基本方針の一部変更に関するお知らせ(pdf)」において、総還元性向を30~35%から50%へ引き上げました。
詳細として、減配は行わず増配を基本とし、年間利益の50%を目安に配当と自社株買いで株主還元する、という内容です。
さっそく決算発表と合わせて5.8%の自社株買いを発表しており、会社の株主還元策の本気度がうかがえます。
景気に業績が左右されやすい卸売業ですが、仮に来期業績が悪化しても減配リスクは低く、業績が上がるなら現在でも4.41%ある配当利回りがさらにアップする可能性があります。
さらに自社株買いが需給面でプラスに働いている面もメリットです。
以下稲畑産業のチャートをご覧ください。
ご覧の通り、下げ相場にも関わらず、材料を好感し株価は上げ続けています。
出来高も1か月前に比べると明らかに増加し、新規資金が入ってきている可能性が高いでしょう。
上がりすぎて買えない、と思うかもしれませんが材料に裏打ちされた株価上昇だと筆者は考えており、割高感はありません。
2. ニチモウ(8091)
・ 配当利回り 2.95%
ニチモウは水産物を扱う商社で、2022年第3四半期のみの決算は大幅な増収増益を発表しました。
ニチモウはPERが3.9倍とかなりの割安に評価されており、下げ相場でも以下のチャートの通り高値圏をキープしています。
ニチモウは好業績で、1株利益が約700円あるにもかかわらず、配当金が80円と少額です。
配当性向は約11%で、これは今後増配余地が大きいと言えるでしょう。
懸念点としては来期の業績が悪化した場合、1株利益が減少し割安高配当株ではなくなってしまう可能性があります。
投資する場合は必ず、5月頃に発表される本決算で来期業績見通しをチェックしましょう。
3. オプティマスグループ(9268)
・ 配当利回り 4.45%
オプティマスグループ(以下オプティマス)は、ニュージーランドを中心に中古車の輸出サービスを手掛ける会社です。
2022年3月期はニュージーランドでの中古車需要増加を追い風に、業績は絶好調と言えます。
さらに第1四半期だけ好調というわけではなく、2022年3月期を通してずっと好調をキープしている点もメリットです。
配当金についても増配が見込める可能性は十分にあると言えます。
会社側は特別利益などを除外した純利益に対し、30%を目安に配当する見込みです。
2022年3月期は第3四半期時点で約4.5億円の特別利益があるため、単純に今期利益見通しから4.5億円を控除して配当見通しを計算すると、約135円の配当金が見込めます。
よってあと10円程度は増配余地があるでしょう。
また2022年3月末に1 → 3株の株式分割を控えており、4月以降は1,000円程度で投資できるため、現在より少ない金額から投資ができる点もメリットです。
最後にオプティマスのチャートを確認します。
あえて週足にしたのは理由があり、2022年8月高値を抜けるとさらなる高値更新が見込めるからです。
チャート上の26週移動平均線を下支えに株価は反発しましたので、今は我慢して26週移動平均線まで下落してから買う作戦もよいでしょう。
懸念点としては、ニュージーランドの中古車需要が急に悪化する場合、減配リスクが高いことです。
NZドルに対する急激な円高にも注意する必要があります。
割安高配当株の注意点
最後に割安高配当株の注意点ですが、株式市場がリスクオンモードとなり日経平均などが急騰する場合、相対的に株価が弱い可能性があります。
現在の下げ相場では成長株を中心に下げているため、成長株を中心に資金が戻る場合は、消去法で買われていた割安高配当株から資金が流出するかもしれません。
下手すると日経平均が上がっているのに、株価が下がる可能性もあります。
よってご自身の相場観が強気である場合は、割安高配当株への投資はしないほうがよいでしょう。
割安高配当株は不安定な相場を乗り切るため、弱気な見通しを持つ投資家の方向けの手法となります。
そして最後はご自身で銘柄調査をし、納得した上で投資を行ってください。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)