コロナ禍で日本株投資、米国株投資に挑戦する人が増えています。
筆者は、コロナ禍に米国株投資をスタートさせ、海外ETFの「SPYD(エス・ピー・ワイ・ディー)」の投資を開始。
タイミングや余力を見て買い増ししています。
3月、6月、9月、12月の年4回の分配金があり、定期的にお小遣い感覚で分配金が入金されます。
夢は、分配金が増え、いずれ不労所得のようになることです。
筆者の実体験をお話します。
「日経平均」vs 「S&P500」 過去5年~30年間、投資していたらどうなっていたか試算してみた
SPYDとは
SPYDは、アメリカの高配当株に投資できる「海外ETF」です。
ETFは「Exchange Traded Fund(上場投資信託)」の略で、上場しているため株式のように自由に売買できる特徴があります。
≪画像元:Bloomberg≫
SPYDは、2021年9月27日の終値時点、39.89ドルです。
コロナショックのタイミングで22ドル台にまでなりましたが、現在では、コロナ前とほぼ同水準、タイミングによっては42ドルの高値圏まで戻っています。
≪画像元:Bloomberg≫
高値圏では購入に抵抗があったのですが、1口試しに購入し、その後、6月の分配金の支払い後に40ドル以下まで下がっていたため何度かに分けて分散購入しました。
SPYDは、3月、6月、9月、12月の年4回、分配金の支払いがあります。
日本株では配当金が支払われるタイミングは年に1回か2回が多いのですが、米国株や米国ETFは、SPYDのように、配当金や分配金が年4回支払われる銘柄もあります。
SPYDの構成上位銘柄
≪画像元:bloomberg≫
SPYDは複数の米国株銘柄を組み合わせたETFです。
構成銘柄上位は
・ Seagate Technology Holdings
・ コノコフィリップス
・ アイアンマウンテン
・ パブリック・ストレージ
・ リージェンシー・センターズ
・ ウェルタワー
・ サイモン・プロパティー・グループ
・ フェデラル・リアリティー・インベストメント・トラスト
・ ONEOK
・インターパブリック・グループ など
紹介した構成銘柄をすべて足してもファンド割合は15%程度で、構成銘柄は書ききれないほどです。
不動産会社をはじめとして、電子ハードディスクドライブメーカー、石油エネルギー企業、情報管理サービス会社、倉庫リース企業などに投資しています。
ややこしい「SPDR」「SPY」「SPYD」の違い
海外ETFを調べていると、SPDR(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザリーズ社)の取り扱う海外ETFの名称が似ていてややこしいことに悩まされます。
わかりやすく違いを紹介します。
・ SPDR(エス・ピー・ディー・アール、スパイダー)
→ 企業名、SPYやSPYDを取り扱う会社。
・ SPY(エス・ピー・ワイ、スパイダー)
・ SPYD(エス・ピー・ワイ・ディー、一部ではスピード)
→ ETFの種類
「SPY」は、S&P500連動型のETFです。
S&P500の「S&P」とは、「スタンダード・アンド・プアーズ」の意味で、アメリカのニューヨーク証券取引所やNASDAQなど代表的な米国の500社に投資するファンドです。
500社には、アップル(AAPL)やマイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)など日本でも耳なじみのある企業が含まれます。
米国株で個別銘柄に投資するより、500社に分散投資ができるため初心者にも向いています。
今回、筆者が買った「SPYD」は高配当ETFです。
「S&P500指数の採用銘柄のうち配当支払い上位80銘柄」に投資するETFです。
「SPY」のS&P500連動型ETFの構成銘柄とは少し内容が違います。
メリットは総経費率が0.07%で非常に低いコストであることと、高配当なことです。
筆者は個別銘柄で米国不動産会社に投資する割合が少なかったため、挑戦してみることにしました。
SPYの構成上位銘柄
≪画像元:bloomberg≫
SPYの構成銘柄上位も見て、SPYDと比較しておきましょう。
・ Apple
・ Microsoft Corp
・ Amazon.com Inc
・ Facebook Inc
・ Alphabet Inc
・ Berkshire Hathaway Inc
・ NVIDIA Corp
・ Tesla Inc
