いざ投資を始めてから気になるのが、
といった積立金額に関する疑問です。
投資金額が少なすぎても大きな効果は期待できませんし、逆に多すぎても今の生活が苦しくなるだけです。
自身にとって、毎月の積立金額の最適解はいくらなのか。
今回はこんな疑問の一助になる考え方を解説していきます。
結論を申し上げますと、
・ 非課税枠を最大限活用できる金額
が答えです。
以下、順番に解説していきます。
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まずは「緊急予備資金」を確保することが先決
積立投資の大前提としての考え方に「長期投資」というものがあります。
これは数年先のための資産を確保するための投資ではなく、少なくとも10年以上先の目標のための資金確保の手段として、積立投資があるということです。
つまり価格の値動きや生活苦から途中で売却してしまうと、積立投資本来の効果が得られないということです。
積立を停止するだけならまだしも、何よりも「途中で売却する」ということは避けなければなりません。
安心して積立を継続するために必要なのが、
です。
これを緊急予備資金と定義しますが、その必要金額は家庭の状況によって変わります。
「緊急予備資金」の目安
一般的には「半年分の生活費」が目安とされています。
毎月の生活費が25万円の家庭の場合は
が、最低限すぐに使える現預金として準備しておくべき資金です。
また家庭の状況によって必要な金額が目安から変動する理由は、
・ 自営業者の場合は、さらに多くの資金を準備しておく方が安心
・ 若年層ならリスクが低いため、少ない金額でも大丈夫
など個別の事情があるからです。
目安としては半年分の生活費ですが、各家庭の状況に合わせて金額を設定していただければと思います。
積立NISA、iDeCoの順番で「非課税枠を使い切ること」を目安に積立設定
緊急予備資金の準備が完了し、安心して積立投資が始められる状況になってから「実際いくらの積立投資をしたら良いのか」について考えることとなります。
そこでの目安として意識したいのが、「非課税制度の枠を使い切る金額」です。
通常、投資で得た利益については約20%の税金がかかります。
100万円の利益が出た場合は、そこから20万円は税金として徴収されます。
この通常かかる約20%の税金がかからない制度をフル活用することが鉄則です。
具体的に多くの方が活用するべき非課税制度として挙げられるのが
(2) iDeCo
の2本柱です。
・ 積立NISAについては年間40万円、
・ iDeCoについては就業状況によって変わりますが、月1.2万円〜6.8万円ほどの金額が
非課税で投資可能です。
積立NISAについては最長20年間非課税での積立運用が可能な制度で、現金化するタイミングも自由なことから、最優先で使いたい制度です。
対してiDeCoについては、運用益が非課税なことはもちろん、受け取る際にも節税できるメリットがありますが、60歳までは受け取れないという大きなデメリットがあります。
40代や50代なら、60歳までの期間がさほど長くないのでiDeCoメインでも良いかもしれませんが、若年層についてはまだまだ人生何があるかわかりません。
いざという時に使える積立NISAをメインに設定することをおすすめします。
積立NISAのひと月あたりの投資金額
積立NISAで投資可能な金額を月換算すると、
です。
毎月の貯蓄可能額が3万3,000円以下の場合は、これ1本に投資する形で良いでしょう。
毎月3.3万円以上の金額が積立可能な場合には、次の選択肢を探す形になります。
配偶者の積立NISA活用も視野に
ここで忘れて欲しくないのが、配偶者の積立NISA枠の活用です。
積立NISAの口座は1人1口座作ることが可能です。
また口座を作るための制限は、年齢以外ありません。
つまり仮に配偶者が専業主婦など所得がない場合でも、積立NISAの口座を開設し、実際に投資をすることが可能です。
これを活用することで、夫婦合計で月6.6万円の非課税投資が可能です。
決して小さくない効果がありますので、ぜひ活用してください。
中高年には強い味方のiDeCo、若年層は注意が必要
積立NISA枠を使い切ってもなお、余力がある場合はiDeCoを活用することをおすすめします。
ですが先にも解説した通り、特に若年層のiDeCo活用には注意が必要です。
60歳まで引き出せない制度なので、「完全なる余力」で活用するべきです。
たしかに退職金制度のない企業が増えているのも事実です。
老後のお金は自分たちで準備しないといけない時代に入っていることは、疑う余地のない事実でしょう。
活用しないよりかは活用する方が良いのは間違いありませんが、無理のない金額で設定するべきです。
逆に40代以上の中高年層については、できる限り活用するべき制度でもあります。
就業状況によって拠出できる金額に違いはありますが、ある程度子どもの教育費などが落ち着いてきた場合は、枠ギリギリまで設定することも視野に検討しても良いでしょう。
非課税制度の枠を超えた余剰資金については特定口座で運用を
これまで優先的に活用したい非課税制度をもとに、毎月の投資金額の目安について解説してきました。
積立NISA、iDeCoの非課税枠を超えてもなお余力のある場合は、通常の課税口座(特定口座など)での運用をするべきです。
たまに質問を受けるのですが「課税口座で投資をすると損」みたいな風潮がありますが、これは誤りです。
あくまでも課税されるのは、利益が出た部分です。
利益が出ないと課税はされません。
つまり運用して損することは一切ありません。
預金口座で寝かせておいても増えることはありませんし、インフレが起きれば目減りしてしまいます。
余力がある限り、できる限り大きい金額を投資に回すべきだというのは間違いありません。
投資金額の目安は非課税制度の枠にあり!なお余力がある場合は追加で投資を
緊急予備資金が準備されていることを前提に、毎月の投資金額の目安を解説してきました。
まずは自身の積立NISAの枠(月約3.3万円)と配偶者の積立NISAの枠(月約3.3万円)を使い切ることを目標に、設定することをおすすめします。
40代以上の方や積立NISAの枠を使い切ってもなお余力がある場合は、iDeCoの枠(就業状況によって金額の違いあり)を活用すると良いでしょう。
これらの制度を活用するだけでも、月8万円以上の金額になります。
もちろん決して少ない金額ではありませんので「こんなに大きな金額を積立に回すことはできない!」という方も多いでしょう。
あくまでも目安なので「積立NISA月1万円から始める」でも問題ありません。
月1万円から始めて、ゆくゆくは月3.3万円の積立ができることを目標に頑張れば良い話です。
月3.3万円達成できれば次の目標として配偶者の積立NISAで3.3万円の積立目標を立てるなど、順番にクリアしていけば良いのです。
できるところから着実に実行していくことが成功の秘訣です。
「枠を使い切らない」ことは意外と違和感のあることらしく、月1万円の投資から始めても何とか金額を上げようと頑張る人が多いのも事実です。
まずは目安の「月3.3万円」を目標に将来のための準備を始めることが第1歩です。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)
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