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キャンペーンがなくても「預金金利」が高い銀行 銀行が預金を集める理由


新しい生活様式が定着し、それと同じように多くの人が低金利時代にすっかり慣れている現在ですが、それでも銀行などの金融機関では金利などさまざまなキャンペーンを実施しているところがあります。

今回は、金利やそれ以外のキャンペーンについて銀行員が解説します。

「金融機関が金利キャンペーンをするのはなぜ?」

「どんなキャンペーンがあるの?」

「キャンペーンのデメリットはなに?」

こうした素朴な疑問に答えます。

銀行が預金を集める理由

【ゆうちょ銀行】手数料が改悪 変更点のまとめと対応策

預金金利キャンペーンってなに?

一般に預金キャンペーン、金利キャンペーンと呼ばれているのは、銀行が預金を集めるために、おもに金利を上乗せする期間限定の施策です。

これまでは6月や12月のボーナス時を狙ったボーナスキャンペーンや、「〇〇銀行創立100周年」といった記念キャンペーンが代表的でした。

低金利が続くようになり、ボーナスキャンペーンは減り、そのいっぽうで特徴のあるキャンペーン(内容は後述)が増えてきました。

現在預金金利が高い銀行

定期預金、預け入れ額300万円以上1,000万円未満、預入期間1年の場合、平均的な金利は0.003%(年)です。

参照:日本銀行 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等/2021年9月15日掲載分

通常の定期預金金利が高い銀行を調べてみました。

現在は、なにかしらのキャンペーンや、特定の条件をクリアしないと金利アップもできない情勢です。

キャンペーンは除いて、少なくとも預金者限定(特定の国籍、特定の社員などに限定)でなく、条件さえ満たせば利用可能と思われるものを筆者が調べました。

記事を執筆した時点の内容ですので、利用を検討される場合はかならずご自身で確認してください。

【預入金額300万円以上1,000万円未満、預入期間1年の場合】

筆者調査 記事執筆:2021/9/18時点

参照
オリックス銀行
auじぶん銀行
ローソン銀行
GMOあおぞらネット銀行
ソニー銀行
三菱UFJ銀行
横浜銀行
ゆうちょ銀行

金利が高いから「いい銀行」なのか

上記の表で金利が高い銀行はすべてネット銀行(ネット専業銀行とも呼びます)です。

条件にネット専用預金と記載しましたが、ネット銀行はリアルな店舗(実店舗)を持たず、インターネットで取引が完結するため、メガバンクやゆうちょ銀行などの店舗を持つ金融機関より人件費などの経費がからず、そのための金利差とも言えます。

現実の店舗がないネット銀行が、メガバンクなどよりサービスが劣るとも言い切れませんが、金利差だけでいい銀行とも断言はできません。

金利が高い銀行、低い銀行の差は?

金利がいいだけで良い銀行なのか

金利差と言っても、いまの低金利ではそれほどの差はありません。

年利0.15%と言っても、300万円を1年預けて満期になったときの税引き後利息は3,600円です。

いっぽう金利が0.002%の場合は、300万円を1年預けた税引き後利息は48円です。

多いことは事実ですが、それでも金額で3,552円の差で、どちらにしてもたいした金利ではないと言わざるを得ません。

【参考】

計算式:預入金額×金利(%/年)×0.8=受け取る利息額

1. 金利は1年間預ける年利、3ヵ月定期ならさらに4分の1で計算する

2. 金利には20%の税金(国税15%・地方税5%)がかかるので「×0.8」

例1:300万円、0.15%で1年預けた場合

300万円×0.15%×0.8=3,600円

例2:300万円、0.002%で1年預けた場合

300万円×0.002%×0.8=48円

いまの金利を野球の打率で考える

現在の金利水準を野球の打率で考えて見ましょう。

打率や防御率などは日本古来からの表現がいまも使われています。

たとえば打率3割は「10回打席に立って、3本のヒットを打った」(利率なら30%)です。

打率では「〇割〇分〇厘」などと表現されます。

1割は10%、1分は1%、厘なら0.1%となります。

現在の金利を同様に表現すると、

・ 年利0.15%とは「1厘5毛」

・ 年利0.002%なら「2糸」

*1万分の1を糸(し)

1厘5毛は、打率なら1,000回打席に入って15本、2糸になると1万回の打順で2回(5,000打席でやっとヒット1本)の確率です。

現在の金利が以下に低いか、実感できます。

銀行におけるお金の流れ

預金としてお金を預かる → そのお金を融資する → 利息を付けて返してもらう → 満期には金利を付けて顧客に返す

これを「金融仲介機能」といい、金融仲介機能があるから銀行などは金融機関と名乗っているのです。

預金がなければ融資もできませんし、銀行から預金がなくなるということは破綻を意味しますが、現在の低金利下では金融市場から低コストで資金調達できます。

銀行が預金を集めるのは「儲かるタネ」を集めるため

銀行では、預金はあまり必要ありません。

すでに預かっている預金を投信や保険などに投資させれば、販売手数料などで儲けることが可能です。

そこで、銀行が預かっている預金を、投資に振り向けようと積極的に勧誘しています。

満期になった定期預金を引き出しに行くと

「定期預金なんてもったいないですよ! ところでおすすめがあるのですが…」

これがよくあるパターンです。

このように自分の銀行にある預金を投資に振り向けていくと、いつかはどうしても預金が減少するので、他行の満期預金を集めるためキャンペーンを展開するのです。

サービスも含めたメリットを考えて選ぶ

キャンペーンだけで考えない

銀行をどう使うかは、あなたが主導的に決めなければいけません。

「住宅ローンがあるから」

「事業資金を借りているから」

こうした取引があるからといっても、投資や運用商品に付き合う義務はありません

特別キャンペーンと呼ばれる高金利な定期預金は、投資商品との同じ申し込みなど、派生するサービスとセットになっているものが大多数です。

金利キャンペーンなど、目の前の金利だけではなく、条件になっているもののメリット・デメリットをしっかりと考えながら、慎重に判断してください。(執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二)

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