・JP Morgan Chase &Co
比較するとSPYDとはまた違った構成銘柄とわかります。
SPYDに投資するメリット
「SPYD」の売買画面を見てみます。
≪執筆者撮影≫
画面を見ながらSPYDに投資するメリットを紹介します。
1. 1口5,000円以下で購入できるETF
2021年9月28日現在、SPYDの1口あたりの金額は39.89ドルです。
日本円に換算すると、4,440.08円。
5,000円以下で買えるETFです。
日本株が5万円以下、10万円以下で購入できるようになったと言っても、リスクのある金融商品を一気に数万円購入するのは高く感じてしまいがちです。
しかし、5,000円以下で買えるETFなら、挑戦しやすく、マイナスが出ても買い増ししやすい気がします。
2. 分配利回りは5.15%と高水準
SPYDの分配利回りは5.15%と高水準です。
利回りだけでなく予想株価収益率(PER)も14.10です。
日本株と比較すると割安に感じます。
PERが低いと、投資金額を回収する期間も短くて済みます。
3. 年4回の分配金
SPYDは、3月、6月、9月、12月の年4回の分配金があります。
≪執筆者撮影≫
2020年の実績では、年間、1口あたり1.6320ドルの分配金がありました。
年4回支払われています。
4回に分けて、分配金を「定期的にもらえる」のです。
2021年は12月の分配金の額が決定していませんが、2020年9月と2021年9月を比較すると、2021年9月の分配金の方が多いです。
2020年の12月実績の0.6066ドルがもらえたと仮定すると、1口あたり年間で2ドル以上の分配金がもらえる計算です。
4. 買い増ししやすい
SPYDは約40ドルで1口のため、買い増ししやすいです。
プラスでもマイナスでも定期的に買い続ける「ドルコスト平均法」の投資術を取り入れるのにも向いています。
例えば、毎月、1万円~2万円と決めておき、定額購入して資産形成をしていくのにも、SPYDはやりやすいです。
SPYDに投資するデメリット
SPYDに投資するデメリットも紹介しておかなくてはいけません。
1. 元本割れリスクがある
日本株でも米国株でも言えることですが、元本割れリスクがあります。
コロナショック後には一時22ドル台にまで落ちています。
元本割れをしたとしても、
・ 落ちたタイミングで買い増しができる
・ 5%以上の高い分配金を回収してプラスにするのを待つ
この2つができればよく、中長期保有もできます。
傾向を見ると、分配金の支払いタイミング後に下がるようでした。
そのため、筆者は、2021年9月の分配金支払い後、12月の分配金支払い後のタイミングも注視してみます。
2. 米国株は二重課税で日本株よりも高い税率
分配金の支払い明細を見ると、分配金の税引前は「8.50ドル」、税引前で「6.12ドル」になっています。
税金は28%引かれていることがわかります。
日本株では、現在、配当所得として税率20.315%が課税されていますが、それよりも高い税率が引かれています。
SPYD投資で利益は出た?筆者の投資体験談
≪執筆者撮影≫
2021年5月、6月ごろからSPYD投資を行ってきた筆者。
資金の余力がある時や40ドルを切ったタイミングで買い増しをしています。
≪執筆者撮影≫
9月の権利確定日時点で22口保有していました。
購入総額は9万8,289円相当額です。
配当・分配金は合計8.5ドル、受取金額は6.12ドルです。
現在、1ドルは111.22円なので日本円に換算すると約680円の分配金です。
約10万円を預けて約680円の分配金がもらえました。
実は、先日、中国不動産大手企業の影響でNY株が500ドル超安を記録した際、狼狽売りで、保有していたSPYDの一部を売ってしまいました。
その後、買戻しをして平均取得は39.9664 USD。
現時点での評価損益は少しだけプラスです。
SPYD投資では長期保有と積み増しでお小遣いを狙う
コロナ禍から米国株投資をはじめ、高配当ETFにも挑戦しはじめた著者。
日本株だけだったポートフォリオが、米国株や米国ETFも入った充実したものとなっています。
SPYDでは米国個別株では保有していない株もカバーできています。
分配金も年4回あるため、12月までの期間も、積み増ししていきたいと考えています。(執筆者:節約への情熱は誰にも負けない谷口 久美子)
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