税務調査の連絡がいつ来るのか予測できませんし、税務署から調査の連絡が来たら誰でも驚きます。
突然の連絡への動揺を抑えるためにも、本記事で相続税調査が実施される際に知っておきたいポイントをご紹介します。
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1. 税務署が連絡してきた理由は必ず確認すること
税務調査以前の話になりますが、役所や税務署職員をかたった詐欺にはご注意ください。
税務署から電話があった際は、最初に連絡してきた理由を確認することが大切です。
税務署が接触してくる理由は税務調査以外にもあり、添付書類が不足していた場合の催促や、相続が発生した際に相続人に対して相続税の申告のお知らせを送付するケースなどがあります。
郵送で使用する封筒には管轄税務署の情報が印字されていますし、書面には税務署と担当部署・担当者名が記載されています。
電話連絡の場合にも、税務署職員は税務署と担当部署・担当者名を必ず名乗りますので、もし不審な点がありましたら、電話を折り返しにしてください。
2. 相続税の税務調査は亡くなった人の原則自宅で実施する
所得税や法人税の調査は、通常納税者の自宅や事務所で行います。
相続税の納税者は相続人や受遺者(相続財産を取得した人)ですが、税務調査を実施する場所は、原則亡くなった人の自宅です。
相続税の申告書の提出先は、亡くなった人が住んでいた場所を管轄する税務署ですので、亡くなった人の自宅に誰も住んでいない状態でも、調査担当者は亡くなった人の自宅で調査を求めてきます。
ただ実家を既に取り壊していた場合や、亡くなった人が賃貸物件に住んでいて、調査時点では解約しているなどの場合には、相続人の自宅等で税務調査は行われます。
3. 税務調査を拒否することはできない
税務調査はマルサが行う強制調査もありますが、ほとんどの調査は任意の調査です。
ただ任意調査は、納税者の同意の下で調査を行うことを意味し、調査自体を拒否できるわけではありません。
また相続税は相続人全員で1つの申告書を作成するため、納税者が複数人存在しますので、基本的には相続人全員が調査に立ち会うことになります。
しかし現実的な話として、亡くなった人の自宅に相続人全員が集まるのは難しいため、実際の税務調査においては、配偶者など代表相続人が調査の応対をするケースが多いです。
4. 税務署からの連絡は無視しないこと
税務署からの電話や郵便物が届くと驚きますが、連絡してきた内容を確認し、必要に応じて対処してください。
連絡を無視することで罰則を受けることはありませんが、対応しないことで税務調査が無予告で行われる可能性も出てきます。
無予告調査は、早朝に調査担当者が自宅に訪れて調査を開始しますので、その日の予定が狂ってしまいます。
税務調査に応じれば、調査日の日程はある程度調整してくれますので、あせらないで対応することを心がけましょう。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)
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