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中小企業が注目するiDeCo+(プラス)の4つのメリット 掛金設定や企業型DCとの違いも解説


働き方の多様化と同時に、医療が発展し、長く生きることが前提の社会が形成され始めています。

特に在職老齢年金で年金がカットされるような報酬形態(例えば経営者)の方や、現役時代にあまり年金の保険料を支払ってこなかった方、公的年金だけでは長い老後の生活が心配と感じられる方も多くいます。

そこで、公的年金とは別に、「私的年金」として個人型確定拠出年金(愛称および以下、iDeCo)が注目を集めています。

今回はその中でも、会社としてもメリットのある「iDeCo+」にフォーカスをあて解説してまいります。

中小企業にとってメリット大なイデコプラスとは

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iDeCo+とは

正式名称を中小事業主掛金納付制度と呼び、iDeCoを行っている社員に対して会社が追加で掛金を支払う制度です。

よって、iDeCo+(プラス)と呼ばれています。

対象となる企業

・ 厚生年金に加入する企業で

・ かつ、企業年金(企業型確定拠出年金や確定給付企業年金、厚生年金基金)がなく、

・ 従業員数300人以下であること

です。

会社の具体的なメリット

iDeCo+(プラス)の会社にとっての具体的なメリットを4つ紹介します。

中小企業経営者

1. 節税効果

従業員のために支払った掛金は全額損金計上が可能です。

また従業員のことをおもい、給与時に何らかの「手当」(例えば職務手当)を払ってしまうと、その手当は社会保険料の計算に含まれますが、iDeCo+として従業員に支払った掛金分は社会保険料の対象にもなりません。

そして、社会保険料は労使折半であることから、会社も従業員も社会保険料が高くならないということは労使双方にメリットはあると言えます。

当然、その支払った掛金分は所得税の対象にもなりません。

2. 会社負担の掛金が1,000円から可能

会社が支払う掛金については、1,000円以上2万2,000円の範囲内で設定が可能です。

従業員側の注意点として、iDeCoは最も低い掛金額が5,000円ですが、従業員としての掛金をゼロにすることはできません。

しかし従業員のメリットとして、例えば会社が4,000円の負担をしてくれるとしたら、iDeCoを1,000円で始められるということです。

iDeCo+は既にiDeCoを始めている従業員やこれから始めようとする従業員を対象にすることが可能です。

3. 企業型確定拠出年金に比べて手続きが簡単

導入後の諸手数料は全て従業員負担となり、原則として会社は掛金以外の費用は発生しません

また、従業員が退職してしまったあとも、退職した旨を国民年金基金連合会に通知するのみで手続きは終了です。

それでも負担に感じる場合は社労士などの専門家に相談するなども選択肢です。

4. 求人効果

大企業であれば企業年金は多く普及していますが、中小企業となると企業年金を導入している企業はまれです。

参考として厚生労働省・平成30年就労条件総合調査では、従業員数30人から90人の企業では退職給付制度(一時金・年金)なしという企業が22.4%あります。

そこで、実際に従業員に対して支払う金額は1,000円であったとしても、全くない企業とは十分な差別化になるでしょう。

ただし実際に導入する際には、会社が一方的に導入に踏み切るのではなく、労使合意したうえで進めていく必要があります。

iDeCoの設定可能な掛金額

企業年金が導入されていない会社員(国民年金第2号被保険者)は、月額の上限が2万3,000円となります。

年額では27万6,000円です。

金額設定は1,000円刻みで決定が可能で、掛金額は年1回変更が可能です。

デメリットとして60歳までは原則引き出しができませんので、計画的に掛金額を設定したいところです。

万が一60歳までの間に死亡した場合は、死亡給付金としてiDeCoの資産が遺族に支払われますので、あらかじめ受取人を指定しておくことが可能です。

なお公的年金と同じで、内縁の配偶者は資産の受取人として認められますので、記憶に留めておきたい部分です。

また、iDeCoの掛金は原則として指定口座からの口座振替となります。

また、合意により給与天引きも可能です。

イデコ

状況に合わせて最善の選択をしよう

iDeCo+は前提として厚生年金に加入している事業所という要件がありますので、中小企業であっても全ての中小企業が要件にあてはまるわけではありません。

また、従業員数が300人を超えたからとっても、直ちに利用を中止しなければならないということではありません。

その場合企業型確定拠出年金の方がむしろメリットが大きいということもあり得ますので、専門家に相談するなどして、その時点での最善の選択をしていくことが良いでしょう。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)

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